群馬県の博物館にあるイルカの化石が「ヨウスコウカワイルカ科」の世界最古で新属新種の化石だと分かりました。この博物館では先月も展示中のクジラの化石が新種と判明しています。

群馬県立自然史博物館 木村敏之補佐
「特にこの群馬県の標本がそれに該当するんですが、群馬県の標本が約1100万年前ということで、従来知られていた一番古い化石よりも少なくとも100万年さかのぼる世界最古のヨウスコウカワイルカの仲間であるということが分かった」

 世界最古でアジアで初めての発見、しかも新属新種だと分かったのは群馬県立自然史博物館が収蔵しているイルカの化石です。

 1999年に群馬県安中市の碓氷川で見つかり、22年前に博物館に寄贈されました。

 ヨウスコウカワイルカは中国の揚子江に分布するイルカの仲間で、淡水に生息します。

 1918年に新種として報告されましたが、個体数が少なく長年絶滅が危惧され、2006年の大規模な調査でも生息が確認できなかったため、絶滅したと考えられています。

 12年前に栃木県で中学3年生が新たなヨウスコウイルカとみられる化石を見つけたことで、自然史博物館に収蔵されていた化石も一緒に調べることになり、今回の発見につながりました。

 博物館では先月も30年近く展示していたクジラの化石が新種だと判明しています。

 このイルカの化石は今月18日から来月30日まで特別展示されるということです。