満員電車でのマナーについて、たびたび議論が起こります。大きく邪魔になりやすいスーツケース(キャリーバック)を持って乗車するときはどうしたらいいのでしょうか。
●満員電車にスーツケースはNG⁉「迷惑だ」「邪魔になる」
新型コロナウイルス感染症が、インフルエンザと同じ「5類」に緩和されて以降、観光客や出張などでスーツケースを持って満員電車に乗る人の様子を見かけることも増えてきました。
とりわけ外国人観光客の場合、複数人が大きなスーツケースを持っていて、広いスペースを占領していることもあります。
そもそも満員電車は、多くの人にとって息苦しい場所ですので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。
さて、満員電車でのスーツケース問題。鉄道会社の見解はどうなのでしょうか。スーツケースの車内への持ち込みについて、JR東日本の担当者は以下のように話します。
「スーツケースをお持ちのお客さまにおかれましては、ご乗車・ご降車の場面、ご乗車中の場面、駅構内をご移動中の場面などにおいて、他のお客さまに当たらないようにお気をつけいただくなど、譲り合いのお気持ちでご乗車いただければと考えております。
お客さま同士が快適に列車内、駅構内などでお過ごしいただけるよう、ご利用マナーの向上にお客さまのご協力をいただけますと幸いです」
満員電車ではスーツケースを持ち込むのには配慮が重要です。しかし、SNSではこれについて批判的な意見が多くあります。
「トラブルによる満員電車だったけど、たくさん人が降りる駅で腰を少し痛めた。入り口付近にいたキャリーバッグの人が頑なに降りずにせき止めてるのは危険すぎた。一度降りような…」
「満員電車にて、4人がけのボックス席に2人座って、残り2席にキャリーバック置くのってとってもマナー違反だと思う」
「これから満員電車になるって言うのにキャリーバックを椅子代わりにして座っている人いるが、それはマナーないと思うんだが」
●どうしてもスーツケースが必要…車内ではどうしたらいい?
それでも、どうしても車内にスーツケースを持ち込まなければいけない用事ができるかもしれません。そういったときの対応について下記のようなSNS投稿がありました。
「車内でのトランクケースの置き場は、3つ考えられるかなと思います。1つは迷惑かけるのは覚悟で、できるだけ開かないほうの扉と座席の間のスペースにキャリーバックを置き、自分は隣の座席に座るもしくは荷物と一緒に立つ。
2つはやはり朝の早い時間帯の空いてる電車に乗り、降車駅もしくは目的地近くの喫茶店で時間を潰す。3つはバスの直行便を利用する。(予約とかで)」
このように実は多くの配慮をして持ち込んでいる乗客もいるかもしれません。
しかし、そもそもが迷惑だというSNS投稿も多くありました。
![](https://vague.style/wp-content/uploads/2024/05/4842034_m.jpg)
「最近は、朝の通勤時間帯の満員電車に観光客がスーツケース持ってたくさん乗ってきて、ちょっと迷惑。団体でなく個人で来てるからだろうけど、観光バスとかで移動してほしいわ」
「満員電車でキャリーバッグまじで迷惑。なんで近いとこに3人もいるんだよ。邪魔だ」
満員電車でのスーツケースの問題は多くの人にとって重要な問題となります。
どれだけの人が乗車していたら「満員電車」になるのか、どの大きさのスーツケースなら問題ないのか、など明確に区切りをつけにくいからこそ、譲り合う気持ちでお互いにマナーを守る姿勢が必要なようです。
また、キャリーバックやスーツケースと同様に満員電車におけるベビーカーも迷惑になってしまっているのではないか、という意見もありました。
しかし、これに対し、「大きいスクールバックを持った部活動に勤しむ学生の荷物に対しても同じように主張するのか。なぜスーツケースやベビーカーだけひどく非難されるのか」と疑問視する声もあります。
「キャリーバックやベビーカーを持った人だって、満員電車に乗りたくないと思うよ。でも用事があるから、必要だから、乗っているのじゃないの?」というSNS投稿です。
そういった乗客が持ち込む荷物のサイズについて、明確にルールを定めている鉄道会社もあります。それは、関東地方の鉄道会社「西武鉄道」です。
西武鉄道では、公式サイトにて「縦・横・高さの3辺の合計が250cm以内、重量が30kg以内のものであれば、2個まで車内に持ち込むことができます。ただし、1辺の長さが200cmを超えるものは持ち込むことができません」と周知しています。
これは、車内での乗客同士の揉め事が起きることを防ぐためには重要な方策かもしれません。
可能な限り、混雑した電車に大きなものを持ち込まないように意識することも大切ですが、どうしても電車に乗る必要がある人もいることを念頭に置き、寛容に受け入れる姿勢も必要かもしれません。
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このように、電車内でのマナーの基準は人それぞれ違うため、たびたび議論が起こってしまいます。それぞれ違った事情を抱えているため、迷惑をかけないような心がけを持ちつつ、お互いに配慮し合う姿勢が求められるようです。