メルセデス・ベンツのミドルサイズSUV新型「GLC」に、プラグインハイブリッド(PHEV)「GLC350e」が登場しました。どんなモデルなのでしょうか。

EVの利便性と内燃機関の安心感を兼ね備えたモデルが追加

 メルセデス・ベンツ日本は2023年11月29日、プレミアムミドルサイズSUV新型「GLC」に、プラグインハイブリッド(PHEV)モデル「GLC350e 4MATIC Sports Edition Star(スポーツエディションスター。以下GLC350e)」を追加、発売しました。

 初代GLCは2015年に登場したDセグメントSUVです。2008年に登場した「GLK」の後継モデルとして登場しました。

 初代GLCの世界累計販売台数は260万台を突破。2020年と2021年にはメルセデス・ベンツの乗用車のなかでベストセラーモデルとなり、世界中で大ヒットしました。

 現行型GLCは、2023年3月に日本で登場した2代目となる新型モデルです。

 従来、ディーゼルモデル「GLC220d 4MATIC」のみの展開でしたが、今回PHEVが追加されました。

 新型GLC350eは204馬力・320Nmを発生する2リッター直列4気筒ターボエンジンに、容量31.2kWhのリチウムイオンバッテリーと、136馬力・440Nmを発生する電気モーターを組み合わせたPHEVモデルです。

 システム最高出力は313馬力・550Nmのパワーユニットとなり、電気モーターのみで140km/hまで走行可能、さらにEV走行換算距離は118kmのため、日常では電気自動車のように使用することが可能です。

 遠方へのドライブでは、ガソリンエンジンで充電しながら走行するなど電気モーターとガソリンエンジンのメリットを掛け合わせる
ことで航続可能距離や充電時間を気にせずにドライブが可能です。

 急速充電器(CHAdeMO)も対応。また6.0kW(30A)の交流普通充電にも対応しています。

 消費税込みの車両価格は以下のとおりです。

・GLC350e 4MATIC スポーツエディションスター:998万円

メルセデス・ベンツ新型「GLC350e」ってどんなクルマ?

 新型GLCのボディサイズは全長4720mm×全幅1890mm×全高1640mm、ホイールベースは2890mmとなりました。全長は先代モデルより50mm長く、ホイールベースも15mm延長されています。

メルセデス・ベンツ「GLC350e 4MATIC スポーツエディションスター」のインテリア

 エクステリアは、筋肉質のホイールアーチとエッジの効いたボディラインで、エレガントさとオフロードの力強さを両立しています。フロントはグリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調のワイドなクロームトリムいより、上質かつスタイリッシュに引き締めています。またオプションのAMGラインは、斬新なスターパターングリルを採用、立体的に配されたスリーポインテッドスターが先進的な表情を生み出しています。

 また新型GLCの空気抵抗係数(Cd値)は0.29と、先代の0.31よりも大幅に改善、高水準のエアロダイナミクスを実現しています。

 インテリアは、現行メルセデス・ベンツのラインナップのデザインを踏襲。12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型で、ダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮いているように見えます。また11.9インチのメディアディスプレイはドライバー側に6度傾けた新しいデザインを採用、ドライバーの視認性を向上させています。

 サスペンションはフロント4リンク、リアマルチリンクを採用。AIRMATICサスペンションを標準装備し、、伸び側と縮み側にそれぞれ可変ダンピングシステムを備えており、路面状況、運転状況、乗車人数や積載状況に応じて減衰力を常に最適に保ちます。

 また後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、取り回しがしやすいSUVとなっています。

 約60km/h以下では、リアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大4.5度傾けます。これにより日常の走行シーンや、駐車する際には最小回転半径が5.1mと小さくなるため、クルマが扱いやすくなります。約60km/hを超えると、リアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大4.5度操舵することで、走行安定性を大きく高めます。