食品スーパーや食料品を扱う小売店を展開する会社が、富山県内だけでも10年で4割減っていることが、帝国データバンク富山支店のまとめでわかりました。全国では3割減にとどまっていて、富山は全国よりも減少幅が大きくなっています。

帝国データバンクの企業概要データベースCOSMOS2から抽出した富山県内に本社を置き食品スーパーや小売店を展開する会社は、2013年12月時点で62社ありましたが、10年後の2023年12月時点では36社に減っています。

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この10年間で62社のうち26社が、倒産または休業か廃業し、減少率は41.9パーセントにのぼります

全国では10年前に5134社ありましたが、2023年12月時点で3602社になり、減少率は29.8パーセントです。

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全国に比べ、富山の減少幅が大きくなっている背景について、帝国データバンク富山支店調査課課長の大場正範さんは次のように分析しています。

帝国データバンク富山支店 調査課課長
大場正範さん:「富山県内の食品スーパーや主に食料品を扱う小売店のほとんどは、県内に本社を置く地元密着型の会社です。人口減少が進む中でも、富山は全国に比べ減り方も大きく今後もこの傾向は続き、いわゆる“優勝劣敗”の色合いが、さらに鮮明となります。特に市場規模の維持が難しい過疎地を中心に減っていき、反対に中心部では、最近のドラッグストアの進出もあり、競争はますます熾烈になるとみられます」

帝国データバンクによりますと、食品スーパー業界では、人口密集地の都市部で大手同士の経営統合や、地方への新規出店も相次ぎ寡占化が進んでいるといいます。

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経営努力で追いつかない“コスト高”が…

一方で地域に密着している地場の中小スーパーは、大手のスケールメリットによる低価格化や割安なPB品の充実ぶりに対抗するのが難しい課題があります。

このため、仕入れ値の価格転嫁以上に増加する電気・ガス代など、“経営努力ではコントロールできないコスト高”が追い打ちとなり、赤字や減益、閉店が続くとみています。