2022年の11月4〜6日、北海道・美深で開催された「終り火」はキャンプをしながら焚き火・クラフト・ラム肉を楽しむ人気イベントです。夜は氷点下5℃程度と割合穏やかなものの一足早く雪に触れられる冬キャンプで、でみんなの寒さ対策を教えてもらいました。

最大の敵は就寝時の冷え

 東京の最高気温が20℃、最低気温が10℃ほどだった2022年11月上旬、北海道・美深のファームイントント(松山農場)の最高気温は3℃、最低気温-5℃。11月にして東京の1〜2月よりも寒い環境で行われる「終り火」では、参加者たちが思い思いの寒さ対策を行っていた。

 「冬キャンプ」でもっともキツいのは就寝時の冷えだ。

 寝袋には快適に眠れる温度が記されており、快適温度-10〜-15℃であれば冬キャンプに対応すると言われている。けれども、中綿が体重で潰れ、あたたかな空気を蓄えられない背中側はいくら冬用の寝袋であってもマットが薄くては寒くて眠れない。

 「終り火」では基本的に参加者が眠るテントと冬用寝袋、マットが用意されており、マットは1枚だけではなく3枚重ね。12月に入り寒さが本格化したらコットやもう少し分厚いマット、ふわふわのブランケットを用意したほうがいいだろう。

 湯たんぽで足下を温めたり、最近はモバイルバッテリーを用いる発熱する毛布や寝袋が販売されているので、寝入りばなや明け方だけ使用するのも有効だ。

 なお、寝袋に入る前に靴下を脱ぐか、ゆるめの新しい靴下に履き替えておこう。湿気を含んだ靴下を履いたままだと、どんなにいい寝袋でも足先が冷えやすい。ダウンやフリースを詰めておくのも冷え予防となる。

防寒ウエアとブーツは北国ブランド

 冬キャンプでは足先からジンジン冷えてくるので防寒ブーツが必需品だ。

 イベントで貸し出し用に用意指定のはソレルとバフィンの防寒ブーツ。どちらもカナダの冬の暮らしを支えてきたブランドで、雪道でのグリップ力も申し分ない。

 聞けばミツウマや第一ゴムといった北海道ブランドの防寒長靴も評価が高いという。足下はやはり北国ブランドが安心だ。

極寒フィールドでは首もとと頭部を冷えから守るフード付きがベスト

 防寒ウエアというとジャケットやパンツに目を向けがちだが、肌に近いアンダーウエアにこそこだわりたい。コットンの靴下やアンダーウエアは避け、できればウール製を選択。

 汗を素早く排出してドライに保つ化繊も優秀な素材だが、急速に乾くため気化熱で冷えてしまうと面もあるとか。ウールはほどよいスピードで水分を放出させるし、空気を含みやすいうえ断熱効果が高い。寒さに備えるアンダーウエアとして適した素材なのだ。

 なお、ダウン入りのジャケットやパンツは軽くて保温性も高いが、焚き火シーンでは注意が必要だ。化繊の生地の場合、火の粉で穴が空いたり溶けたりするとせっかくの中綿が抜けやすくなる。難燃加工が施されたダウンウエアや、そうでなければ難燃素材のエプロンでしっかりカバーしておこう。

身体の中からあたためるラム、サーモン

 寒さ対策の最後は”食”。

 レタスやトマトといった夏が旬の野菜は体を冷やし、にんじんやネギなど冬が旬の野菜や根菜は体を温める効果があるということはよく知られた話だが、これはなにも野菜に限ったことではない。肉や魚にも体を温める性質のものがある。それがラムとサーモン。焚き火で炙りながら食べるのは最高だ。

 なお、アルコールは一時的に身体が熱くなるものの、酔いが覚めるとかえって身体を冷やしてしまう。米を原料とする日本酒や紹興酒は比較的身体をあたためる効果があるが、ほどほどに。

北海道で愛されるラム肉は身体をあたためる肉。焚き火でじっくり炙るだけでうまい。匂いが苦手な人は、脂を取り除き、スパイスでにおいをカバー

 せっかくのキャンプなのに寒いからといってテント内に閉じこもるのはもったいない。寝袋、ウエア、そして食で寒さに備え、元気に冬のフィールドを遊び尽くそう。