「今年から田んぼできるようになった」2年前の豪雨被害から学ぶ 立山町白岩地区の防災訓練と復旧の現状 富山

チューリップテレビ6/16(月)20:02

富山県東部を襲った記録的豪雨からまもなく2年、浸水被害にあった立山町の白岩地区では14日、住民が参加した防災訓練が行われました。当時、課題として残ったダムの緊急放流時の住民への情報伝達はスピーカーの増設やサイレンの運用の仕方の変更などで改善を目指しています。

防災無線のアナウンス「避難指示を発令しました」

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加賀谷悠羽キャスター
「避難を呼びかけるサイレンが鳴り始め、続々と避難所に住民が集まっています」

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14日、富山県立山町の白岩地区で行われた防災訓練。線状降水帯が発生し、白岩川ダムで緊急放流を実施することを想定して行われ、住民約40人が参加しました。

2023年6月、県東部を襲った記録的豪雨。

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立山町の白岩川ダム上流では、1時間に最大88ミリの局地的な豪雨となり、ダムの水位が急激に上昇。

県はダムに流れ込む水をそのまま下流に流す「緊急放流」を実施しました。

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下流域では白岩川の堤防が決壊。床上2棟、床下11棟が浸水したほか、農地(約20万平方メートル)にも甚大な被害が出ました。

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当初、緊急放流は「午後5時から」と予告されていましたが、ダムが想定よりも早く限界水位を超えたため、予定よりも40分繰り上げられました。このため逃げ遅れた人も。

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住民「今から放流しますって、家に帰ってきて、そのときは何ともなかったんだけど」
加賀谷キャスター「無線の呼びかけは?」
住民「入ったかどうか知らないけど、動転しているからわからない」

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住民への情報伝達が遅れたことが課題となっていました。

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情報の伝達手段やサイレンの鳴らし方を見直し

こうした事態をうけて、ダムを管理する県は専門家を交え、緊急放流をする際の情報提供のあり方を検討してきました。

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県立大学工学部 呉修一 准教授
「一般的な感覚から言うと、ファックスでまだやり取りしているのは。令和だぞと。時間かかりすぎじゃないかな」

検討会がとりまとめた行政側の新たな取り組みとして、ダムの管理事務所から自治体への連絡手段はこれまでファックスが基本でしたが、リアルタイムでのやり取りができるチャットを追加。

また、関係機関の防災行動について時系列で示すタイムラインを作成しました。

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ダム下流に整備されている12か所の放流警報設備は、川から離れた住宅にも音声が届くようスピーカーを増設しました。

また、危険性のレベルに応じてサイレンの鳴らし方も改良されました。今年度からは新たに、緊急放流を行う「可能性がある場合」も、サイレンを約50秒間、3回鳴らし、緊急放流を行う際は約20秒間のサイレンを10回鳴らす運用としました。

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14日の防災訓練で、住民らは避難を呼びかけるサイレンが鳴ると、近くの公民館まで避難しました。

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白岩川ダム管理事務所 谷嶋清重所長代理
「1回目、2回目は『ウー』が長いサイレンなんですけど、3回目は『ウー、ウー、ウー』っていうようにちょっと短くなるんです。1回目、2回目とは違った鳴り方をするので、その時には必ず逃げてほしい」

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新しく増えたサイレンのパターンや避難行動を確認しました。

参加した住民
「場所が場所だし、山の方は地すべりもあるので。年に何回かやらんとね。(今回の)訓練で終わってはだめかなと」

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白岩集落 白石寛区長
「外にいればかなり聞こえると思いますけど、家の中にいればね、どうしてもね(聞こえづらい)」

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白岩川ダム管理事務所 谷嶋清重所長代理
「閉めきった部屋で、雨が強い中になると、どういった動きになるかなと。もっと早く、町からのお知らせ、防災無線からのお知らせの方法がないかなと感じました。情報を仕入れて教えてあげることしかできないので、その辺を力入れていけたらなと思います」

甚大な浸水被害 農地への影響は…

2023年の豪雨から、まもなく2年。浸水被害にあった下流域の現状は――

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当時、大量の土砂が流れ込み、堤防が決壊した立山町の白岩川周辺。約100メートルに渡り護岸が削られていましたが、本復旧工事が昨年末に完了し、コンクリート製の護岸が新たに整備されました。

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農地の浸水被害も甚大でしたが、ことしから、作付けを始めた田んぼも。

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女性「2年ほどできなかったけど、ことしから、そこ(の田んぼ)するようになった。ほっとしたような感じだちゃねえ」

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白岩川のそばに住む女性。豪雨が発生した当時、逃げ遅れ、消防に救助されました。

自宅は床上浸水し、しばらく、2階での生活を余儀なくされていましたが。

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女性「畳もみんな。大丈夫です。そんなに雨降らんと思っとんがだけど、わからんちゃねえ」

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立山町によりますと、浸水した農地の9割以上が復旧工事を終えていて、残りについても、今年度中に完了するということです。

復旧が進む一方で、白岩川の上流域では、今も土砂が残っているところもあるといい、「不安が残る」といった声も聞かれました。

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