秋はカーイベントの季節ですが、「コッパ・ディ東京」も毎年恒例の勤労感謝の日に開催され、120台ものクラシックカーが東京・汐留のイタリア街をスタートしました。その模様をレポートします。

過去最高の120台ものクラッシクカーが参加!

 日本国内では新型コロナウイルス禍にようやく、あるいは一時的にでも収束の兆しが見え始めた2021年の秋は、クラシックカーのイベントも一気に復活、ミーティングやラリー、あるいはサーキットイベントなど様々なジャンルのイベントが毎週末、日本国内のどこかで必ずおこなわれている感があった。

 今回はそんなイベントのなかから、2021年11月23日に東京・汐留のイタリア街をスタート&ゴール地点としておこなわれたラリー形式のクラシックカーイベント「第15回コッパ・ディ東京」のレポートをお届けしよう。

●2年ぶりのオリジナルスタイルで開催されたコッパ・ディ東京

 今世紀初頭に初めて開催され、今や首都圏在住のクラシックカー愛好家の間では勤労感謝の日の恒例となっている「コッパ・ディ東京」は、クラシックカーによるタイムラリーのシリーズ選手権である「コッパ・ジャッポーネ(Coppa Giappone)」に属するイベントである。

「コッパ(Coppa)」は、英語の「カップ(Cup)」と同義のイタリア語。日本語では「○○杯」を意味する。

 そして「コッパ・ジャッポーネ」シリーズは、今からちょうど30年前、1991年にスタートした「コッパ・ディ小海」に端を発するもので、現在では姉妹イベントとして「コッパ・ディ京都」や「コッパ・ディ姫路(隔年)」なども開催され、それぞれクラシックカー愛好家の間では高い評価を受けている。

 そんな中、関東地方においては唯一のシリーズ戦となる「コッパ・ディ東京」は、もともと「コッパ・ディ小海」のスピンオフ・イベント的な印象も感じられたのだが、やはりこの種のイベントに参加するエントラントの多くが在住する東京ないしは首都圏を起点とするラリーイベントということで、あっという間に人気が爆発。今では「小海」と並ぶ2本柱として認識されている。

汐留イタリア街のスタート会場には、立錐の余地もないほどに参加車両がひしめく

 ところが、2020年は新型コロナ禍の影響で「コッパ・ディ京都」は中止を余儀なくされたうえに、第30回を迎えるはずだった「コッパ・ディ小海」も延期。そんな厳しい社会情勢にあって、唯一「コッパ・ディ東京」のみは疫病退散の祈りを込めて開催されたものの、スタート/ゴール地点(東京・汐留イタリア街の汐留西公園)での「密」を避けねばならないという課題をクリアするため、参加車両を分散させられるように実施を2日に分け、11月22日を第13回、23日を第14回とするという、いささか変則的な開催形態をとらざるを得なかったという。

 しかし今年は4月に「コッパ・ディ小海」、6月に「コッパ・ディ京都」がなんとか開催に至ったのを経て、この11月「コッパ・ディ東京」も満を持してオリジナルのワンデーイベントに戻されての開催となったのだ。

「コッパ・ディ東京」の江戸観光ルートとは

 2009年に汐留イタリア街にスタート会場を移して以来、「コッパ・ディ東京」は年々人気を高めているのだが、とくに今回は昨2020年の変則的な開催スタイルから、このイベントのオリジナルの姿に戻ったこと、また、昨年以来のフラストレーションが放出されたかのように、参加車両はこれまでを大きく上回る約120台にのぼった。

一見ホンモノのフェラーリ「288GTO」に見えるが、実は「308」をベースに徹底的に作り込んだレプリカ車。なんとエンジンは288と同じく縦置きに変更している

●珠玉のクラシックカー120台による、洒脱な東京観光ツーリング

 当然ながら汐留西公園には収まりきらず、イタリア街周辺のコインパーキングなどでいったん待機するエントリー車両も多くなったものの、とても優秀なボランティアスタッフの誘導や、それにしっかり従うエントラントたちの意識の高さが、非常に印象的であった。

 また参加車両のレベルの高さ、あるいはバラエティの豊富さもこのイベントの大きな特徴。今年はとくに英国車がメインフィーチャーされ、先導グループおよび一般エントリー車両ともに希少なブリティッシュ・クラシックたちが、これも2年ぶりに入場できることになったギャラリーたちに見守られながら、続々とスタートしていった。

 しかし「コッパ」というイタリア語のイベント名を名乗ることからもわかるように、もともとこのクラシックカーラリーは、イタリア車の愛好家たちが中心となって生まれたもの。したがって、今回の参加車両においても「巨匠」こと堺正章氏のマセラティ「A6GCS」を筆頭に、珠玉のイタリア車たちの姿が数多く見られた。

 またシトロエン「SM」などのフランス車、今回の最大会派であるポルシェ勢や、メッサーシュミットKRに代表されるドイツ車、さらにはシボレー「コルベット」などのアメリカ車、360cc軽自動車も含む国産クラシックカーたちも数多く参加し、スタート会場や沿道のギャラリーを大いに喜ばせることになった。

風情たっぷりな柳橋の老舗つくだ煮屋に到着した、BMWイセッタとポルシェ「911」

 ところで「江戸」を感じさせる古き良き下町を中心としたコース設定でおなじみとなっている「コッパ・ディ東京」について、主催者側では競技性を少し緩めて、東京の名所を回遊するツーリング指向としているとのこと。また、走行するルートも毎回少しずつ変更しているそうだが、筆者が久しぶりに尋ねた今回は、汐留イタリア街をスタートした直後に、まずは最初のPC競技が待ち受けていた。

 そののち、最初のチェックポイントである「神田明神」でおはらいを受け、上野を経て浅草の「今戸神社」でおみくじを引くことになっていた。

 おみくじのあと、浅草から柳橋へと進行したエントラントは、ここで2度目となるPC競技に臨んだのち、老舗のつくだ煮屋「小松屋」のお土産が全参加車両に配布された。

 さらにこのゴージャスきわまりない車列は、両国橋を通過したのちに豊洲市場や「ガレーヂ伊太利屋」前を通過してお台場へと回り、レインボーブリッジを渡って芝浦から三田方面へと進んだ。

 そして例年ならば、ここから浜松町付近を通過して汐留イタリア街のゴールに戻るのだが、今回はさらに協賛社であるセレクトショップ「ヴァルカナイズ・ロンドン@ザ・プレイハウス」のある青山まで足を延ばしたことによって、全ルートは例年より10kmほど長い約45kmに及んだ。

 これらの東京名所は、首都圏在住者にとっては見慣れた光景であるのは間違いあるまい。しかし、素晴らしいクラシックカーとともに視野に入ると、この上ないほどに素敵なものと映ってしまう。

 汐留イタリア街から始まる、この洒脱な雰囲気こそが「コッパ・ディ東京」の真骨頂。至宝ともいうべき素晴らしいクラシックカーたちと、東京の景観が織りなす情景こそが、ギャラリーたちにとって、そして何より愛車とともに参加するエントラントたちにとって、このラリーイベントを特別なものとしている最高の理由と感じられたのである。

・コッパ・ディ東京
 https://www.coppa-di-tokyo.com/