釣りの初心者に立ちはだかる最初の壁が、ライン(糸)を結ぶ「ノット」。複雑でやたらと種類が多くハードル高めのノットですが、不具合があると大物を逃したり、大切なルアーをなくしたりしかねません。覚えて損しない、基本のノット2種類を紹介します。
●夕方でも揺れる船上でも確実に結びたい
ノット(knot=釣り糸の結び方)には種類が多く、また独自の進化を遂げた派生系まで存在するため、ベテランでも全てのノットを習得している釣り人は少ないはず。
今回紹介する「ルアーに結ぶ=ユニノット」と「ライン同士をつなぐ=サージャンスノット」の2種類のノットはどちらもシンプルなので初心者におすすめです。
ですが、“ラインを確実に結ぶ”という先人の知恵や技術が詰まっているため、この2つをどんな状況でも素早く・迷わず結べるようになれば、より複雑なノットでも確実にマスターすることができます。
●ラインをルアーに結ぶなら「ユニノット」
ルアーやスナップなど、輪のあるアイテムにラインを結ぶためのノットの代表が「ユニノット」。文字通り同一(uni)の結びを繰り返すだけなので覚えやすく、手元が見えにくい暗い時間帯でも短時間で結べ、結束強度も高いので、単純にして王道と言えるノットです。
まず、ラインの先端(支線)をルアーに通して20cmほど引き出し、リール側のライン(本線)に重ねます。慣れないうちは引き出す支線を長めにすると結びやすいです。
次に支線で輪を作り、輪の束ねた2本のラインに4回巻きつけてから、支線を引いて徐々に輪を小さくしていきます。
輪が締まってきたら、摩擦熱でラインが傷まないよう、水やつばですこし湿らせてから本線を引き締め、余ったライン(支線)を3mm程度残して切れば完成です。
●ライン同士をつなぐ「サージェンスノット」
“外科医結び”の意味を持つ「サージェンスノット」は、メインのラインにリーダーを継ぎ足すなど、ライン同士の接続に使う結び方。かつて外科医が手術の縫合の際に使用していた結び方が語源なのだとか。
この結び方を覚えておけば、PEやエステルラインなどリーダーが必須なアジングやエリアトラウトなどのライトゲーム用のラインシステムを組むことができます。

まず、リーダーを使いたい長さプラス20cmほどにカットし、リーダーの後端とメインラインの先端を20cmほど重ね、重ねた2本で輪を作り2本のラインを同時に輪にくぐらせます。
3回くぐらせたら、結び目を湿らせてから束ねた2本をそれぞれ同時に締め込みます。さらにメイン・リーダーともに本線を持って引き締め、余った支線をカットして完成です。
●熟練の釣り人ほどノットにこだわる
ノットは摩擦力で保持されるため、ラインに負担がかかり切れやすくなりますが、上手に結ぶことができればそれだけ強度の低下を防ぐことができます。ベテランほどノットの質にこだわるのは、ランカーに切られたり、ルアーをロストしたりするリスクをわずかでも減らすためなんです。
まずはこの2つのノットを、強い風が吹いても、船が揺れても確実に結べるよう練習しておくと、釣りをよりスムーズに楽しめます。