富山湾のベニズワイガニ調査 成体が回復傾向も稚ガニが減少 「乱泥流」の影響受けたか 今季も過去最少で将来の漁獲に不安
チューリップテレビ6/20(金)7:07

富山湾のベニズワイガニ調査 成体が回復傾向も稚ガニが減少 「乱泥流」の影響受けたか 今季も過去最少で将来の漁獲に不安
今シーズンの富山湾のベニズワイガニ漁獲量が、記録が残る1985年以降で過去最少となりました。能登半島地震による海底環境の変化が要因のひとつとみられています。一方で、県の調査からは成体の個体数に回復の兆しが見えるという明るい材料も。しかし、その裏では将来の漁業に影を落とす稚ガニの減少も確認されています。県水産研究所の調査から、富山湾のベニズワイガニの現在と未来に迫ります。
漁が解禁した2024年9月からことし5月までの今シーズンの漁獲量は223トンと、平年のおよそ5割に留まり過去最少となりました。

不漁の要因としては、能登半島地震で発生した海底地滑りによってカニが土砂に埋もれ死んでしまったり、別の場所に移動したりした可能性が考えられています。

県水産研究所 三箇真弘研究員
「一番、大きいのになると甲羅の幅が9センチを超えているので、9年から10年以上経ったカニになります。いつも食べているのはこちらの漁獲対象サイズのカニになります」

これは県水産研究所が富山湾で採集したベニズワイガニです。

県水産研究所では富山湾(中央部)の水深1000メートルから1200メートルの地点で、生息状況を確認したり採集したりしています。
地震前の2023年は漁獲対象となる甲羅の幅9センチ以上の個体がカニかご1かごあたり平均およそ39匹とれたのに対して、地震後の2024年2月の調査ではおよそ5匹に激減しました。

カニかご調査では成体の数が回復
一方で今年に入り明るい兆しも…。
県水産研究所 三箇研究員
「今年は例年並みぐらいにはなっていて」「ひとかごあたり29.4個体採集された」

地震から1年後のことし1月から2月の調査では1かごあたり29匹と、地震前の平年に近い水準まで回復したのです。

県水産研究所の三箇さんは2つの可能性を指摘します。
1つ目は去年も調査海域にカニが生息していたが、地すべりなどなんらかの要因でカニかごに入らなかった可能性。

そして2つ目は去年、調査海域から移動して一度いなくなったカニが、今年になり戻ってきた可能性です。

県水産研究所 三箇研究員
「状況は海域ごとで異なる可能性も考えられると思うので、そのへん調査をしていきながら判断していく必要がある。ただ採集量が増えたという点においては漁業者さんにとっては明るい話題だと思いますし、今後も漁獲量が回復していく可能性はなくはない」

稚ガニが減少 将来の漁獲に影響か…
成体のカニに回復の兆しが見えてきた一方で、懸念されているのがベニズワイガニの子ども・稚ガニの減少です。

三箇研究員
「特に甲幅40ミリ以下の小さな個体がこのように少なくなっておりまして」

これは、2023年からことしまでの3年間で県水産研究所が採集した稚ガニです。
ベニズワイガニは一度、住処を決めるとその海域周辺に定住。

脱皮を繰り返し1年に1センチほどずつ大きくなり、漁獲対象サイズになるまで9年以上かかるとされています。
県水産研究所の三箇さんは、稚ガニは成体のカニに比べて移動があまり得意でないことから、「地すべり」や土砂が塊となって流れ落ちる「乱泥流」の影響をより大きく受けた可能性があるとみています。

今後については…。
三箇研究員
「(カニが)プランクトンの状態で、入ってきて、そこで小さいカニとして育っていくということは今後、考えられると思うので、その辺の状況を注視していく必要があるのかなと考えております」

県水産研究所では今月上旬にも富山湾で調査を行っていて、解析した結果について漁業関係者に提供したいとしています。




