2024年3月1日に日本で初お披露目された、新型「ミニ・クーパー3ドア」。第4世代に進化した新型ミニ・クーパーは、EVとガソリンエンジン搭載モデルを用意するのが特徴です。EVとガソリンモデルではデザインやサイズなどが微妙に異なるといいますが、どう違うのでしょうか。

2024年3月にEVとガソリン車が同時に日本上陸した新型「ミニ・クーパー」3ドア

 2023年9月にドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2024」で世界初公開、日本でも2024年3月1日に発表されたのが新型「MINI Cooper 3 Door(ミニ・クーパー3ドア)」です。

 日本での納車は2024年第2四半期ということでまもなく開始される予定ですが、それに先立ち2024年4月3日に国際試乗会が開催され、ガソリンエンジンモデル「ミニ・クーパーS」の公道での走行写真が新たに公開されました。

 ミニは、1959年にブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が開発、およそ40年もの間フルモデルチェンジすることなく製造されていたクラシックMini(ミニ)を起源としています。

 そのモデルをモチーフとして、BMWが2001年に発表した初代MINI(ミニ)が誕生。そして2007年には2代目が登場しています。3代目ミニ3ドアは、日本では2014年3月に発表されています。

 新型ミニ・クーパー3ドアは、10年ぶりのフルモデルチェンジで登場しました。日本ではガソリンエンジン搭載モデルの「ミニ・クーパーC」「ミニ・クーパーS」、電気自動車(EV)の「ミニ・クーパーE」「ミニ・クーパーSE」の4グレードが同時に発表されています。

 これは、2023年11月に日本で発表された新型「ミニ・カントリーマン(MINI Countryman)」に次ぐ、次世代ミニとしては第2弾モデルになります。

 新型でもミニらしさは健在。特徴的な丸目ライトを備えたフロントマスクや丸みを帯びた3ドアハッチバックスタイル、ルーフ、ガラスエリア、ボディの3段構成のボディ、新世代モデルが生んだユニオンジャックのテールランプなどの特徴を受け継いでおり、誰でもミニと直感的に理解できるものとなっています。

 その想いを込めた新たなデザイン言語は、「カリスマティック・シンプリシティ」とし、原点であるクラシックMiniのシンプルさやミニ・イズムを受け継ぎながら、新世代ミニたちが育んできた特徴も兼ね備えたものとなっています。

 デザインは共通しているように見える新型ミニ・クーパー3ドアのEVとガソリンモデルですが、じつは諸元表を見ると、微妙に異なっていることがわかります。

全長やホイールベースだけでなく外観も微妙に異なっている

 EV仕様は、全長3860mm×全幅1745mm×全高1460mm、ホイールベース2525mmに対して、エンジン仕様は全長3875mm×全幅1745mm×全高1455mm、ホイールベース2495mmとなっています。

新型「ミニ・クーパーS」のインテリア

 つまり「ミニ・クーパーE」「ミニ・クーパーSE」のEVの方が、全長マイナス15mm、ホイールベースはプラス30mmとなっており、EVの構造を活かしたショートボディとロングホイールベース化が図られていることがわかります。

 ちなみに3代目ミニ3ドアは、全長が3865mm×全幅1725mm×全高1430mm、ホイールベース2495mmでした。

 外観をよく見るとデザインにも少し影響が表れており、EVでは新世代モデルたちの特徴となっていた過給機モデルのボンネットスクープ、サイドスカットル、ホイールアーチの加飾、ロッドアンテナ等は廃止され、よりデザインのシンプルさが追及されています。またドアハンドルもフラット式を新たに採用しています。

しかしエンジン車では、前後マスクの共通化を図る一方で、過去と現代をクロスオーバーさせるようにホイールアーチの加飾とロッドアンテナ、グリップ式のドアハンドルなどの特徴は継承されています。

ただエンジン車が単なるフェイスリフトと結論付けるのは早計でしょう。新型となりインテリアは刷新されているからです。

 2022年に公開されたEVコンセプトのクロスオーバーモデル「ミニ・コンセプトエースマン」の機能性とシンプルさを追求したインテリアを具現化したシンプルかつモダンな空間が広がっています。もちろん、そのデザインの原点は、クラシックMiniにあります。

ダッシュボード上には、往年のセンターメーターを彷彿させるインフォテイメントディスプレイがあるのみ。その下には、最小限化された操作ユニットには、運転時に必要なスタートスイッチ、シフトレバー、パーキングボタン、ハザードなどが集約されています。

こちらはEVの新型「ミニ・クーパーSE」

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 意外なのは荷室容量です。

 ボディサイズと全長は異なりますが、EVとエンジン車ともに標準時で200リッター、2名乗車モードで最大化させると800リッターとなっています。もちろん、寸法的な違いはあるものの、パワーソースによる利便性に違いを生じない設計となっています。

 ガソリン車の消費税込みの価格は、ミニ・クーパーCが396万円、ミニ・クーパーSが465万円に対して、EVのミニ・クーパーEは463万円、ミニ・クーパーSEは531万円となっています。それぞれの価格差は66万円と67万円になりますが、国からのEV補助金や地方自治体の補助金を含めると、ほとんど同等か、EVのほうがオトクに乗ることができる可能性が高くなります。