万葉集にも記されるほど歴史ある名湯――大正から紡ぐ湯河原温泉が楽しめる老舗旅館「富士屋旅館」とは
VAGUE1/7(火)22:10

万葉集に詠まれるほど古い歴史を持つ湯河原の温泉を楽しめる富士屋旅館
神奈川の温泉地と言えば、箱根を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、名湯の地としてもうひとつ湯河原が挙げられます。そんな湯河原に大正から受け継がれている歴史的な温泉旅館があります。
●万葉集にも詠まれた名湯「湯河原温泉」
寒さが厳しくなり、温泉が体に染み渡る季節になりました。日本各地にはさまざまな温泉地がありますが、それぞれに特徴があります。
温泉地として有名な場所の1つに「湯河原温泉」がありますが、どのようなスポットなのでしょうか。
湯河原温泉のある神奈川県湯河原町は、山と海に囲まれているので自然豊かなだけでなく、年間を通して比較的温暖な気候が特徴です。
湯河原温泉一帯は万葉集に詠まれるなど、良質な温泉が湧き出る場所として中世の時代から武士や村民から利用されていたようです。
さらに昭和には、竹内栖鳳や安井曾太郎などの有名な画家や、夏目漱石や与謝野晶子、国木田独歩といった文化人が訪れる有名な静養地となりました。
昔から愛されている湯河原温泉の泉質は、弱アルカリ性で、幅広い効能があると言われ、切り傷、打撲、外傷をはじめ、神経痛や腰痛、婦人病などに効果があるとされています。
さらに、湯河原には様々な旅館があります。どれも歴史があり、情緒漂うものばかりです。
なかでも、大正から名湯を紡いできた「富士屋旅館」では、他とは違う非日常感を味わうことができます。
藤木川に架かる長橋を渡ると、広い敷地に楼閣や別館が立ち並び、四季折々の自然を感じられる富士屋旅館があります。
江戸時代から前身となる温泉宿があったと言われ、明治9年にはすでに温泉旅館を営んでいたという歴史の長い旅館です。
富士屋旅館には、「洛味荘」「新館」「旧館」の3つの建物があり、それぞれに異なった味わいのある客室が用意されています。
●大正から繋いできた富士屋旅館の客室
では、それぞれの情緒ある客室はどのような特徴があるのでしょうか。
まずは「洛味荘」です。全室和室のお部屋で定員2〜4名で利用できる、温泉檜風呂付き客室となっています。
旧館と渡り廊下でつながっているこの建物は、富士屋旅館の離れとして、静けさと落ち着きのある建物です。
昭和20年代に建てられたと言われている洛味荘は、かつて8室あったものを4室に改築したため、ゆったりとした造りを特徴としています。

次に檜風呂、シャワー付きの客室である「新館」があります。新館は和室と洋室のお部屋があり、 定員2〜4名で利用できます。
古き良き時代の日本のホテルをイメージした新館はどこか懐かしく、和洋折衷なレイアウトを残した建物です。
和のテイストを残した洋室が八部屋と、唯一当時のレイアウトを残した和室が2部屋あります。 和の雰囲気とホテル的な機能性を兼ね備えた建物です。
最後に「旧館」です。洛味荘と同じく、全室和室で定員2〜4名で利用でき、温泉檜風呂付きのお部屋です。
この建物は大正12年に建てられた二階建ての楼閣風建築で、富士屋旅館に現存する建物の中では最も古く、富士屋旅館のシンボルとなっています。
藤木川に沿って建てられた細身の建築は、建具に繊細な組子入り硝子戸を多用するなど、大正期の建築の特色をよく示しています。
関東大震災でもほぼ被害を受けなかった旧館は、近代和風建築を知るうえで貴重な遺構とされ、2019年に登録有形文化財に登録されました。
また富士屋旅館では、お食事処「瓢六亭」(ひょうろくてい)で、地魚やうなぎ、懐石料理を楽しむことができます。
瓢六亭では、「旅のよろこびはその土地の美味しさを味わうこと」というコンセプトのもとで、月替わりの懐石料理を用意しています。
最後に、実際に富士屋旅館に訪れたユーザーの声について、富士屋旅館の担当者は次のように話します。
「国内のお客様を中心に、たくさんの方にご利用していただき、リピーターも多数いらっしゃいます。ご家族での旅行はもちろん、一人旅やワーケーションの方も多く見受けられます。お客様からは湯河原の地魚や新鮮な食材を使用したお料理を特に褒めていただくことが多く、『湯河原独特の趣を感じることができる』と言っていただくことが多いです」
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富士屋旅館では、熱海や箱根とはまた違う湯河原ならではの非日常感が味わえます。歴史ある情緒深い風情を感じながら温泉を楽しんでみてはいかがでしょうか。











