JR東日本「大人の休日倶楽部パス(通称:オトキューパス)」の2024年度・第1回分が発売されました。連続する5日間、JR東日本、およびJR北海道の特急・新幹線や普通列車に乗り放題という企画商品ですが、どんな商品なのでしょうか。

人気の「大人の休日倶楽部パス」2024年度はどう変わった?

  JR東日本「大人の休日倶楽部パス」の2024年度の第1回が、5月20日に発売されました。

「大人の休日倶楽部パス」とは、同社が会員組織「大人の休日倶楽部」の会員(満50歳から64歳までの「大人の休日倶楽部 ミドル」および満65歳以上の「大人の休日倶楽部 ジパング」)向けに販売する、“乗り放題”の企画商品で、「東日本」「東日本・北海道」「北海道」の3タイプが用意されます。

「東日本」は、JR東日本のほか、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、伊豆急行線、富士急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津〜新井間)の特急、急行、快速、普通列車およびJR東日本のBRT(バス高速輸送システム)が利用範囲となります(北海道新幹線 新青森〜新函館北斗間、北陸新幹線 上越妙高〜敦賀間は利用不可)。

「東日本・北海道」は、「東日本」の範囲に、新青森以北の北海道新幹線を含むJR北海道全線が加わります(北陸新幹線 上越妙高〜敦賀間は利用不可)。

「北海道」は、JR北海道在来線全線の特急、急行、快速、普通列車の普通車自由席となります(北海道新幹線 新青森〜新函館北斗間は利用不可)。

 価格は「東日本 普通車」が1万9800円、「東日本・北海道 普通車」が2万7620円、「北海道 普通車」が1万8400円で、有効期限(乗り放題となる期間)は5日間です。

 この価格は、「東日本・北海道」、「北海道」は2023年度までと同じですが、「東日本」については、2023年度が1万5270円だったので、2024年度は「えきねっと」で購入する場合を考えると3530円の値上げという形になります。

 ただし有効期間が従来の4日から5日に伸びたため、1日あたりで換算すると2023年度までは3817円、2024年度は3760円となり、毎日フルで乗り放題したい人にとっては格安になった、という見方もできます。

 乗車できるのは原則として自由席ですが、あらかじめ指定を受ければ、普通車指定席が6回まで利用できます。

 取り扱いはJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、駅たびコンシェルジュ、JR北海道の主な駅のみどりの窓口のほか、JR東日本のインターネット予約サイト「えきねっと」です(「東日本」はJR北海道では未発売、「北海道」はJR東日本では未発売)。購入にあたっては、利用開始日の指定が必要です。

 販売は利用開始日の1か月前から前日までで、決済はクレジットカード「大人の休日倶楽部カード」限定となります。

 なお「えきねっと」で購入すると、それぞれ1000円引き(「東日本 普通車」1万8800円/「東日本・北海道 普通車」2万6620円/「北海道 普通車」1万7400円)になるほか、「えきねっと」限定で「グリーン車」も販売されます(「東日本」3万5000円/「東日本・北海道」5万円/「北海道」3万5000円)。「グリーン車」は、6回までグリーン車指定席、普通車指定席の利用が可能です。

東京−新青森を往復するだけでも1万円以上おトクになる

 では、大人の休日倶楽部パスを利用すると、どのくらい旅行費用の節約になるのでしょうか。

指定席は6回まで予約が可能。新幹線や特急だけでなく、観光列車も予約することができる。写真は酒田−新潟を走行する臨時快速列車「海里」

 たとえば東北新幹線 普通車で東京〜新青森を通常期に指定席で往復した場合を考えてみましょう。この区間を紙のきっぷで利用すると、運賃と指定席券の合計は3万3260円、「大人の休日倶楽部 ミドル会員」の5%割引でも3万1580円です。

 しかし「大人の休日倶楽部パス 東日本(普通車)」を「えきねっと」で購入すれば、1万8800円なので、ミドル会員と比べてもそれだけで1万2780円も安くなります。

 単純往復でもここまで安くなる上、途中下車しても、目的地周辺で観光地を巡っても、掘り放題の範囲内では追加の運賃や料金の支払いは不要なので、実際はさらにお得になるはずです。

「大人の休日倶楽部」には年会費(「ミドル」は初年度無料、翌年度から2624円、「ジパング」は初年度から4364円)がかかりますが、この差額があれば、年会費をカバーできます。

 まだ「大人の休日倶楽部」に入会していなくても、JR東日本やJR北海道の営業エリアを旅行する予定があり、年齢条件が該当するのであれば、あらたに入会し、「大人の休日倶楽部パス」を購入する価値は十分にあると考えていいでしょう。

大人の休日倶楽部パスは、「大人の休日倶楽部」の会員(満50歳から64歳までの「大人の休日倶楽部 ミドル」および満65歳以上の「大人の休日倶楽部 ジパング」)のみが購入できる企画商品だ

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 またJR東日本は、「大人の休日倶楽部パス」の利用を前提としたツアーも用意しています。

 このツアーを利用すれば、コースに応じた宿泊施設の手配のほか、駅から観光施設や景勝地までのバスが用意されるなど、自分で工程を組むよりも効率的な旅が楽しめます。

 なお「大人の休日倶楽部パス」は発売枚数が限定され、「東日本」「東日本・北海道」「北海道」の合計で、利用開始日ごとに普通車は3万枚、グリーン車は1000枚限定となっています。限定枚数に達した場合はその利用開始日分の発売を終了となります。

 今回の2024年度の第1回の発売期間は7月2日(火)までで、利用期間は6月20日(木)〜7月2日(火)となっています。

 第2回の発売は8月26日(月)〜10月3日(木)で利用期間は9月26日(木)〜10月8日、第3回の発売は12月16日(月)〜2025年1月23日(木)で利用期間は2025年1月16日(木)〜1月28日(火)です。

 今回の発売期間では休日の予定が合わない人、秋から冬にかけて訪ねたい観光地がある人は、こちらもぜひご検討ください。