ヤマハ発動機から往年のレーサーのような新型車「XSR900 GP」が2024年5月20日に発売されます。SNSでも話題となっています。

英雄のWGPマシン「YZR500」が最新車種に

 ヤマハ発動機は、大型自動二輪の新型車「XSR900GP」を2024年5月20日に発売します。消費税込の車両価格は143万円です。

 スタイリングのモチーフとしたのは、1980年代のバイクレース「WGP」(現MotoGP)で活躍したヤマハのファクトリーマシン「YZR500」。往年のレーサーの雰囲気を、スポーツネイキッド「XSR900」をベースに再現しています。

 現在のヤマハのラインナップに、スポーツネイキッドモデル「MT-09」があります。新開発のフレームに、同じく新開発の直列3気筒エンジンを搭載して2014年に登場。ハイパワーかつ軽量な車体により、非常に高い運動性能を持っています。

 MT-09は全体的に鋭角的な印象を持つ現代的なストリートファイターのスタイルですが、09のフレームとエンジンを流用し、丸みを帯びたタンクやヘッドライトを装備してレトロさを加味して2016年に登場したのが「XSR900」。

 今回登場したXSR900GPは、XSR900をベースに往年のレーサー風に仕上げたモデルとなります。

 とくにカウルの作りにこだわりが出ています。整流・防風効果のあるフロントカウルは、クリアスクリーンとナックルガードの固定ネジをあえて露出させることで、手作りの雰囲気を醸し出しています。

 そのアッパーカウルを固定するステー(カウルの内側)には丸いパイプを使用し、ハンドルの上を跨いでフレームにアクセスするようにレイアウト。ライダーの側からも往年の雰囲気を味わえます。

 ちなみにメーターはフルデジタルですが、アナログのタコメーターを表示できるモードも用意されているというこだわりぶりです。

 XSR900からの追加・変更点はセパレートハンドルの採用&ライディンポジションの見直しや、エアクリーナーボックスの形状を見直し吸気効率の最適化などが挙げられます。

 他にも、車体剛性チューニング(ねじり剛性を強化、リアフレームを新開発)専用開発の前後サスペンション(KYB製のフルアジャスタブル)が採用されています。

 走行性能も最適化し機能性も付与し、単なる流用でも“風”でもないスポーツモデルに仕上げられています。

 ちなみにパワートレインには888ccの直列3気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力88kW(120ps)/1万rpm、最大トルク93Nm(9.5kgm)/7000rpmを発生します。車重は200kgで、ヤマハの最高峰スーパースポーツ「YZF-R1」よりも2kg軽量です。

新型「XSR900GP」に対するSNSの反響は?

 SNSでもXSR900GPの登場についてSNSでは反響が多く見られます。

1980年代のGPファクトリーマシン「YZR500」をオマージュして登場するヤマハ「新型「XSR900GP」

「ハンドル周りめっちゃ好き」「もうちょいワイドナックルにしたいとか色々妄想が捗る」「TECH21カラーにしてみたい」(鈴鹿8耐で活躍したヤマハのマシンのカラーリング)

 発売はされていないものの、レンタルバイクなどで現車を確認・走行が可能となっており、「現物、現行モデルで一番かっこいい」「運転しやすくてめちゃめちゃ楽しい」「日本一周できるくらい疲れない」といったポジティブな意見が見られます。

 一方ネガティブな意見としては、「スポーツモードでの発進が非力」「足を下ろす位置にステップがありふくらはぎに刺さる」「片足が着くのがギリギリ」などが見られます。

 往年のマシンの格好良さが肯定的に受け入れられている一方、中身も本格的なレーサーに近づけたことで、普段使いの機能性がやや犠牲になっているということでしょう。

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 XSR900GPは、一見すると、カスタムビルダーが旧型車を整備・復元して発売したかのようです。

 こういった特別感の高いモデルは限定車として販売されるのが常のように感じますが、XSR900 GPはカタログモデルとして普通に新車として購入ができます。