ボルボから全長4233mmのコンパクトSUVタイプの電気自動車(EV)「EX30」が世界初公開されました。どんなクルマなのでしょうか。

ツインモーター仕様はボルボ史上最速の加速力を実現

 ボルボ・カーズは2023年6月7日、イタリア・ミラノにて「EX30」を世界初公開しました。

 新型EX30は、ボルボ初の小型プレミアムSUVで、「C40リチャージ」「XC40リチャージ」「EX90」に次ぐボルボで4番目のピュア・エレクトリックモデル(BEV)です。

 全長4233mm×全幅1837mm×全高1549mmというボディサイズの、いわゆるBセグメントSUVになります。

 新型EX30はロングホイールベース、大径ホイール、前後そろったオーバーハングによリ、バランスと洗練された印象のエクステリアとなっています。

 またEV的なデザインで、自信に溢れたフェイス、閉じられたシールドとデジタル表現を用いたボルボ車の特徴「トールハンマーヘッドライト」があしらわれています。

 ボディカラーはスタイリッシュなクラウドブルーから、明るく表情豊かなモスイエロー(モスイエローはスウェーデン西海岸の岩に生える地衣類からインスピレーションを得ている)まで5色を用意しています。

 インテリアはシングルスクリーンのUXや、Google搭載の最新版のインフォテインメントシステムが使用できるようになり、これらの機能はすべて真のボルボ・デザインの特徴を反映しています。

 注目は、人気の高いパークパイロットアシストの新世代機能を搭載した最初のクルマだということ。縦列、横列、直角、斜めのフィッシュボーン式など、あらゆるタイプの駐車スペースに対応し、狭い場所での駐車も容易だといいます。新しいパークパイロットアシストでは、車の周辺にある駐車可能なスポットを特定します。そして、新しい3Dユーザーインターフェイスで駐車したい場所をタップすれば、アクセルやブレーキ、ステアリングを操作してくれます。

 パワートレインは3種類を用意。272馬力を発生するシングルモーターに51kWhバッテリー搭載の通常モデル、272馬力のシングルモーターに69kWhのバッテリーを搭載したロングレンジモデル、そしてトータル428馬力のツインモーターと69kWhのバッテリーを搭載したパフォーマンスモデルとなっています。

 ツインモーターの4WDモデルは0−100km/h加速は3.6秒を実現。つまりボルボ史上最速の加速を実現しています。

 EX30通常モデルのWLTPモードでの航続可能距離は最大214マイル(約344km)、EX30ロングレンジモデルは最大298マイル(約480km)、EX30ツインモーターは286マイル(約460km)です。

 EX30ツインモーターは最大153kW、スタンダードレンジは最大134kWの充電能力を発揮。10%から80%まで充電するのにわずか25分強となります。

 欧州市場での新型EX30の価格は約3万6000ユーロ(日本円で約540万円)からとされています。

 ボルボ・カーズのCEOであるジム・ローワン氏は、「EX30は、ボルボ史上最小のSUVかもしれませんが、お客さまにとっても、私たちの会社にとっても大きな意味を持ちます。EX30は、お客様がボルボに求めるすべてを小さなパッケージで実現した、小さいけれど最高の車です。他のボルボ車と同様に、この車も安全であり、お客様自身やそのニーズに合わせて設計された素晴らしいクルマなのです」とコメントしています。

 ボルボは2025年までに世界販売台数の50%、および営業利益率の8〜10%を電気自動車で構成するという目標を設定しており、2030年までにはすべてのモデルを電気自動車にすることを目指しています。

 これらの高い目標を目指すにあたり、新型EX30は今後数年間、ベストセラーモデルのひとつとして大きな役割を果たすといいます。