山梨県上野原市にある自動車整備工場で起きた一夜の間に車4台が盗まれた事件。
整備工場の社長がUTYの取材に応じ、事件当時のことを克明に語ってくれました。

自動車整備工場 社長:
「お客さんに申し訳ない」

車がなくなっていた工場の様子を話す社長 15日

車がなくなった工場を眺め、肩を落としながら話すのは山梨県上野原市上野原にある自動車整備工場の社長です。

こちらでは地域住民から預かり工場内に置いてあった8台のうち、乗用車1台と軽乗用車3台、合わせて4台の車が一夜で何者かに持ち去られていました。

事件が発覚したのは15日午前5時すぎ。社長が出社したところ…

自動車整備工場 社長:
「来たらシャッターが開いてました」



昨夜の営業終了時には閉まっていたはずのシャッターが全開となっていたのです。

いつもと違う工場の様子に、社長は異変を感じ取ります。



そして、中をのぞくと車検のため受け取ったばかりの車、車検が終わっていた車など客から預かっていた車が4台がなくなっていました。



工場の窓ガラスはレバーの近くが叩き割られ開いていました。

また、事務所の1階に保管しておいたケースに入った車のカギは乱雑に床に散らばっていました。

CDなど車載物は車別にまとめて置かれた

さらに、盗まれた車に入っていたCDや車検証、ETCカードなどが盗まれた車ごとにまとめて床に置いてある状態でした。

工場は防犯カメラがなく、盗まれた車はいずれも鍵を車内につけたままでした。

自動車整備工場 社長:
「シャッターが閉まっていたから鍵は車に残したままでした」

今年、山梨県内では車の盗難が相次いでいます。

県警によりますと4月までに確認された車両盗は20件で、去年の同じ時期より9件増加しているということです。

社長も相次ぐ盗難事件のニュースを見て防犯カメラなど防犯対策を強化しようと思っていた矢先に事件は起きたといいます。

被害はそれだけではありません。

こじ開けられたような痕がある2階入り口のドア

事務所の2階も侵入されていたのです。

現金が盗まれた金庫

床や机の上に書類などが散乱し、現金およそ18万円も盗まれていました。

UTYが取材中、社長の携帯電話に1本の電話が入ります。

電話は埼玉県の上尾警察署からでした。

取材中に埼玉県の警察から電話が…

自動車整備工場 社長:
「ええ・・・、はい・・・、あ、本当ですか!」

それまで苦々しい表情で取材に応じていた社長の顔がパッと明るくなります。

電話の内容は盗まれた車4台が埼玉県内で放置され、見つかったという連絡でした。

自動車整備工場 社長:
「ほっとしました」

警察からの電話に胸をなでおろします。

社長によると車は4台のうち乗用車だけ鍵がかかっていて、残りの3台は、鍵が残された状態で見つかったということです。

警察は犯人の行方を探しています。

今回の事件を受けて社長は防犯対策の強化を誓っています。



自動車整備工場 社長:
「工場内の車の鍵は必ずロックして別のところに置いて、今まで以上に防犯対策はしっかりしたい。防犯カメラも付けます。こんな思いはしたくないので」

警察は車を扱う事業所に防犯対策として主に以下の4点を呼びかけています。
●防犯カメラやセンサーライトなど機械警備の導入
●機械警備設置を示す看板の設置
●車を保管する建物と車の施錠
●保管庫で車のカギを管理