高速道路を利用するドライバーの約95%が利用している自動料金収受サービスがETCです。多くの人が使っているETCですが、よりメリットを受けるためには「ETCマイレージサービス」への登録が必要になります。どんなサービスなのでしょうか。

ETCを使った分だけポイントが貯まり還元される

 原油などのエネルギー価格は、ウクライナ情勢、中東情勢の長期化を受け、高止まりを続けています。

 その一方で、外国為替相場における円安は、局所的には一進一退を繰り返しながらも着実に進行し、2024年6月26日にはおよそ37年半ぶりとなる「1ドル=160円台後半」の水準となりました。

 こうした外的要因、さらには国内の人手不足も影響したインフレで、諸物価は高騰を続けています。

 そんななか、カーライフの必需品であるガソリン価格は、170円台なかば(レギュラーガソリン1リットルあたり全国平均、以下同)でとどまっています。

 しかしこれは、2022年4月からの「燃料油価格激変緩和補助金」が適用されていることによるもので、いつまで続くのか不透明です。

 もし数度の延長が行われてきたこの制度がなくなれば、一気に200円超えが現実となり、クルマのオーナーの負担増は確実です。

 その打撃を少しでも和らげるためには、カーライフの他の部分での支出増を抑えるのが早道と言えるでしょう。

 その対応策で、ぜひおすすめしたいのが、ふだんどおりの使い方でも高速道路料金を大きく節約できる「ETCマイレージサービス」の利用です。

 このサービスは、ETC通行による高速道路の通行料金支払い額に応じポイントが付与され、そのポイントが一定数になると、通行料金として使える「還元額」に交換できるというものです。

 対象となる高速道路は「NEXCO東日本/中日本/西日本」「宮城県道路公社」「本州四国連絡高速道路」「愛知道路コンセッション」「神戸市道路公社」「広島高速道路公社」「福岡北九州高速道路公社」です。

 ポイントの付き方は各高速道路事業者によって異なり、また基本的に個別に集計されます。

 NEXCO各社および宮城県道路公社は10円につき1ポイントで、これら各社のポイントは合算されます。還元額への交換は「1000ポイント→500円分」「3000ポイント→2500円分」「5000ポイント→5000円分」となります。

 本州四国連絡高速道路もNEXCO各社等と同じく10円につき1ポイントで、還元額への交換も同等ですが、NEXCO各社等のポイントとは合算されません。

 愛知道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社は100円につき1ポイントで、還元額は「100ポイント→100円分」です。神戸市道路公社が50円につき3ポイントで、還元額は「200ポイント→100円分」となります。なおこれら各社については、利用金額に応じた「加算ポイント」も付与されます。

 ETCマイレージサービスによるポイントは走行の翌月20日に加算され、有効期限は「ポイントが付いた年度の翌年度末」(例:2024年7月に付いたポイントは、2026年3月末まで有効)となります。

30%〜50%相当額が還元される「平日朝夕割引」もETCマイレージサービスの登録が必須

 ポイントから還元額への交換手続きは、公式サイトの「マイページ」で、24時間365日可能です。

 またポイント残高が所定数に達すると還元額に自動交換する「自動還元サービス」も用意されています。たとえばNEXCO各社および宮城県道路公社の場合、5000ポイントが貯まった時点で5000円分の還元額に自動的に交換されます。

ETCマイレージサービスの概要

 ただし自動還元サービスを使った場合、ポイントの有効期限内に所定数に到達しないと、ポイントが交換されないまま失効する可能性があります。高速道路をあまり使わない人は、こまめにチェックし、必要に応じ手動で交換することをお勧めします。

 なおポイントの加算は前述のように事業者ごととなりますが、交換された還元額については、ポイントを貯めた事業者に関係なく、ETC通行による通行料金支払いに充てることができます。

 そしてこのETCマイレージサービスに連携し、「高速道路料金50%オフ」も夢ではない割引制度があります。それが「平日朝夕割引」です。

 この割引は、主にNEXCO各社等の地方部の高速道路や一部の有料道路を「平日6〜9時、17〜20時にETC通行」する回数に応じ、通行料金の一部を還元額として加算される制度です。

 還元額は、対象となる利用がひと月に5〜9回では通行料金の最大100km相当分の約30%が、10回以上であれば同じく約50%となります。

 高速道路を使ってクルマ通勤している人はもちろん、「9時前に高速に流入する」「17時以降に高速から流出する」という使い方でも割引の対象走行となるため、平日に高速道路を使い、クルマで出かけることが多い人であれば、割引対象となる可能性が高くなるのです。

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 このようにおトクなETCマイレージサービスですが、利用にあたっては、公式サイトで「住所氏名、メールアドレス、ナンバープレートの4桁、ETCカード番号、ETC車載器管理番号」などの事前登録が必要となります。

 平日朝夕割引も、ETCマイレージサービスへの登録で、対象走行が自動判定されるようになります。

 なおポイントはこのとき登録したETCカードに紐付いて加算されます。同じクルマで他のETCカードを利用した場合は、ポイント加算の対象外となるためご注意ください。

 逆に、いったん事前登録を済ませたETCカードであれば、家族が使うほかのクルマや、レンタカーでのETC通行に利用しても、ポイントは加算されます。

 家に複数台のクルマを持っている人、旅先でレンタカーを使うことが多い人は、同じETCカードを使ったほうが、より効率的にポイントを貯めることが可能です。

 高速道路料金をうまく節約し、カーライフを満喫しましょう。