ロシア産の天然ガスを中国側に送る新たな天然ガスパイプライン「シベリアの力2」の建設計画は中国の同意を得られず、延期されたままとなっています。

 プーチン大統領は習近平国家主席に対して去年から「シベリアの力2」の建設計画への同意を求めています。

 ロシアメディアによりますと、今回のプーチン大統領の訪中で公表された協定文書の中に「シベリアの力2」の建設に関する内容はありませんでした。

 「シベリアの力2」の事業主体となるロシアの国営天然ガス企業「ガスプロム」のトップ、ミレル氏はプーチン氏に同行しなかったということです。

 関係者によりますと、プーチン大統領は去年から首脳会談のたびに習近平国家主席に対して建設計画への同意を求めていますが、中国側の対応が厳しく、交渉は難航しています。

 ウクライナ侵攻によってヨーロッパとの取引が激減したガスプロムは2023年12月期決算で24年ぶりの赤字に転落し、中国との新たな契約は必須だと指摘されています。

 年末にはウクライナを通過するヨーロッパ向けのパイプラインの契約も満期を迎えます。

 ウクライナのエネルギー省は「契約は更新しない」との立場を表明していて、ガスプロムの経営は厳しい状況に追い込まれています。