ビックロの「クロ」(ユニクロ)が6月19日での閉店を発表

 東京都新宿区の商業施設「ビックロ」(新宿三越ビル)の核店舗であるファストファッション店「ユニクロビックロ新宿東口店」が、2022年6月19日の営業を以て閉店することを発表しました。

 東京都心の一等地にあるビックロはユニクロにとって「グローバル旗艦店」という位置付けだっただけに、その閉店には驚きの声が上がっています。店舗の跡地はどうなるのでしょうか。


実は築100年近いビックロ、「世界旗艦店」ゆえの苦悩も…?

 今回閉店する「ユニクロビックロ新宿東口店」は東京メトロ新宿三丁目駅前にある新宿三越ビルに2012年9月に開店しました。新宿三越ビルはもともと1929年に開業した百貨店「三越新宿店」の本館で、2005年からは「ジュンク堂書店」や「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」「Tiffany & Co.(ティファニー)」などが出店する専門店街・高級ブランド街「新宿三越アルコット」となっていましたが、ビックカメラ出店に伴い2012年3月に閉店していました。なお、旧三越新宿店の南館には2022年現在「大塚家具×ヤマダ 新宿ショールーム」が出店しています。

 「ビックカメラが全館一括で賃借する」とされていた新宿三越ビルでしたが、その後ユニクロとの複合新業態店舗「ビックロ」として開店することを発表。ビックロ全館の店舗面積は20,745㎡、そのうちユニクロの売場は2階・3階で店舗面積は2,900㎡。ビックロのキャッチフレーズは「素晴らしいゴチャゴチャ感」で、2012年9月のグランドオープン時にはビックカメラの宮嶋宏幸社長(当時)とユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正会長が出席し、柳井会長が「(ユニクロで)日本一の売り上げを目指したい」と述べるなど、ユニクロのグローバル旗艦店として世界各地からの集客を狙っていました。

 一方で、同店は「グローバル旗艦店」の名の通り外国人スタッフを多く配し、多言語接客を行うことも特徴の1つとしていました。それゆえ、コロナ禍で外国人観光客が減って以降の店内は、以前に比べると活気に陰りがあるように思えました。

 ビックロは今年9月に開業10周年を迎えますが、同店の定期借家契約は10年間。さらに、2021年11月には同店8階にあったスポーツ用品店「ICI石井スポーツ新宿東口ビックロ店」が閉店(その後、ビックカメラがアウトレット売場などとして活用)。新宿三越ビルは「ビックロ化」により四角い箱で覆われたものの建物の大部分が築100年近いうえ、2021年には向かいにある伊勢丹新宿本店が近い将来の全館改装・再開発方針を発表したとあって「ビックロも解体・再開発されるのではないか」、もしくは「三越伊勢丹グループである伊勢丹改装時の仮店舗に使われるのではないか」など、様々な憶測が上がっていました。


ビックカメラは営業を継続――再開発はまだ先か?

 さて、それでは「ユニクロビックロ新宿東口店」の跡はどうなるのでしょうか。

 店頭に掲示された案内によると、ビックロはユニクロが閉店した後は「ビックカメラ新宿東口店」として営業するとしており、ユニクロの閉店後は全館閉店となる訳ではなくビックカメラが契約を更新し、ユニクロの売場跡にはビックカメラが増床して営業を続けるものとみられます。同店のイメージキャラクター「ビックロたん」も改名された上でそのまま「継続雇用」されることでしょう。

 一方、ユニクロはすでに新宿に複数の店舗があるためそのまま店舗統合になる――かと思いきや、ユニクロはビックロの閉店発表に合わせて2022年秋に「ユニクロ新宿フラッグス店」「ユニクロ新宿三丁目店」の2店舗を新規出店することも発表しています。この事実上の店舗移転によって、ユニクロは新宿駅前4店舗体制となります。

 ビックロのビックカメラは営業を継続するとはいえ、新宿の一等地にある新宿三越ビル(ビックロ)は三越伊勢丹にとって重要な不動産資源でありながらも間もなく築100年であり老朽化が進んでいます。さらに、新宿にあるもう1つのビックカメラ大型店が入居する「小田急新宿西口ハルク」(小田急百貨店ハルク館、1962年開業)も築年数が古く、現・小田急百貨店新宿本店本館(2022年10月閉店予定、百貨店はハルク館内に移転)再開発完了後の建て替え・再開発は避けられないでしょう。そのため、ビックカメラは近い将来ビックロやハルクとは別の場所に新たな旗艦店を出店する可能性が高く、今後の動きが注目されます。