3日 午前、静岡・富士市の中学校の給食室が燃える火事があり、生徒など20人以上が病院に搬送された。発表された火事の原因は調理員の単純なミスだった。
けたたましく鳴る、非常ベルの音。
3日、富士市の中学校は消防や救急隊が集まり、騒然としていた。
(片山 諒 記者)
「富士市、岳陽中学校前です、火事の影響で生徒らが運動場に避難しています」
火事があったのは、富士市立岳陽中学校の給食室。校庭には、調理員や全校生徒が避難し、毛布にくるまるなどして寒さをしのいでいた。中には体調不良を訴えた生徒も。消防隊員や救急隊員に支えられながら消防車へと乗せられていた。
消防によると、3日 午前9時ごろ、「給食室から黒煙が出ている」と消防に通報があった。火は約1時間後に消し止められたが、生徒14人と、給食室で調理をしていた7人が煙を吸うなどして体調不良を訴え、病院に搬送され治療を受けている。そのうち59歳と53歳の調理師2人は軽いやけどをしたという。
もくもくと立ち上る黒い煙。これは、視聴者が撮影した火災発生当時の写真。1階の給食室から立ち上る黒い煙は、校舎の4階部分にまで達している。学校の近くにある店の人は…。
(近隣住民)
「黒煙が上がっていて、そんなに大きいとは思わなかった、学校の一部からもくもく上がってる感じだった」
(片山 諒 記者)
「こちら火元とみられる給食室です。現在、市の立ち合いのもと、消防による火災原因調査が進められています」
学校では午後1時半ごろ、調理員らが立ち合い消防による火災の原因調査が行われた。給食室の窓は割れ中も黒く焼け焦げていて、火事の激しさを物語っている。避難した生徒によると、火元とみられる給食室は炎を上げ激しく燃えていたという。
これはDaiichi−TVが入手した岳陽中学校の3日の給食のメニュー。3日は節分にちなんで「いわしの蒲焼き」や「五目きんぴら」などがメニューが載っていた。火が出た当時はこうしたメニューの調理中だった。一体いったい何が起きたのか。午後、富士市教育委員会が会見を開き火事の原因を説明した。
(江村 輝彦 教育次長)
「火災は調理上の過程で発生しました。生徒や保護者、地域の皆様に多大なる心配をおかけし」「誠に申し訳ありませんでした」
市教育委員会によると、調理員が揚げ物用の釜を煮沸消毒をした後に釜の水滴を取るために火をつけたが、火をつけていることを忘れたまま「いわしの蒲焼き」を作るために油を入れて蓋をし、そのまま放置したため発火したという。
岳陽中学校では、2月6日 月曜日から通常通りに授業を行うとのことだが、給食室の復旧には最低でも1か月以上かかり、各自弁当を持参してもらう予定だという。給食室にいた7人の調理員は市の職員で、毎月事故を防ぐための研修を行っていたという。富士市教育委員会は今後、火事が起きた検証をもとに再発防止策を講じる方針だ。