6月24日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、ガイア20周年企画 第3弾「地方創生の切り札!『道の駅』はいま〜勝ち組と負け組の分かれ目」。
これまで幾度となく道の駅の"進化"を見届けてきた「ガイアの夜明け」。番組20周年を機に、改めて道の駅が果たしてきた成果と課題を浮き彫りにする。

勝ち組の新戦略 残った食材で人気PB商品に!?


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玄界灘を臨む、福岡・宗像市。勝ち組の代表格といわれる「道の駅 むなかた」では、9時のオープンと同時にお客さんが駆け込み、玄界灘でとれたばかりの鮮魚が飛ぶように売れていく。その数、約30種類。訪れたお客さんは、

「魚が食べたい時はここしか来ない」
「北九州の小倉から1時間くらいかけて来てますけど、それでもやっぱりこっちの方がいいかな」

と話す。福岡市と北九州市の中間に位置する宗像市は、「道の駅」ができる前は、素通りされる街だった。2008年にここができたことで、年間150万人以上(2021年度)が訪れるようになったのだ。
去年の売り上げは、約17億8100万円。2011年から11年連続、「九州地区の道の駅」で、売り上げナンバーワンを記録している。

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「ガイア」は、この道の駅を9年前にも取材。当時は鮮度の良さに加え、安さも売りにし、人気を集めていた。例えば、真鯛1匹約400円、地元でヤズと呼ばれるブリの子供は600円。

一方、現在の「道の駅 むなかた」はというと、真鯛の値段はちょっと高めの1200円、ヤリイカも2550円と強気の値段だ。しかし...

「スーパーと比べるとちょっと値段は張りますけど、鮮度が全然違います」

と満足そうに話すお客さん。「道の駅 むなかた」の魚は、鮮度と質の良さを全面に打ち出すことで、見事ブランド化に成功していた。

なぜ、高くても売れるのか? 朝5時に近くの鐘﨑漁港を訪ねると、水揚げされていたのは、
玄界灘でとれたばかりの真鯛。活きているうちに素早く神経を抜き、氷で締めて活け締めにした魚を、すぐ近くにある加工場へ。

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家族で漁業を営む灘邉恵美子さん(70)は、夫と2人の息子がとった魚の販売を担当している。魚の質はどこにも負けない自信があるので、値付けは強気。
水揚げから2時間後には「道の駅 むなかた」に到着し、開店前にはその日の魚を並べ終える。

「(売り上げは)やっぱりいいですよ。他の所に魚は出してないんですよ。ここと市場だけ」

と灘邉さんは話す。魚を売る漁師は、9年前の約40人から3倍の126人に増加。ある漁師は「(収入は)3〜4割くらい上がった」と話し、「道の駅」のおかげで、年間2000万円を稼ぐ漁師も生まれていた。

5月下旬。あいにくの雨で客足が鈍る中、売れ残っていたのは灘邉さんの真鯛。鮮度を売りにする「道の駅 むなかた」では、売れ残った魚は翌朝までに漁師が引き取る決まりになっている。
この現状をなんとかしたいと思っていたのが、開発部 部長の工藤達哉さん(47)。以前は、大手スーパーで商品開発を担当していたが、「道の駅 むなかた」に転職し、経験を生かした新たな試みを始めた。

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工藤さんが初めて手掛けたのは、冷凍商品にした「ぶり大根」。大量に余ったブリを買い上げ、「道の駅 むなかた」のオリジナル商品に生まれ変わらせると、これが大ヒット。今も売れ続けている。

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工藤さんは50種類ものオリジナル商品を開発し、漁師の売り上げにも貢献。去年から、本格的にネットでの販売を開始し、コロナ禍での巣ごもり需要が追い風となり、5000万円近くを売り上げた。工藤さんは灘邉さんの真鯛を使って、新たな商品を作ろうとしていた――。



東京から1時間 一大観光スポットになった「道の駅」


房総半島の南西部に位置する千葉・鋸南町。人口約7000人、ランドマークは房総半島を一望できる鋸山で、他に特に知られた観光地はなかったが、2015年に開業した「道の駅」がこの町を変えた。
オープン以来、町の観光客が7割も増え、去年はコロナ禍にも関わらず、約70万人が来訪。「道の駅」に併設された直売所に入ってみると、地元農家の新鮮な野菜が割安で並ぶ。

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実はこの広い直売所、以前は体育館だった。2014年に廃校になった小学校を「道の駅」に作り替えたのだ。インターチェンジのすぐ横という絶好の立地にある「道の駅 保田小学校」。歴史あるこの学校を残したいという町の人の思いもあり、「道の駅」として生まれ変わった。

ここには、子どもの頃を思い出すたくさんの仕掛けがある。例えば、食堂のメニューは、クジラの竜田揚げなどのフライや、優しい味のカレーがアルマイトの食器に入った「保田小給食」(1100円)。1泊大人4200円、小学生3200円で教室に泊まることができ、別の場所にはお風呂も。ここに泊まるためにやってくるリピーターも多い。

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小学校に泊まることで、ふる里に帰って来た気分に。「道の駅」では、レンタサイクルで街に出ることを勧めている。とれたての魚や自慢のイチゴをふんだんに使ったスイーツなど、いろんなものを見て、食べると、鋸南町に愛着が湧く...それが「道の駅 保田小学校」の狙いでもある。

赤字経営の道の駅...再生請け負人に密着!


北海道・伊達市の山あいにある道の駅「世界最大ログハウスの里」は、運営会社が経営破綻し、今年1月、北海道の「道の駅」で初めて登録廃止に。1993年、全国103カ所でスタートした「道の駅」は、現在1200近くにまで増えており、「ガイア」もこれまで数多く取材している。

「道の駅」は、自治体が建設、所有し、国土交通省に登録された施設。運営は、民間や第三セクターに委託されているため、赤字になれば税金が投入されることになる。実は今、全国の「道の駅」のうち、約3割が赤字に苦しんでいるという。

かつては崖っぷちに追い込まれていた、鳴門のうず潮が目の前にある「道の駅 うずしお」。このピンチを救ったのは、一人のアルバイトだった。

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地元・淡路島出身の金山宏樹さん(39)は、10年前、淡路島特産の玉ねぎを全面に押し出すことを提案。「道の駅」と近隣の施設が連携し、さまざまな玉ねぎのオブジェを設置した。
今や行列ができる「玉ねぎUFOキャッチャー」(1回100円)も、金山さんのアイデア。成功すると、1.5kg、650円相当の玉ねぎがもらえる。
他にはない玉ねぎ尽くしのアイデアで、家族連れや若い女性客が一気に増加。金山さんは

「おじいちゃん、おばあちゃんしか来なかった施設に、こんなに若い子が来るとは想像ができなかった。そうなってくるとスタッフも若い世代が働きに来たり、人のパワーを感じます」

と話す。金山さんはその後、コンサルタント会社を起業、赤字に悩む「道の駅」を次々と立て直し、再生請負人と呼ばれるようになった。

金山さんが手掛けた一つが、人口約3800人の漁業の町、北海道・鹿部町にある「道の駅 しかべ間歇泉公園」。日本でも珍しい天然温泉の間欠泉がシンボルで、6年前にオープンした。

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しかし、初年度がピークで、その後の売り上げは低迷。金山さんは秘策として「ふるさと納税」を活用し、返礼品業務を「道の駅」が行うことで、寄付額の約1割を「道の駅」の運営に使える仕組みを作った。
忙しい生産者に代わって返礼品のサイトを作成、写真を撮り、思いやこだわりを書き添えた結果、寄付額は3年間で約5倍に増加。町も潤い、「道の駅」では設備投資やオリジナル商品の開発が可能になった。

最大のヒット商品が、ここでしか買えない「根昆布だし」。品質の良さは折り紙付きで、年間1万2000本以上を売れており、コロナ禍にも関わらず、売り上げは1億円を突破した。

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九州、霧島連山を望む宮崎・小林市は、2001年にできた「道の駅 ゆ〜ぱるのじり」の経営に行き詰まり、藁をもすがる思いで金山さんに再生を依頼。しかし小林市では、「ふるさと納税」のアイデアが使えないことが分かった。悩む金山さん、今度はどんな手を打つのだろうかーー。

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