愛する夫を自殺に追いやった者たちに"甘美でSexyな復讐"を繰り広げる大人のサスペンスドラマ「復讐の未亡人」(毎週木曜深夜2時45分放送)がスタート!

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夫の自殺の真相を探るため別人となって会社に潜入し、妖艶さと狂気を武器にターゲットに罠を仕掛ける未亡人・鈴木蜜を演じる松本若菜さんにインタビュー。難しい役どころや体当たりのセクシーな演技、連続ドラマ初主演の本作の忘れられない思い出、そして松本さんが大事にしているものなどについてお話をうかがいました。

どこか"違和感"を作る芝居を


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――松本さんは、話題のドラマ「金魚妻」(Netflix)に続き、漫画家・黒沢Rさん原作のドラマ作品にご出演となります。衝撃的な内容ですが、原作を読まれてのご感想は?


「"これドラマにできるの?"というのが第一印象でした。エロティックな表現もですが、復讐の仕方がショッキングで。同時に、これをどう描くのかというワクワク感もありました。脚本も復讐の方法や蜜と復讐相手の関係性などは原作通りで、"もう思いっきり蜜になるしかない"と思いました。見てくださる方に感情移入していただけるよう、本当に復讐するくらいの気持ちで挑みました。見た後にスカッとしていただけるとうれしいです」

――夫・優吾(平岡祐太)を自殺に追い込んだ同僚たちに復讐していく蜜ですが、単なる悪女ではないですよね。

「辛い過去を経験して大人になった女性です。だから、優吾が健在だった頃も、あまりにも幸せすぎるのもちょっと違う。そして優吾が亡くなってからの蜜は、会社の人に見せる姿は偽りで。最後の伏線を回収して、改めて最初から見ると分かることが多い作品です。蜜がここまで復讐にこだわる理由、優吾や、優吾の弟・陽史(淵上泰史)との関係、ひとつひとつの表情など、全てが分かるとまた違って見えてくると思います」

――蜜は、会社では男女問わず周りから愛されている女性です。...が、それは本心を隠して別人を演じています。演じている人物を演じることは、すごく難しくなかったですか?

「そうなんです。男性からも女性からも慕われていますが、あまりにも溶け込みすぎているのも違う。微妙な塩梅を気にしながら、どこか違和感を作って演じました。意識したのは"動かない"ということ。書類を持っていたり、手を組んだりすることもありますが、基本、手は身体の横。蜜が醸し出す違和感を表現するために、必要最低限のこと以外は削ぎ取って演じました。衣装も上下真っ白のコーディネートが多く、目立つけど目立たない、どこか何者でもない感じを演出しています」

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――蜜は美貌と妖艶さも武器にします。セクシーさを表現する演技はいかがでしたか?

「昔から色気がないって言われるんです(笑)。眼差しや顔の角度など色気のある女性を想像して、とにかくそこに近づけようとしました。色気といっても、蜜は肌を露出したり、足を組み替えたり...という直接的なことはしないので、想像させるエロスを意識しています。原作でも描かれなかった雰囲気を感じ取ってくださればうれしいです」



松本若菜の小さな復讐!?


――松本さんは、誰かに復讐したいと思ったことはありますか?

「猫を飼っているのですが、たまに本気で噛んでくるんです。かわいいから許すこともありますが、時にはこちらも噛んでやります(笑)。私の小さな復讐です(笑)。

"復讐"という言葉はあまりにも強すぎますが、誰しもちょっと心に引っかかったことはあるのではないかと思います。その怒りや憎しみを他人に向けるのか、自分で昇華させるかの違いで。蜜の場合は、復讐の動機となったことが酷すぎるのでなんとも言えませんが、ただ殺すのではなく一生苦しめようとするところにある種の女の怖さを感じます。ただ、蜜は全てを人のせいにしてないところがいいですね。しっかり十字架を背負って生きている。それは人間らしいと思いました」

――ハードな撮影だったと思いますが、現場の雰囲気はいかがでした?

「作品の内容に反してすごくいい雰囲気で(笑)、復讐された人も復讐した人もみんな仲良くさせていただきました。忘れられないのが、オールアップと誕生日が同じ日で、このドラマに関わった全ての方が参加してくださったアルバムをいただいたこと。忙しいスタッフさんばかりなのに全員が、というところにグッときました。オフショットやコメントなど撮影の思い出が全て詰まっている、私の宝物になりました」

――すてきな現場ですね。松本さんは"座長"として、どのように現場の雰囲気を作っていったのですか?

「私はおんぶに抱っこ状態で、みなさんに助けていただきました。ひとつ気をつけたことがあるとすれば、現場でみなさんに声をかけたこと。子供の頃から内弁慶で人見知りで、話をすることは好きですが、現場では緊張感が勝ってしまっていました。20代後半に、ある方から『こんなにお話も面白いのに、人見知りなんてもったいないよ!』と言われて。そこから少しずつ"自分は人見知りではない"と暗示をかけ、いろんな方に話しかけるようになりました。最初は勇気が必要でしたが、話しかけることで自分自身も現場に馴染むのが早くなるんですよ。今回、チーム全体がいい雰囲気になれたのは、人見知り克服の賜物だと思います。座長をやらせていただいたことは、本当にいい経験でした」

――今年でデビューから15周年、演じることに対する意識の変化は? また、これからの展望は?

「年を重ねて"こだわりすぎないようにする"というこだわりを持つようになりました。自分の経験や考えだけで作られたものはとても小さいものだと認識するようになり、監督はじめ共演者の方の話を聞いて、それを取り入れて演じるようにしています。もちろん生み出す辛さはありますが、できあがった瞬間の喜びや安堵感はものすごいものがあって。そして、それが誰か一人にでも伝わったとき、やって良かったなと思います。私は常にスケルトンでありたいです。自分の色を出しつつも、いろんなところからたくさんの色をもらって、自分なりのキャンパスを描くことができれば最高です」

"松本若菜"を構成する3大要素


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松本さんご自身が"松本若菜"を語る上で欠かせない、人物・モノ・場所・出来事などは?"松本若菜"を構成している3つの要素についてうかがいました。

【もずく】
Instagramにもよく写真をアップしている我が家の猫。愛称は"もんちゃん"です。お芝居をするのは、もちろん楽しさもありますが、この子のご飯代を稼いでいると言っても過言ではありません(笑)。彼がいるだけで家に帰るのが楽しみ。癒やしの存在です。彼からいろんな感情をたくさんもらっているので、ペットではなく"家族"だと思っています。

【鳥取の家族】
両親と2人の姉がいます。私は3姉妹の末っ子で、姉よりも子供の頃の写真が少なかったり、姉の名前は字画がいいのに私だけあまりよくなかったり...ということもあってか、どこか自己肯定感が低い子だったんです。両親は結構厳しく、近所のおばさんから「若菜ちゃんは将来モデルになれるね」と言われてうれしくて、それを両親に伝えたら「調子に乗らないの」と諭されたことがあって。そういう両親のおかげで常に謙虚でいることを学びました。今それが活かされているので、ありがたいですね。名前も、字画はよくないですが、姓名判断によると"女優"が向いているそうなので、両親に感謝しています。SNSもフォローしてくれていますし、遠くからいつも見守ってくれる、かけがえのない存在です。

【イラスト】
子供の頃から手先の細かい作業が好きで、SNSにもアップしているイラストを描いたり、消しゴムハンコを作るのが楽しいです。消しゴムハンコは、ドラマや映画などで自分が感じた世界観や役柄を表現しています。演技とはまた違いますが、これもまたひとつの表現の方法。今回の「復讐の未亡人」の消しゴムハンコも作っているので、ぜひ見ていただきたいです。

とても柔らかくナチュラルにいろんなお話をしてくださった松本さん、共演者やスタッフのみなさんから愛されている理由がよく分かりました。「復讐の未亡人」は、Paraviにて第4話まで独占先行配信中。3月19日(土)より第5話、第6話を配信!

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【プロフィール】
松本若菜(まつもと・わかな)
1984年2月25日生まれ。鳥取県出身。2007年、女優デビュー。ドラマ「コウノドリ」(TBS系)、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」、「金魚妻」(Netflix)、映画「駆込み女と駆出し男」(2015 年)、「コーヒーが冷めないうちに」、(2018 年)「his」(2020年)、「君が落とした青空」(2022 年)などに出演。映画「愚行録」(2017年)では「第39回ヨコハマ映画祭」助演女優賞を受賞。今年4月から放送のドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)に出演。


(取材・文/玉置晴子)

2022年3月16日(水)に公開した記事の再掲です。