プレミアリーグ第6節、アーセナルとトッテナムによるノースロンドン・ダービーが、26日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-1で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は先発フル出場した。
 
開幕3戦無得点の3連敗スタートと、アルテタ体制3年目は苦難の船出となったアーセナル。だが、インターナショナルマッチウィークを挟んでリスタートを切ったチームは、ノリッジ、バーンリーと下位に沈む2チーム相手にいずれも1-0のスコアで連勝。ホーム開催の今季最初のダービーでは星勘定を五分に戻すため、3連勝を狙った。
 
前節のバーンリー戦からはペペに替えてサスペンション明けのジャカを起用した以外、同じメンバーを継続。3-0で快勝した直近のEFLカップのウィンブルドン戦からはトーマスが唯一継続起用となった。また、冨安が右サイドバックでダービー初出場となった。
 
一方、開幕3試合連続クリーンシートで3連勝を飾ったトッテナムだが、インターナショナルマッチウィーク明けのクリスタル・パレス戦、チェルシー戦をいずれも0-3のスコアで大敗。直近のEFLカップではウォルバーハンプトンをPK戦の末に退けて公式戦4試合ぶりの白星を手にしたが、難しい状態で復調気配を見せる宿敵とのダービーに臨んだ。
 
ダービー初采配のヌーノ監督はウルブス戦から先発6人を変更。守護神ロリスとダイアー、レギロン、ホイビュルク、ソン・フンミンに加え、負傷明けのルーカス・モウラが復帰。3トップはルーカス、ケイン、ソン・フンミンと主力が並んだ。
 
互いに相手の出方を窺いながらも球際で激しくやり合うダービーらしい入りとなる。開始5分過ぎにはソン・フンミン、オーバメヤンとフィニッシュまで持ち込むが、いずれもオフサイドの判定となった。
 
以降も主導権争いが続く中、ウーデゴールやスミス・ロウを起点にボール回しにリズムが生まれ始めたホームチームが、ファーストチャンスをモノにする。12分、ハーフウェイライン付近でルーズボールを回収したジャカからボールを引き取ったウーデゴールが、そのままボックス付近まで持ち上がって右サイドのサカに展開。DFレギロンと対峙した中、縦に短く運んでマイナスのグラウンダークロスを入れると、大外から内に絞ってきたフリーのスミス・ロウが右足ワンタッチで流し込んだ。
 
新10番のゴールで先手を奪ったアーセナルは勢いづいて相手を押し込んでいく。16分にはボックス右に侵入したサカのマイナスのパスに反応したトーマスがボックス手前から強烈なミドルシュートを枠の右隅へ飛ばすが、これはGKロリスの好守に遭う。
 
失点以降、なかなか守備が嵌らずにしばらく守勢を強いられたトッテナムだが、20分を過ぎてようやく反撃態勢を見せる。22分にはカウンターの形から冨安が上がった背後のスペースに飛び出したソン・フンミンがボックス左に持ち込んでニア上を狙った強烈なシュートを放つが、これはGKラムズデールの好守に阻まれる。それでも、以降の数分間はボールの主導権を握り、中央の密集で果敢に仕掛けるルーカスを起点に相手守備を脅かし始める。
 
一方、守勢に回った時間をきっちり耐えたアーセナルは、相手のお株を奪う高速カウンターで一気に試合の流れを大きく引き寄せる。まずは27分、自陣ボックス付近でのGKラムズデールからジャカへのショートパスが奪われかけるもこれを何とか脱すると、スミス・ロウ、ティアニーと左サイドでボールが繋がり前線のオーバメヤンに鋭い縦パスが入る。ここでオーバメヤンが絶妙なフリックで左サイドに飛び出したスミス・ロウにボールを預けてそのままボックス内に侵入。最後はスミス・ロウのマイナスのパスを冷静に左足のシュートで右隅へ流し込んだ。
 
さらに、畳みかけるホームチームは34分、自陣中央でバランスを崩したケインからボールを奪って三度カウンターを発動。中央でウーデゴール、スミス・ロウと繋ぎ右サイドのスペースに飛び出したサカへ展開。サカはボックス右でシュートを試みた際にケインのシュートブロックに遭うが、このこぼれ球を拾い細かいタッチでゴール前に持ち込むと、最後は右足のシュートをゴール左隅へ流し込んだ。
 
クラブ史上初のリーグ戦3試合連続0-3の屈辱のスコアを刻むことになったトッテナムは、何とか前半のうちに1点を返そうと前がかる。しかし、攻守両面でチグハグな戦いに終始。不用意にボールを失ってカウンターを浴びる悪循環が続く。39分にはソン・フンミンの右CKからゴール前で競り勝ったケインに決定機も、ドンピシャのヘディングシュートはわずかに枠の右へ外れた。
 
思わぬワンサイドゲームとなったダービーはホームチームの3点リードで後半に突入。大きな変化を必要とするアウェイチームは、デレ・アリとタンガンガを下げてエメルソンとスキップを投入。スキップをアンカー、ホイビュルクを右のインサイドハーフに配置を変えた。
 
後半の入りはアーセナルが強度を保ってプレーしたことで、引き続きホームチーム優勢の流れが続く。だが、トッテナムも選手交代とハーフタイムの修正によって攻守のバランスを改善し、徐々に押し返していく。
 
61分にはボックス手前右でエメルソンから横パスを受けたケインが反転気味に強烈なシュートを枠の左隅へ飛ばすが、これはGKラムズデールが好守で阻止。さらに、こぼれ球に詰めたソン・フンミンに対して、DF冨安が素早いカバーリングで二次攻撃を許さない。さらに、直後の62分にはダイアーのフィードに反応したケインが冨安を出し抜いてボックス内に抜け出すが、GKラムズデールの寸前で放ったチップキックはわずかに枠の右へ外れてしまい、この試合最大の決定機を逸した。
 
続けざまのピンチを凌いだアーセナルは、ここから3点のリードを生かしてセーフティファーストの丁寧な試合運びでゲームを締める作業に入る。73分にはカウンターの形から右サイド深くでトーマスからパスを受けたサカがカットインから鋭い左足のシュートを放つが、これはGKロリスの好守に遭う。
 
敗色濃厚もダービーで意地を見せたいトッテナムは70分にエンドンベレを下げてブライアン・ヒルを最後のカードとして投入。すると、79分にはスキップの縦パスをDF冨安が大きくはじき出せずにこぼれたボールをブライアン・ヒルがスライディングで背後を狙うレギロンに繋ぐと、レギロンからのグラウンダークロスをボックス中央のソン・フンミンが右足ワンタッチで合わせて、ようやく反撃の狼煙を上げるゴールとした。
 
残り時間を考えれば、少なくとも同点の可能性が出てきたダービーはここから更なる盛り上がりを見せる。再びプレー強度を上げて逃げ切りを図るアーセナルは、殊勲のサカとスミス・ロウの両ウイングを下げてメイトランド=ナイルズ、ヌーノ・タヴァレスの同時投入で守備を固める。
 
その後、猛攻に打って出るトッテナムは5分が加えられたアディショナルタイムに再びゴールへ迫る。92分、ペナルティアーク付近でルーカスが強引に放ったシュートが相手DFの足にディフレクトし、ドライブ回転がかかったシュートがゴール左上隅へ向かう。だが、ここはGKラムズデールで見事な反応で触ると枠の左上角を叩く。さらに、こぼれ球は冨安が冷静にクリアした。
 
そして、試合はこのままタイムアップを迎え、無類の強さを誇るエミレーツのダービーでトッテナムに完勝のアーセナルが開幕3連敗からの3連勝で浮上のキッカケを手にした。一方、トッテナムは屈辱の3試合連続0-3の敗戦こそ回避したものの、開幕3連勝からの3連敗と急失速となった。

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