アメリカ政府はネバダ州で臨界前核実験を実施したと明らかにしました。被爆地の広島市と長崎市は「断じて許せない」としてバイデン大統領宛に抗議文を送りました。

 アメリカ・エネルギー省の核安全保障局は臨界前核実験についてネバダ州にある地下施設で14日夜に実施し、想定通りに成功したと発表しました。

 確認されているアメリカの臨界前核実験は今回が34回目で、バイデン政権では3回目です。

 実験の目的について、核弾頭の安全性や信頼性、有効性などを支える重要なデータを核爆発実験をせずに収集するためだと説明しています。

 核安全保障局はこうした臨界前核実験の頻度を増やす計画だと明らかにしています。

 今回の実験に対して広島市の松井一實市長と長崎市の鈴木史朗市長らは、バイデン大統領とエマニュエル駐日大使宛に18日付で抗議文を送りました。

 広島市の抗議文は、去年5月のG7広島サミットで発表された、核兵器のない世界の実現を目指すメッセージ「広島ビジョン」に逆行すると指摘し、「この実験は『こんな思いを他の誰にもさせてはならない』と懸命に訴えてきた被爆者をはじめ、核兵器廃絶を求める多くの人々の願いに背くものであり、断じて許すことはできない。被爆地ヒロシマを代表して、厳重に抗議するとともに、今後一切の核実験の中止を求める」としています。

(画像は米核安全保障局のHPから)