タレントの中山秀征(56)が22日、都内で著書「いばらない生き方 テレビタレントの仕事術」(新潮社刊)の刊行記念イベントを開催し、今年3月末で放送作家業と脚本業から引退した鈴木おさむ氏(52)とトークを行った。
中山が14歳でデビューし、群雄割拠の芸能界を42年、“なぜサバイブできたのか?” の理由が詰まった1冊。共演者の魅力を自然に引き出す、巧みなMC術と、「全員を活かす」関係重視型リーダーシップなど、深くて楽しい“戦略”を公開している。
中山は同書を執筆したきっかけについて、「これまでは振り返ることがなかなか無かった。振り返ってみると、こういう技術があったり、こういう事を悩みながらやっていた。改めて40年近く(テレビ業界で)やってきて、自分が生きてきたテレビの軌跡をたどってみようと思いました」と説明。「壁にぶつかった時に、こんな生き方もあるぞという、何かの力になれれば。自分自身がそれで乗り越えられた事がたくさんあったので、感謝の気持ちも込めて1冊にまとめました」と思いを語った。
鈴木氏とは、放送作家引退の発表後に食事をする機会があったそう。同年代かつ同じテレビ業界で働いていた事で、テレビ論の話題で盛り上がり、対談につながったと明かした。鈴木氏は「過酷な状況の中でも、いかに自分らしくブレずに努力し続けるか。大変だけど、それがある事によって50代、60代も自分らしく生きていける。この本が、答え合わせになりました」と紹介。
中山は「僕自身は、やりたい事ができなかったから今日があります。元々は歌でこの世界に入ったけど、歌はイマイチと言われて芝居に移り。芝居もイマイチと言われて、お笑いをやってみないかと。一つを極めてのぼりつめるのが本来の芸事の世界だとは思うんですが、できなかったからといってそこで諦めるのではなく、僕は横にスライドして、それが回り回って自分の順番が来る時があります」と語り、「遠回りしてでも、上を目指していればいつか登れるんじゃないかと自分は信じて、40年以上やらせてもらっております。まだ頂上は見られていない。頂上の景色は、やっぱりこの世界を志した以上登ってみたい。まだ、まさに夢の途中のような本です」と伝えた。