今期のバイク業界で、最も注目を集めているモデルのひとつに数えられるのがホンダの新しい「CL」シリーズ。発売されたばかりの「CL250」と「CL500」の魅力をあらためてチェックします。

街に映えるスクランブラースタイル

 イタリア・ミラノで開催されたEICMA2022で発表され、モーターサイクルショー2023で国内初お披露目となったホンダの「CL250」と「CL500」。幅広い層のライダーから支持を集めており、早くもスマッシュヒットの期待が高まっています。

「CL250」と「CL500」のベースとなっているのは、ホンダのクルーザーバイクである「レブル250」と「レブル500」。特に「レブル250」は5年連続で販売台数のトップとなった大ヒットモデルです。

 ベースとなった「レブル」シリーズはクルーザータイプのバイクですが、新しい「CL」シリーズはダート走行にも対応したスクランブラースタイルを採用しています。

 スクランブラーとは、オフロード専用モデルがなかった時代に、オンロード車をベースに未舗装路も走れるようにしたカテゴリー。アップタイプのマフラーや幅の広いハンドルなどが特徴となっています。

 オフロード専用モデルが生まれてからは役割を終えたともいえますが、スクランブラースタイルの人気は根強く、近年でも国内外のメーカーが新しいモデルを続々とラインナップしています。スリムな車体やアップライトなライディング姿勢、幅広いシチュエーションに対応する設計などにより、街乗りやツーリングに使いやすいというのが人気の秘密でしょう。

 そうしたスクランブラーのお約束どおり、「CL250」と「CL500」はシンプルでスリムな車体にフラットなシート、アップタイプのマフラーを採用。街を始めさまざまなシーンに映えるデザインとなっています。

●街乗りからキャンプツーリングまで活躍しそう

 ホンダの新型「CL」シリーズに搭載されるエンジンは、「CL250」が249ccの単気筒、「CL500」は同じく471ccの2気筒です。どちらも低回転域から高回転域まで扱いやすい出力特性で、しなやかな足回りも相まって、街乗りからフラットなダートまで幅広いシーンで活躍しそうです。

 ホイールサイズは、フロント19インチ、リア17インチで、タイヤにはスクランブラースタイルに合わせてセミブロックパターンのものを採用。街乗りはもちろん、近年流行りのキャンプツーリングなどにも適しています。

 ベースとなった「レブル」シリーズは、シンプルな設計とライダーが乗った状態で完成するようなデザインが高い支持を集めていますが、そうした美点は「CL」シリーズにも受け継がれています。

 人気モデルの基本設計や特性を継承しながら、独自のスクランブラースタイルを構築している「CL250」と「CL500」。手の届きやすい価格を実現していることもあり、ヒットモデルとなるのは必然といえるかもしれません。

●製品仕様
■CL250
・価格(消費税込):62万1500円
・サイズ:2175×830×1135mm
・車両重量:172kg
・エンジン:249cc水冷単気筒DOHC4バルブ
・最高出力:24ps/8500rpm
・最大トルク:23Nm/6250rpm

■CL500
・価格(消費税込):86万3500円
・サイズ:2175×830×1135mm
・車両重量:192kg
・エンジン:471cc水冷直列2気筒DOHC4バルブ
・最高出力:46ps/8500rpm
・最大トルク:43Nm/6250rpm