2024年6月6日に日本で発表された新型「MINI ACEMAN(ミニ・エースマン)」。新型ミニ・カントリーマン、新型ミニ・クーパー3ドアに続く第3の新世代ミニですが、新型ミニ・エースマンはどんな特徴があるのでしょうか。そして今後、どのようなミニ・ラインナップが登場するのでしょうか。

新型ミニ・エースマンはミニ初の“EV専用”モデル

 新世代MINI(ミニ)の第3弾となるニューフェース「ミニ・エースマン」が、日本上陸を果たし、販売が開始されました。

 ミニ・エースマンという「エース」のネーミングは、新世代ミニにとって重要な存在であることを示しているといっても良いでしょう。

 新型ミニ・エースマンの歩みを振り返ると、2022年7月、新世代ミニ・デザインの方向性を示すコンセプトカー「ミニ・コンセプトエースマン」として初登場しました。

 このモデルはクラシックミニを本質と魅力を現代的にアレンジした新たなデザイン言語「カリスマティック・シンプリシティ」を体現したモデルとして紹介されました。BEV(電気自動車)を前提としたシティクロスオーバーモデルに仕上げられており、ミニらしさを備えながら、デジタルかつコミカルに仕上げられたエクステリアを構築。

 そのパッケージングは、SUVライクな「ミニ・クロスオーバー」やツーリングワゴン「ミニ・クラブマン」とも異なるスペース効率に優れたパッケージングを備えていました。

もっとも印象的だったが、新世代ミニに反映されることが明言させたシンプルなコクピットでしょう。有機ELを用いたセンターディスプレイとボタンを最小減としたダッシュボードデザインは、まさにクラシックミニの世界観でした。

 またサステナブル素材を積極的に使った個性的なトリムやインテリアのパターンにライティングシステムを活用するなど、時代の変化を前向きにデザインに取り入れた次世代MINIを提案しました。それらのアイデアは、すでに投入済みのSUV新型「ミニ・カントリーマン」や主力モデルであり、アイコンでもある新ハッチバック「ミニ・クーパー3ドア」で具現化され、我々を驚かせました。

 新型ミニ・エースマンは、新世代モデルとして先行した2車種の中間に収まる存在としてアピールされています。

 EV専用車であることを強みとしたロングホイールベース構造により、全長4080mmながら、ゆとりある後席スペースと実用的なラゲッジスペースを確保。

 さらに5ドアを持つ乗降性の良さに加え、全高を1515mmとしたことで、ミニ・カントリーマンでは収まらない全高1550mmまでの機械式駐車場にも収めることができます。

 とくに都市部では、SUVやミニバンなどの背の高い車種が増えているため、駐車場探しにも困りません。そのエクステリアも、新型ミニ・クーパー3ドアのような愛嬌を備えつつ、ギア感もあるため、SUVファンの心も掴みやすく、日本のミニ・ファンの心にも刺さりやすい存在といえるでしょう。

 また外部給電機能を備えたことで、EVとしての魅力が高まるだけでなく、政府や自治体からの補助金が他のミニよりも拡大されるというメリットもあります。

これから登場する“新世代ミニ”シリーズとは

 新型ミニ・エースマンを含め、新世代ミニ・シリーズの大きな3本柱が日本に投入された2024年は、すべてのミニ・ファミリーが刷新されるとになるといいます。

 今後は一体、どんなモデル展開が予想されるのでしょうか。

2024年6月に開催されたニュルブルクリンク24時間レースに登場した新型ミニJCW。正式な世界初公開は2024年秋の予定だ

 まず終売となったミニ・クラブマンですが、その受け皿となるニューモデルの情報は、現時点ではありません。

 このため、しばらくは新型ミニ・エースマンと新型ミニ・カントリーマンが担うことになりそうです。

 今後登場するミニの新型としては、2024年6月に開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースで、ハイパフォーマンスモデルである「ジョンクーパーワークス(JCW)」の3ドアハッチバックのプロトタイプが、お披露目されました。

 このJCWは、2024年10月に初公開され、EVとエンジン車のふたつが用意されるといいます。

 ただし、現時点で明らかになっているのはここまで。

 ただ現代ミニ・ラインアップで欠かせない存在となっているのが、胴長のダックスフントスタイルと後席ドアを持つ実用性で人気の高い「5ドアハッチバック」とファッション性の高さでも評価されるオープンカー「コンバーチブル」の2モデルです。

 これらの新世代モデルについての情報はありませんが、その人気の高さを鑑みれば、このまま消滅するとは考えにくいのも確か。JCW同様に、年内に新型の何らかの情報が明かされることを期待したいものです。

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 新型ミニ・エースマン発表会のために来日した、ミニ・インテリアデザイン責任者のセバスチャン・クリュスさんに、新世代ミニ・シリーズの差別化について尋ねてみました。

 クリュス氏は「エクステリアでは、新型ミニ・エースマンの直立したドアパネルは、他のミニ・シリーズとのデザイン差別化のひとつです。シンプルなデザインのインテリアでも、ボクシーなダッシュボードデザインとし、新型ミニ・クーパー3ドアよりも直立させています。また新MINIの特徴的なステアリングのストラップと合わせるように、ダッシュボードにもストラップデザインを配置しているのもエースマンだけ。またクールなトリムデザインも、ファンキーなキャラクターを良く表しています」と教えてくれた。

 クラシックミニを限定としたシンプルなインテリアが特徴的な新MINIシリーズですが、その背景には、オリジナルへのリスペクトに加え、サステナブルであること重視したクルマ作りにあるそう。

 そこで部品点数を削減したり、サステナブル素材を取り入れたりと、様々な取り組みを行っています。

 ただシンプルなものほどデザインや開発は難しいそうで、従来の2倍以上の時間が必要なケースもあるとのこと。ただミニのデザインチームは、アットホームな雰囲気で、チームワークも良いとのことです。

 日々、楽しいと思ってもらえるミニを作るために、皆が楽しみながら仕事をしていることを教えてくれました。