南陽市で発生した山火事はきのう鎮火し、きょうの対策本部会議で、被害状況を調査することが示されました。


今回の山火事は、過去10年で最大の規模となりました。9日間にわたる消火活動を振り返ります。

鎮火した山の写真。木々や地面は、灰色に覆われていました。

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鈴木健一 カメラマン「林野火災があった秋葉山上空です。山全体から煙が上がっています。発生から30時間以上たっても煙の勢いはおさまっていません」

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この山火事は、今月4日に南陽市宮内の秋葉山で発生したもので、一時、近隣住民148世帯410人に避難指示が出される事態となりました。


付近の住民は「一晩いぶ臭いにおいがしていた。怖い。すぐそこなので心配です」

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消防のほか、自衛隊も出動し、連日、ヘリコプターによる消火活動なども行われました。

火は、発生から4日目の今月7日、延焼拡大の危険性がない「鎮圧状態」となり、避難指示も解除されました。

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その後も、鎮火に向けた消火活動が続けられますが…。

消防署員「腐植土といって、落ちた葉っぱが土になる過程の中で何枚も積み重なっている。その間が燃えている。下の方が燃えているので掘ってから水をかけるのが効果的かなと」

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南陽消防署 杉原利彦 署長「最初煙が上がらなくても、掘ってみると煙があがる。目に見えないところを、ひとつひとつ手探りのような状況で活動しているので、本当に時間がかかっている」

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また、広範囲に及ぶ山であることや、人が立ち入ることが難しい場所が多いことなどから、消火活動は難航。

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発生から9日目のきのう午後6時に、ようやく鎮火となりました。

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山は、速報値でおよそ137ヘクタールが焼け、70代男性が足にやけどをしたほか、山小屋2棟、トイレ1棟、ソーラー設備などが焼けたということです。

県内で過去10年に起きた林野火災で最大の規模となりました。


南陽消防署 杉原利彦 署長「なんとか9日間で消火にこぎつけた。本当にこの長い期間、皆さまにはご心配とご支援もいただきながら、鎮火にこぎつけたことをありがたく思っている」

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きょう開かれた市の災害対策本部会議では、のべ1600人が消火活動にあたったことなどが報告され、ねぎらいの言葉がかけられました。


南陽市 白岩孝夫 市長「こんなに怖い思いをしたことはなかった。夏にむけても世界的には(火災が)起こっているので、気をつけていかなければいけない。どういった形で山の復興をできるか、今後しっかり協議していきたい」

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市では当面の間、秋葉山への立ち入りを禁止し、今後は消防や警察、市の職員などが山に入り、被害状況の調査をするということです。