2024年4月13日に栃木県鹿沼市に開業した「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ(Snow Peak KANUMA Campfield & Spa)」。スノーピークの直営としては初めて関東に生まれたキャンプ場ですが、お泊りキャンプをしなくても行く価値があるエリアでした。

●思い立ったら鹿沼にGO!

 関東初のスノーピーク直営キャンプ場として注目される「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ(Snow Peak KANUMA Campfield & Spa)」。早くも大人気で、キャンプサイトの週末の予約は数カ月先まで埋まっているのだとか。

 ですが諦める必用はありません。「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ」は豊かな自然を活かしたキャンプ場であるだけでなく、地方創生のシンボルとして地域とつながることを大切にした施設を目指しているため、予約なしでも楽しめる直営のショップやフリースペースが充実しているんです。

 そして日光の南に位置する鹿沼は、日光へ向かう宿場町でもあり、徳川家康を祀る東照宮を造営した職人たちが暮らした歴史あるエリア。

 往年の宿場町の面影を残しながらも都心から100km圏内とは思えない美しい田園風景が共存しているなど、日帰り旅でも十分楽しめるポテンシャルを秘めています。

 そこで今回は、キャンプ場オープン当日に行われたプレスツアーでVAGUEスタッフが体験した、予約なしで楽しめる「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ」の関連施設や鹿沼エリアの魅力を紹介します!

●秒速でわかる温泉の実力

 スノーピークの本拠地新潟にある「スノーピーク Headquarters キャンプフィールド」に次いで2つめとなる、併設の有料温泉施設も話題です。「日帰り温泉施設」とストレートなネーミングのお風呂は、キャンプ場の利用者でなくても利用することができます。

「日帰り温泉施設」の営業時間は10:00〜21:00、20:30 最終入浴受付。料金は 大人(12歳以上)700円(消費税込、以下同)、小人(6〜12歳未満)350円、乳幼児(0〜5歳)無料となっています

 脱衣場から浴室に入ると高い天井から日差しが降りそそぐ、ゆったりとした浴槽の内湯が現れます。洗い場もゆとりがあり、シャンプーやリンス、ボディソープなどアメニティ類も充実しています。

 施設の担当者が「入って10秒で泉質の良さがわかります」と説明するお湯には、上南摩温泉から引かれた弱アルカリ性の源泉を使用。

 肌を滑らかにする効果が期待できることから、地元では「美肌の湯」と呼ばれているのだそうです。

 実際に入ってみたところ、優しい肌あたりが心地よく湯加減も熱すぎないのが好印象。10秒どころか、入った瞬間に肌の表面がトロリとした薄い膜でコーティングされたかのようにしっとりします。

 広々とした内湯&露天風呂だけでなく、セルフロウリュもできるサウナまで設置。外気浴スペースにはスノーピークのファニチャーが贅沢に設置されるなど極めて上質な温浴施設に仕上がっていました。

●地粉の手打ち蕎麦やこだわりコーヒーを味わう

 温泉でさっぱりしたら味わってほしいのが、蕎麦店「竜がい」の手打ちそば。「竜がい」は、蕎麦イベントに出店しては行列の絶えない、地元の同好会「上南摩そばネットワーク」が手がける初の実店舗です。

 日光連山の南麓に位置している鹿沼は、知る人ぞ知る在来種の蕎麦の名産地で、「東京から最も近い本格的なそばの郷」とも呼ばれているのだそう。

「上南摩そばネットワーク」の常務・金子友昭さんによると、「蕎麦はミツバチの受粉によって実ができますが、ミツバチの飛ぶ距離は短く他の地域との交雑が起こらない。谷に囲まれたここ上南摩の蕎麦粉の持つ独特の味わいが守られているんです」と、上南摩エリアの蕎麦の特徴を説明してくれました。

 蕎麦をいただくと滋味深いのどごしと、爽やかな味わいが楽しめました。市内には「鹿沼そば」を食べられるお店がたくさんあるそうなので、蕎麦の食べ歩きのため鹿沼を訪れるのも楽しそうです。

●完成前のダムの姿を目にできるチャンス!

 そして「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド & スパ」に訪れたら、ぜひ立ち寄ってほしいのが、建設中の南摩ダム。キャンプフィールドからおよそ3kmの距離にあり、ダムサイトの左岸に設けられた展望台からの眺めは壮観です。

 案内してくれた水資源機構の担当者によると、日本国内では非常に珍しい、CFRD(コンクリート表面遮水壁型ロックフィル)と呼ばれる形式を採用。同形式のダムとしては日本最大なのだそうです。

 完成は2025年3月の予定で、貯水が始まってしまえば二度と湖底を見ることはできないため、この景色はかなりレア。

「まちの駅 新・鹿沼宿」の案内所では、ダムを訪れた証明として写真を提示すればダムカードも手に入るので、ダム好きならずとも訪れたいスポットです。

●こだわりの詰まった美味しいものも

 今回のプレスツアーで出合った美味しいもののひとつが、キャンプフィールドからクルマで5分ほどの距離にある「AanaJaana(アーナ ジャーナ)」のスパイス料理。鹿沼出身の中山創さんと奥様が、野菜だけを使って生み出す南インド料理は必食です。

野菜の持ち味を生かした「AanaJaana(アーナ ジャーナ)」の「ベジターリー」(ドリンクセットで1800円)

 この日いただいた「ベジターリー」は、平皿に各種料理が盛り合わせになったインドの定食のようなもの。パクチーや米は中山さんご夫婦が育てたものだそうで、野菜の個性を上手に引き出した味わいが楽しめました。

「歴史の風情が残る宿場町と、キャンプが楽しめる豊かな自然との距離感が近いのが鹿沼の魅力かもしれませんね」と中山さん。クルマでも電車でも便利な鹿沼を、まずは日帰り旅行で楽しんではいかがでしょうか。