新ジャンルのラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE」が、これまでのビールの固定概念を覆すと話題になっています。一流レストランでしか飲めない高級ビールですが、いったい普通のビールとどう違うのでしょうか。そもそも、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

●高級店でビールを飲む文化を

 よく、仕事後のお疲れさまに、「グッと一杯」とビールを飲むことがあります。風呂上がりの熱った体や、スポーツ後のがんばりにも、ビールを喉に流し込む感覚は気分のいいものです。

 しかし、そんな日常ではなく、特別なシーンで飲む「ラグジュアリービール」という新ジャンルのビールが存在します。

 メゾン・ロココ株式会社は、2018年より、ラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE(ロココ トウキョウ ホワイト)」を販売しています。

 実はこのビール、コンビニやスーパーでは扱っておらず、手に入るのは星付きレストランのような一流店とオンラインショップのみ、真にラグジュアリーな体験をするビールなのです。

 価格は1本(330ml)あたり1320円(税込)という高額設定で、これまで慣れ親しんできたビールとは一味違います。

 富士山の伏流水で醸造するROCOCOは、フルーティーな香りとシルクのような舌触り、シャープな後味が特徴です。シャンパンのような華やかさとワインのような深みを合わせ持ち、その味わいを堪能するためには白ワイングラスが最適です。
 
 ROCOCOの風味について、メゾン・ロココ株式会社の担当者は次のように話します。

「高級レストランのシェフやソムリエからのフィードバックをしてもらい、『日本の高級レストランのシェフが探求した繊細な風味を引き立てながらも、圧倒しない程度に繊細なビールのレシピを作成すること』という明確な目的を持って、ROCOCO のレシピを設計しました」

 こうした上品な風味は繊細な料理を邪魔しません。そのため、発売初年度にして、東京のミシュラン星付きレストランの約半数以上で採用されたといいます。

 現在、ROCOCOを支持するのは飲食関係者だけでなく、ワインやシャンパン愛好家、今までビールを飲まなかった人もリピートしているといいます。また、プレゼント用にも購入されています。

 さらに、ラグジュアリービールという新コンセプトを立ち上げたのは、日本のビール習慣への挑戦でもあったようです。

 メゾン・ロココ株式会社の創業者は、国籍もバックグラウンドも異なる3人。ビールを開発するきっかけとなったのは、3人の会話のなかで、「なぜ、高級店でビールをオーダーするのが恥ずかしいのか」と気づいたことでした。

 ビールはカジュアルなもの、高級店では飲みたくなくてもワインやシャンパンを頼まなくては、と多くの人が思っていること。さらに、シェフやソムリエが納得するビールが流通していない現状に疑問を感じ、高級店でビールを頼む文化をつくるべくROCOCを開発したのです。

●ミニマリズム精神で作られた極上のビール

 ROCOCOを開発する際には、最高の食材を使い、不要なものを削ぎ落としたときに最高の風味が表現されることを、シェフやソムリエから学んだといいます。

 そして、この日本のものづくりにも通じるミニマリズム精神は、ROCOCOのこだわりになりました。

 使用する材料は、可能な限り最小限の良品と、富士山の自然浄化水のみを使用しています。また、無濾過、無殺菌であり、そのため非常に完成度の高い仕上がりに。

 1本1320円という価格は、こうしたROCOCOの美意識の現れともいえそうです。それでは、ユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。

箱も好評なラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE(ロココ トウキョウ ホワイト)」

 ROCOCOは繊細な味わいなので、「普通のビールと違う」「苦くない」「フルーティー」など、全体的においしさに驚く声が多いようです。なかには、「普段ビールを飲まないがおいしい」という人もいます。さらに、訪日中の観光客などからも好評とのこと。

 また、「一般ビールよりもはるかに深みがあるから提供した」という店舗オーナーの意見もみられます。ROCOCOからワインへ飲み変えてもスムーズなようです。

 さらに、ROCOCOのボトルは、白地に銀のドット模様が浮かぶラベルが印象的です。そのため、「ギフトやパーティーへ持っていくのに最適」という声もみられます。

 店舗を訪れた人からは、あまりに可愛いので花瓶として持ち帰りたい、とリクエストされることもあるようです。

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 現在、ROCOCOはシンガポールや台湾でも提供されています。日本のラグジュアリービールがどのように進化するのか、ROCOCOの今後の展開が期待されます。