日本代表の今シーズンの活動も残り1試合。15日に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選最終節のキルギス代表戦で終了する。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大もあり、6月に日本で集中開催となったアジア2次予選。日本は5月28日のミャンマー代表戦で勝利し、最終予選進出を決めている。

この5月、6月シリーズでは合計で5試合を開催。6月に入ってからも4試合目となり、日本代表の活動もおよそ3週間と長丁場だ。次の活動は9月。カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた、最終予選となる。残り1試合がアピールの場となる。

◆現在地を測ったセルビア代表戦

11日に行われたキリンチャレンジカップ2021のセルビア代表戦。森保ジャパンが発足してから、初めてのヨーロッパの国との対戦となった。

現在開催されているユーロ2021の出場権を逃したセルビアが来日。かつてJリーグを沸かせたドラガン・ストイコビッチ監督が率いるチームだったが、今回の活動では最も力のある対戦相手となった。

東京オリンピックに臨むU-24日本代表にオーバーエイジとしてDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航が参加した他、DF冨安健洋やMF久保建英、MF堂安律などA代表常連組の東京五輪世代の選手も不在、さらに、FW大迫勇也がケガで離脱するなど、ベストメンバーではなかった日本だが、セルビアには現状のベストチームで臨んだと言える。

現在地を図るという点では、MF古橋亨梧(ヴィッセル神戸)やDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)、GK権田修一(清水エスパルス)と国内組3名が起用。特に古橋と谷口に関しては、国際経験が少ないため、どのようなパフォーマンスになるか注目が集まった。

前半に関しては、セルビアも5バック気味に戦ったこともあり、なかなか攻撃面で良いシーンを作り出せなかった日本。特に気になったのは、MF鎌田大地やMF南野拓実が相手の間にポジションを取っても縦パスがほとんど入らなかったという点だ。

鎌田はこれまでにも「早いタイミングでつけてほしい」と、縦パスを望んでいた中で、セルビアと実力ある相手では出てこない状況。さらに、セルビアがインテンシティ高くプレーしたこともあり、押し出される感じが見えていた。

また、鎌田は試合後に「前から行ってボールを取ってから落ち着くと、何のために前からプレスに行っているかわからない」とコメント。現代フットボールの主流である奪ってから早い攻撃を仕掛けることができておらず、それが相手の力が上がったためにできなかったと分析した。

この点に関しては、出し手のMF守田英正は「ボールを受けること自体が怖がる選手が前半は多かった」とし、セルビアの圧力に押されたことを語った。

セルビアの戦い方も素晴らしかった前半だが、このパターンは最終予選では起こり得ること。これまで2桁得点を重ねて勝って来た相手とはレベルが違うだけに、セルビア戦で課題を確認できたことはプラスと言えるだろう。選手個々がバランスを見ながらもリスクを取ることを考える必要があると言える。

◆試合をコントロールし後半は改善

一方で「まずは失点しないことが大事。上手くいかなくてもいいから、失点をしないということ」と試合後にDF長友佑都が語っていたが、苦しい状況を無理に打開する必要はないとコメント。無理なプレーの結果、相手に奪われて失点する方が良くないという考えだ。

前半はゴールレスで終えた日本だったが、後半に修正。メンバーを入れ替えたこともあるが、CKから早々にMF伊東純也がネットを揺らした。

このゴール、鎌田のクロスをニアサイドで谷口がフリック。ファーに伊東が詰めたというもの。実は、3日に行われたU-24日本代表戦でも全く同じ形からゴールが生まれており、立ち上がり1分でCKを得ると、鎌田のクロスをニアで大迫がフリックし、橋本拳人がファーで詰めるというものだった。

トレーニングで準備してきたセットプレーの形を、2度もゴールに繋げたことは非常に評価できるポイントだろう。さらに、屈強で身体も大きいセルビア相手にやったのだから、素晴らしいと言える。

さらに、前半なかなか縦パスが出てこなかったが、後半に入ってからはセルビアの強度も若干落ち、縦パスの数が増えた。ハーフタイムに修正がかかったというが、相手との噛み合わせもありながら、前半にできていなかったことを、しっかりと後半出せたという点は評価して良い。対応力という部分では、しっかりと話し合って結果に繋げられたことは、この合宿の成果とも言えるだろう。

守備陣もしっかりと安定したプレーを90分間行い、セルビアの攻撃陣に仕事をさせず。対人の守備を含め、予測からのパスカットなど、集中した守備を見せた。チーム全体で連動したプレスをかけるということはできており、最終予選に向けては自信を持っていい状況と言えるだろう。

◆最後の1試合でこの合宿の集大成を

急きょ組まれたU-24日本代表との一戦を含め、5試合を終えることとなる日本代表。最後の1試合でもしっかりと勝利を収めてほしいところ。さらに、内容もしっかりと見せてもらいたい。

これまでの流れを組めば、タジキスタン戦のメンバーが中心となるはず。チームとしてはMF南野拓実も離脱したため、またチャンスが巡ってくる選手がいるはずだ。

キルギスとの試合で誰が起用されるかは不透明だが、オーバーエイジの3人に加え、このチームでの得点ランキング上2人の大迫と南野がいない状況。その中でどこまで強さを見せつけられるのか。控え組の選手たちがポジションを奪うためには、ここで圧倒的な力を示さなければいけない。

厳しい戦いが続くと予想される最終予選前の試合。ここまでの3週間の成果を見せてもらいたいものだ。



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