欧州でVWのフラッグシップワゴン新型「ID.7ツアラー」が世界初公開されました。どんなクルマなのでしょうか。
VW新型「パサートヴァリアント」とはどう違う?
独フォルクスワーゲン(VW)は2024年2月19日、新型「ID.7 Tourer(ID.7ツアラー)」を世界初公開しました。
新型ID.7ツアラーは、2023年4月に世界初公開されたVW「ID.シリーズ」のフラッグシップセダン「ID.7」をベースにしたツーリングワゴンモデルです。
ベースとなるID.7は、VWのEVシリーズ「ID.ファミリー」の最新モデルで、モジュラーエレクトリックドライブマトリックス (MEB) に基づく初のセダンになります。2022年6月に中国で世界初公開されたコンセプトモデル「ID.AERO(エアロ)」の市販車バージョンです。
ID.ファミリーは、2020年に登場した「ID.3」から始まり、「ID.4」「ID.5」「ID.6」(中国専用車)、「ID.BUZZ(バズ)」とラインナップを増やしていますが、ID.7は6番目のモデル、そして今回登場した新型ID.7ツアラーは7番目のモデルとなります。
VWは60年以上にわたり「ヴァリアント」や「シューティングブレーク(アルテオン)」という名前でワゴンモデルを展開、世界でもっともワゴンモデルを販売しているメーカーのひとつとなっていますが、新たに登場するモデルは「ツアラー」というネーミングが採用されます。
VWではこのアッパーミッドサイズクラスに新型「パサート ヴァリアント」を投入していますが、今回登場した新型ID.7ツアラーと相互に補完しあい、内燃機関(ICE)モデルからEV航続距離が100km以上となるプラグインハイブリッド(PHEV)、そしてEVと、すべての駆動タイプをカバーします。
新型ID.7ツアラーのリアデザインは、新型パサートの伝統的なエステートなデザインと、アルテオンのようなダイナミックなシューティングブレークのデザインを融合したものとなっています。
荷室容量も通常時605リッター、後席背もたれを倒すと最大1714リッターと十分な広さを誇ります。2023年9月に欧州でフルモデルチェンジされ世界初公開された、9代目となる新型「パサートヴァリアント」にも匹敵する荷室容量を確保しているのが特徴です。
新型ID.7ツアラーは2種類のバッテリーサイズを用意。最大でWLTPモードで685kmの航続距離を達成すると予想されています。また最大200kWの急速充電に対応、この場合、30分未満で10%から80%まで充電することが可能です。
インテリアには拡張現実(AR)ヘッドアップディスプレイを標準装備するなど、革新的な技術を搭載して発売されます。クラシックな計器がコンパクトになるため、コックピットのアーキテクチャが変わるといいます。
さらにオプションで、スマートガラスを使ったパノラマサンルーフも用意。これはガラスをボタンひとつで透明/不透明に電子的に切り替えることが可能なサンルーフになります。またマッサージ機能付きエルゴアクティブシートなども用意されます。
VWブランド経営委員会のメンバーで販売/マーケティング/アフターセールスを担当するイメルダ・ラベ氏は「新型ID.7ツアラーは、とくにファミリー層や長距離を走るドライバーにとって、完璧となるエステートモデルです。十分な室内スペースと高いレベルの快適性を備え、EVでも長距離走行できるのが魅力となります」とコメントしています。
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新型ID.7ツアラーは、2024年第1四半期に欧州市場で先行販売される予定です。日本での展開の時期など詳細は未定です。