物価高騰は店頭の品揃えにも影響しています。
山梨県笛吹市の個人商店には値上げの波に耐えきれず店頭から姿を消した商品が複数あり、その影響を肌で感じています。

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江戸屋商店 武川昌生店長:
「当たり前のようにあると思っていた」

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笛吹市八代町で食品の製造や販売を行う江戸屋商店です。

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こちらでは昔ながらの菓子や食品を県内の業者などから仕入れていますが、今年に入って複数の商品が姿を消したといいます。

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江戸屋商店 武川昌生店長:
「価格に転嫁でき辛いとか採算が合わないからという形で製造を中止しようかなんていう話も聞くようになった。売れていましたよ、大人気でしたよ、というものが(製造を止める)ことが多かったので、寂しかった」

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小さい企業や、大量生産していない良い商品が価格高騰に耐え切れず生産中止になる現状を間近に感じてきました。

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こうした状況は食品を製造する江戸屋商店自身も他人事ではありません。

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 武川店長:
「1つのカップに3150粒ぐらいのゴマが入っている。このゴマがトントントンと上がって…」

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看板商品は手作業で仕上げる「ごまどうふ」ですが、そのゴマの値上がりが止まりません。

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武川店長:
「値段が上がった2か月後に再度値上げの通知が来るというのが、この2年ぐらい続いている。99%くらいは輸入なので円安も重なって1.5、6倍に跳ね上がった」

加えて、他の食品や梱包資材、光熱費なども値上がっています。

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江戸屋商店 武川昌生店長:
「本当に昔から好きで来てくださっている方もいるので、今の価格でなるべくは抑えたい」

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今のところ価格転嫁を踏みとどまっています。

個人商店を営み、ふるさとの味、なじみの味が次々と消える現状から武川店長は消費者に価格転嫁への理解を求めました。

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武川店長:
「(物価が)上がっていく以上(価格転嫁は)やむを得なく、同じ隣人として温かく迎え入れてあげてほしい。こういう商品が自分の子どもの世代にも残っていったらいいという思いがすごくある」

食品製造会社は消費者の満足と事業の継続の間で揺れる状況が続いています。