ハーレーダビッドソンのラインナップのなかでは、スポーティなハンドリングでファンの多かった「スポーツスター」シリーズ。空冷エンジン時代は乗り手を急かさない特性でしたが、新たに水冷エンジンを搭載した「スポーツスターS」は、過激なハイパワースポーツに変身していました。

水冷Vツインは空冷時代に比べてパワー&トルクが大幅強化

 水冷のDOHCエンジンを搭載したハーレーダビッドソンの「スポーツスターS」に試乗しました。

 ハーレーダビッドソンらしい空冷Vツインエンジンに軽量な車体を組み合わせ、スポーティなハンドリングで支持を集めていた前身の「スポーツスター」シリーズ。スポーツの名を冠しながらも、スピードやパワーを追求し過ぎない特性が人気の理由でした。

 しかし、時代の流れとともにハーレーダビッドソンの各モデルも空冷から水冷へとエンジンをスイッチするように。そんな状況下で登場した水冷仕様の「スポーツスターS」は、最高出力が空冷時代の66HPから121HPへと大きくパワーアップし、アグレッシブなマシンに変貌を遂げていました。

「スポーツスターS」に搭載されるエンジンは、1252ccの水冷“Revolution Max 1250T”。V型2気筒という形式こそ空冷時代と変わらないものの、パワーだけでなくトルクも96Nmから125Nmへと高められています。2本出しのアップタイプマフラーも、過激な走りを予感させます。

 外観のデザインは、同社のレーシングマシン「XR750」をモチーフにしたものですが、前後の極太タイヤ、LEDの薄型ヘッドライトでアグレッシブなイメージに仕上がっています。フロントには倒立式フォークとモノブロックの4ピストンキャリパーを組み合わせ、かなり本気度の高い仕上がりとなっています。

●過激な加速を味わえるモンスターマシンに変貌

「スポーツスターS」のシート高は765mmとこのクラスとしては低めで、またがると足つき性はよいのですが、ステップがいわゆる“フォワードコントロールタイプ”のため、乗車姿勢は足を前へ伸ばしたような形となります。

 アイドリング時のエンジン音は、空冷Vツイン時代とはやや趣きが異なりますが、4輪のアメリカンV8のような響きでライダーのやる気を高めます。

 低回転域のトルクは豊かで、切り替え可能なライディングモードで「ロード」や「レイン」を選択している限り、街中でも扱いやすい特性です。しかし、アクセルを少し大きめに開けると、水冷のDOHCらしくエンジン回転計の目盛りが俊敏に反応します。

 そして、最もパワフルな「スポーツ」モードを選択すると、アクセルを全開にするのが困難なほど過激な特性に。高速道路への合流時にアクセルを大きく開けてみたところ、ステップから足がはがされそうになるほどの加速に驚かされました。

 水冷のハイパワーエンジンを搭載し、モンスターマシンへと変貌を遂げた「スポーツスターS」。空冷時代の「スポーツスター」がVツインのトルク感を味わいながらスポーツを楽しむモデルだったのに対し、こちらはヨーロッパのストリートファイターを想起させる過激なフィーリングです。のんびり峠道を流したいという人よりも、どこでも過激な加速を味わいたいアグレッシブなライダーに向くモデルといえそうです。

●製品仕様
・価格(消費税込):216万4800円
・全長:2270mm
・ホイールベース:1520mm
・車両重量:228kg
・エンジン形式:1252cc水冷V型2気筒DOHC
・最高出力:121HP/7500rpm
・最大トルク:125Nm/6000rpm