ステランティスジャパンは2024年5月21日、フィアットブランドの「フィアット500(チンクエチェント)」および「500C」の日本向け生産を同年5月に終了すると発表しました。国内での販売についてもディーラーの在庫がなくなり次第終了となります。

生産終了発表を受け、販売店への反響は?

 2024年5月21日、ステランティスジャパンは、フィアットブランドの「フィアット500(チンクエチェント)」および「500C」の日本向け生産を同年5月をもって終了することを発表しました。

 国内販売も在庫限りのみの販売となります。

 フィアット500はイタリアのカーブランド・フィアットの代表的モデルであるコンパクトカーです。

 キュートなフォルム、コンパクトゆえの運転のしやすさから、幅広いユーザーに親しまれています。映画にもしばしば登場することで知られています。

 フィアット500を名乗るモデルは各年代で3代展開されています。

 これは連続したモデルチェンジではなく、名称とブランドのフラッグシップたるコンパクトカーとしての位置付けを受け継ぐ形で生産終了と復活を繰り返した形になります。

 初代は第2次世界大戦の時期である1936年に発売された2人乗りモデルです。

 そして、1957年に復活した2代目は、「新型」を意味する「ヌォーヴァ」を名称に冠しています。モノコックボディで剛性を保ち、その車体の中に4座を確保しました。このモデルは高い人気を誇り、1975年までリリースされるロングセラーモデルとなりました。

1957年に登場した2代目フィアット「500」。ヌオーヴァ500と呼ばれる

 2代目の生産終了からしばらく経過し、その発売から50周年を迎えた2007年に世界に公開されたのが3代目となる現行モデルです。

 発表タイミングにも表れている通り、デザインでは2代目をモチーフとしています。

 また、2代目を踏襲したレトロなスタイリングの一方で、7つのエアバッグに加え、横滑りを制御するESC、車輪ロックによる滑走を低減するABSなどを標準装備しており、安全性に配慮した現行ならではのモデルです。

 2008年には日本でも発売されています。限定車・特別仕様車も展開し、国内で累計約13万台を販売するなど、日本でも馴染みのあるモデルとなりました。

販売店に寄せられている声とは

 そんなフィアット500ですが、ステランティスグループが掲げるグローバル戦略の柱である電動化の推進に伴い販売終了となります。

フィアット新型「500e」。EV専用モデルだ

 生産終了の発表を受け、販売店にはどのような反響があるのでしょうか。

 関東圏のフィアット販売店担当者は次のように話します。

 「フィアット500について、いくつか問い合わせがありました。

 フィアット500は以前から一定の人気がありました。需要の低下というよりかは排出権取引の関係で生産終了すると聞いています。

 また、2022年からはEVモデルである500Eも展開していますが、EVモデルがまだそこまで浸透しているわけではないため、ガソリンエンジンである500を選ぶ人が多かったです。

 500には乗り換えの際も継続して乗車される固定のお客様が多く、そういったお客様のなかには『次の車検が生産終了後となってしまう』という理由で駆け込み購入される人もいました。

 今後は、生産終了直前に生産されたものの入荷を最後に、在庫限りとなっております」

 また、関西圏のフィアット販売店担当者は、次のように話します。

「生産終了発表以前は問い合わせ多数の人気モデルというわけではありませんでしたが、ここ一ヶ月ほどは『最後だからこれを機に買おう』というお客様が多いです。

 駆け込みのお客様がいますが、当店ではどのグレードもまだ在庫はあります」

※ ※ ※

 生産終了ということで高い駆け込み需要が見込まれますが、そのなかにもさまざまな理由があるようです。

 在庫限りのため、購入は急いだ方が良いかもしれません。