新酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会の結果が22日に発表されました。

午前10時、福島市にある福島県酒造協同組合では、組合の渡部謙一会長や酒づくりの指導にあたっている『日本酒の神様』こと顧問の鈴木賢二さんがホームページで結果を確認しました。そして…。

「あああっ…」

結果を確認する鈴木さん(左)と渡部会長

福島県の金賞は18銘柄、それを上回ったのが兵庫県の19銘柄。福島県はわずかひとつ及ばず2位となり、2年ぶりの金賞受賞数日本一返り咲きはなりませんでした。

県酒造協同組合・渡部謙一会長「1蔵差だったので、悔しいという気がします。来年に向けて日本一が取れるように酒造りに精進していきたい」

入賞数は「31銘柄」で全国最多に

しかし、金賞の数は去年に比べて4銘柄増え、さらに入賞の数は31銘柄で全国で最も多く、「福島の酒」の品質の高さを示す結果となりました。福島駅前では、結果を知らせる新聞の号外が配られました。

福島市内の飲食店経営者「今年はリベンジで取ってもらえるかなと思ったけど、一歩差で惜しかったですね。福島のお酒はすごくレベルが高く全国に誇れる酒なので、来年頑張っていただきたい」

福島市民「2位で残念というわけではなく、入賞数で一番になれるのは素晴らしいこと」

また、福島市の中心部では金賞受賞を祝うイベントが行われ、金賞に輝いた酒が振る舞われました。日本一奪還を目指す福島の酒、その夢は来年に持ち越しです。

来年の奪還に向け『日本酒の神様』は

福島県で金賞を受賞した酒は、18銘柄で、去年より4つ増えました。

TUF

今回の結果について、酒造組合の顧問で県内の蔵元に酒造りの技術を指導している『日本酒の神様』こと、鈴木賢二さんは「今年はお米に対応できた」と話しています。

鈴木賢二さん「今年は前もってお米の性質を詳しく分析して、それに対応するというのが課題で、それなりに対応できたかなと思っています」

『日本酒の神様』こと鈴木賢二さん

去年と同様今年も酒米はやや固めで、仕込みの時に水を減らすことで、より豊潤な味わいに仕上がりました。

しかし、わずかにその上をいったのが兵庫でした。新酒鑑評会の審査員の経験もある鈴木さんは「灘などに大手が多いので、全体でその技術力が向上した」と分析しています。

来年の日本一奪還に向けて、鈴木さんは「新しい酵母が開発されていて、その性質を把握すること、使い方も色々なところから情報収集して前向きに取り組んでいく」と話し、すでに来年を見据えていました。