自民党は29日、政治資金規正法改正案の修正案を提示しました。

根本的に変わっていないと野党から非難の声が相次いでいますが、批判の矛先は公明党にも向いています。

立憲民主党・泉健太代表:「また、結局、同じ穴にムジナに戻っていくのかと」
日本維新の会・藤田文武幹事長:「同じ穴のムジナと思われたくないと、ずっと発言してきたにもかかわらず、結局は、その程度なんだろうなと」

公明党は、裏金問題では、自民党と距離を置いてきました。
公明党・赤羽一嘉元国土交通大臣(4月22日):「同じ国会議員として恥ずかしい」
公明党・山口那津男代表(去年12月):「同じ穴のムジナとは見られたくないです」

政治資金規正法の改正をめぐっても、法案の共同提出には乗らず、自民党に修正を迫ってきました。

まず、パーティー券購入者の公開基準についてです。10万円超を主張する自民党に対し、公明党は、より透明性を高めるべきだとして、5万円超にまで引き下げるよう主張。政党から議員個人に支給される政策活動費についても、大まかな支出項目の公開にとどめる自民党に対し、より詳しい明細の公開を求めてきました。

公明党の強気の姿勢に、議論は平行線。自民党は、参議院では議席が過半数に届かず、公明党の協力なしには法案成立が難しいだけに、公明党の出方が注目されていましたが、ここにきて、自民案を一部修正することで、最終的に賛成にまわる方針に転じました。

自民党が示した修正の中身はというと、パーティー券の公開基準については10万円超のまま。政策活動費については「年月をしっかり公開する」としました。つまり、パーティー券の公開基準では、公明案を採用せず、政策活動費についても、使用した金額に加え、その月を公開するのみとしました。
自民党・大野敬太郎衆院議員:「(Q.なぜ月なのか、日ではないのか)年月を入れることによって、支出ごとの公開となるので、公開は進んでいると理解している」

公明党・中川康洋衆院議員:「なるべく早い段階で、党としての結論を示したい」

結局、自民党案の骨格がほぼ維持されたままの修正ですが、公明党は、なぜ賛成にまわることにしたのでしょうか。
公明党ベテラン議員:「最初は威勢いいんだけど、どんどんトーンダウンという、うちによくあるパターン。解散総選挙も近づくなかで、自民党と仲が悪くなるのもどうなのかということだろう」
公明党幹部:「いつまでも政治資金の話が先延ばしになって続いてしまうと、都知事選にも悪影響が及ぶことを懸念している」

自民党の修正案では、野党が求めてきた企業・団体献金の禁止については触れられませんでした。一方で、議員が法律に違反した場合には、政党交付金を減額することなどが新たに盛り込まれました。

立憲民主党・安住淳国対委員長:「事実上、野党側の要望に対してはゼロ回答だった。公明党を何とか賛成にして、世論や国民を無視して中央突破をしようと」

自民党は、施行から3年をめどに法律を見直す規定も追加しましたが、野党は、問題の先送りだと批判しています。
立憲民主党・笠浩史国対委員長代理:「月日が経てば、国民も忘れるのではと、そういう思いを持っているのでは。本当に国民をなめてるんじゃないか」

野党の反発を受けて、自民党は、引き続き修正を検討するとして、30日に改めて協議を行う予定です。


◆自民党が提示した修正案。骨格は変わっていないにもかかわらず、意見が分かれていた公明党とは足並みを揃える形になりました。

自民党と公明党で隔たりがあったのは、主に2つ。
政党が議員に支給する政策活動費について、パーティー券購入者の公開基準です。

パーティー券購入者の公開基準に関しては、修正部分はありません。政策活動費について、当初の自民案では、50万円を超える支給を受けた議員に限り、使用した金額や大まかな項目別に目的を公開するにとどめ、領収書は公開しないとしていました。具体的に何に使ったかわからず、“ブラックボックスのまま”という批判がありました。公明党は、使途明細の公開を求め、自公で溝がありました。

29日に出された修正案では、使用した“年月”の公開を追加。自民党・大野敬太郎衆院議員は、「年月を入れることで支出ごとの公開になる、公開は進んでいる」としました。ただ、領収書を公開しないスタンスは変わらず、結局、何に使ったのか明確にはわからない形のままです。

また、自民党は29日の修正案で、施行から3年後に見直す規定を盛り込みました。

“見直し規定”は、法改正検討の際、組み込まれる常套句“先延ばし”という印象もありますが、どうでしょうか。

『政治とカネ』に関する過去の法改正でも、見直し規定を盛り込んだが、そのままになったケースがあります。例えば、30年前に行われた『平成の政治改革』では、政治家個人に対する企業・団体献金は禁止しましたが、政党・支部に対しては、禁止されず、5年後に見直すという規定が盛り込まれましたが、現在もそのままの運用となっています。

こうした自民案で、なぜ公明党は賛成に回ることになったのでしょうか。
公明党のベテラン議員は「解散総選挙も近づくなかで、自民党と仲が悪くなるのもどうなのか」といいます。

自民党は、野党の反発を受け、再度、修正する協議を行う予定です。公明党は、主張してきた内容が一部反映されていないとして、党内に持ち帰って検討するとしています。