ゴールデンウィークなどの長い休み明けに不登校になる小中学生は30万人近くに増加しています。こうしたなか、再び登校を始めた小学6年生の女の子にその体験を聞きました。

■不登校 克服までの道のり

 まもなく終わるゴールデンウィーク。子どもを持つ親にとっては不安もあります。長期の休み明けは子どもが不登校に陥りやすい時期でもあります。2022年度における小中学生の不登校は前年度から5万人増え、およそ30万人と過去最多となりました。

 都内に住む小学6年生の彼女は、小学校4年生の3学期、不登校になりました。

“不登校”を経験した小学校6年の女児
「なんか一回すごく(男子児童に)責められて、それでもう怖くなっちゃって。本当にその時はしんどくて、その子の声がリピートというか、ずっと(頭の中で)再生されていました」

 彼女のクラスでは授業の進行を巡り、男子と女子のグループが対立。男子からの矛先が向かったのが彼女でした。

不登校だった女児の母
「娘の友達グループの女の子がいじめられるようになって、娘たちがその子を守るような感じで。ある時、授業中に対立している男の子グループからうちの子が名指しで言われて、すごくショックだったみたい」

“不登校”を経験した小学校6年の女児
「(Q.翌日、体も学校に行きたくないと?)起きてすごく体がだるくて。でも行かなきゃと思って1日目は行きました。そうしたら、また悪口言われて。それで怖くなって」

 学校側も全国的にスクールカウンセラーを増やすなど対応していますが…。

不登校だった女児の母
「スクールカウンセラーに相談しても話は聞いてくれるが、本人が『行かない』と言うとそこを行かせるのは難しい」

 文科省のデータによると、不登校の一番の要因は「無気力・不安」で50%以上。「いじめ」は全体の0.2%でした。

 2月に始まった不登校から、そろそろ新学期が始まるころ、母親の目にとまったのが「不登校を3週間で再登校に導く」という、不登校支援を行う企業「スダチ」の取り組み。

スダチ 小川涼太郎代表
「私たちは学校ではなく家庭に目を向けて、家庭側を良くしていくことによって不登校から再登校を目指すというやり方でやっています」

 「見守る」だけでなく、「親からのアプローチ」で再登校を目指します。

不登校だった女児の母
「(Q.取り組んだことは?)まずは家庭のルールを決めて、デジタル制限という形でデジタルを使わない時期を家族皆で取り組んでいきました」

 スダチでは、スマートフォンやタブレットなどデジタル機器の普及が急激な不登校増加の要因と考え、これを制限。その代わり、家族の時間が増えたといいます。

不登校だった女児の母
「家でもたくさんしゃべるようになって、親子関係も良くなってきて、親としては『そろそろ学校に行けるんじゃないか』という期待が高まってくる」

“不登校”を経験した小学校6年の女児
「友達とかお父さんとお母さんの応援で、なんとか行こうかなと思い始めました」

 不登校からおよそ2カ月、5年生の初めには再登校できるようになったといいます。スダチへの相談からわずか8日でした。

“不登校”を経験した小学校6年の女児
「(学校が)違って見えました」
「(Q.どんなふうに?)前よりもっと輝いて見えるみたいな」