インターナショナルマッチウィーク前に行われた第29節では上位対決を制したバルセロナ、首位のレアル・マドリーがきっちり勝ち点3を手にした一方、ジローナとアトレティコ・マドリーが敗戦。これにより、上位5チームの間で順位の変動が起きた。

フレンドリーマッチの開催が多かったものの、FIFAウイルス懸念の代表戦明けの今節は、首位のレアル・マドリーと4位に浮上したアスレティック・ビルバオによる上位対決が最注目カードとなる。

マドリーは前節、オサスナとのアウェイゲームに4-2で勝利。今シーズン初となるCKからの失点を含め2失点こそ喫したが、FWヴィニシウスのドブレーテの活躍などによって2試合連続4ゴールを挙げての連勝となった。ジローナの取りこぼしで2位以下とは8ポイント差となり、2シーズンぶりのプリメーラ制覇へ順調な歩みを見せる。今回の中断期間では復帰間近だった守護神クルトワの再離脱という悲報が舞い込んだが、それ以外の主力はある程度プレータイムがコントロールされており、ドイツ代表復帰で久々にフル稼働となったMFクロースのコンディションにやや不安を残すものの、良い形でホーム開催の上位対決に臨めるはずだ。

一方、2連勝でアトレティコを抜いて4位浮上のアスレティックは、来週にマジョルカとのコパ・デル・レイ決勝という大一番を控える中、リーガ首位チーム相手に弾みを付ける3連勝を狙う。前節は下位に沈むアラベスとのバスク自治州ダービーをFWグルセタのドブレーテの活躍で2-0の快勝。直近の公式戦4試合ではバルセロナ戦で0-0のドローに終わったが、コパでアトレティコに3-0で完勝するなど4戦連続無失点継続中と攻守に隙のない戦いが印象的だ。攻撃ではウィリアムズ兄弟、グルセタ、MFサンセト、MFウナイ・ゴメス、守備では守護神ウナイ・シモン、DFビビアン、DFパレデスと実力者が好調を維持しており、敵地でも臆せず戦えるはずだ。

直近の公式戦4勝1分けで完全復調で2位に浮上したバルセロナは、11位のラス・パルマスを相手にリーグ戦3連勝を狙う。難所シビタス・メトロポリターノに乗り込んだ前節はFWフェリックスの2戦連続恩返し弾を皮切りに、FWレヴァンドフスキ、MFフェルミン・ロペスと3ゴールを叩き込み、コルチョネロスに今季リーグ戦ホーム初黒星を与える3-0の快勝を収めた。中盤の要2選手を含め引き続き離脱者が出ているが、来月10日に控えるパリ・サンジェルマン戦までは日程面の余裕があり、今回の試合ではフル稼働だったMFギュンドアン、レヴァンドフスキら代表組を含めパワーを出し切って勝ち切りたい。

前半戦は堅守を誇ったラス・パルマスだが、直近5試合では12失点と失点が増えて2分け3敗の5戦未勝利と低迷。チャビのチームとしてはラ・ロハでも圧巻の輝きを見せたFWラミン・ヤマルら復調の攻撃陣の活躍によってしっかりと押し切りたい。

前節、ヘタフェ相手のウノセロ敗戦で3位に転落したジローナは、ヨーロッパの出場権を狙う7位のベティス相手にバウンスバックの白星奪取を目指す。マドリーとの首位攻防戦での惨敗から失速傾向のミチェルのチームは、以降勝利と敗戦を交互に繰り返すなどパフォーマンスが安定せず。とりわけ、アウェイゲームでの苦戦が顕著だ。ただ、今節は難敵相手と言えども得意とするホームゲームとなるため、ウクライナ代表のユーロ本大会行きに貢献して勢いに乗るMFツィガンコフら代表組、中断期間で休養十分のMFポルトゥら好調の選手を軸に白星を取り戻し、熾烈な上位戦線に踏みとどまりたい。

5位転落のアトレティコはマンデーナイト開催となる9位のビジャレアルとの名門対決で連敗ストップを狙う。前述のバルセロナ戦ではPK戦までもつれ込んだ末にベスト8進出を決めたインテル戦の疲労が大きく影響したが、要塞メトロポリターノでの0-3の完敗は容認できない。そのため、今回のアウェイゲームではきっちり白星を取り戻したい。バルセロナ戦で退場のDFモリーナがサスペンションで不在となるが、リハビリに費やすためにフランス代表離脱を決断したFWグリーズマンら主力の復帰が見込まれており、そのエースの復帰を追い風に苦手とするアウェイゲームでしっかりとしたパフォーマンスを見せたい。

MF久保建英を擁する6位のレアル・ソシエダは、13位のアラベスとの自治州ダービーで今季2度目の3連勝を狙う。前節はカディス相手にMFメリーノ、MFザハリャンのゴールで危なげなく勝利を収め2連勝を飾った。久保に関しては北朝鮮代表戦とのアウェイゲームが中止となったため、公式戦2試合を戦うことなく早いタイミングで日本から帰国。長距離移動による疲れはあるものの、フルパワーでの戦いが可能だ。チームとしてはMFブライス・メンデスの負傷離脱は痛手となったが、その他の主力は概ね復帰しており、リーグ戦一本での戦いに向けて不安のない陣容が揃っている。

その他では前節の前後に監督交代に踏み切った17位のセルタ、19位のグラナダ、最下位のアルメリアの下位3チームの戦いにも注目したい。アルメリアは前節、ペペ・メル新体制初陣で今季29戦目での初勝利を収めている。一方、グラナダはメディーナ監督解任でサンドバル新監督を招へいし、今回のカディスが新体制の初陣となる。

《ラ・リーガ第30節》
3/29(金)
《29:00》
カディス vs グラナダ

3/30(土)
《22:00》
ヘタフェ vs セビージャ
《24:15》
アルメリア vs オサスナ
《26:30》
バレンシア vs マジョルカ
《29:00》
バルセロナ vs ラス・パルマス

3/31(日)
《21:00》
セルタ vs ラージョ
《23:15》
ジローナ vs ベティス
《25:30》
アラベス vs レアル・ソシエダ
《28:00》
レアル・マドリー vs アスレティック・ビルバオ

4/1(月)
《28:00》
ビジャレアル vs アトレティコ・マドリー