新年早々3日間連続で、代官山にさまざまなシトロエンが集まりました。最終日に現地を取材したレポートをお届けします。

代官山に新旧シトロエンが集まった3日間

 シトロエン/プジョーの日本法人「Groupe PSA Japan」のシトロエン部門は、かねてから日本国内におけるファン向けのイベントをかなり積極的に展開している。

 2022年も明けたばかりの1月7日から10日まで、シトロエンは東京・代官山の「T-SITE」を会場に、大々的なイベント群を開催。「代官山蔦屋書店」の2号館と3号館に挟まれた「T-SITEメインストリート」に、日本仕様の新型「C4(ディーゼル)」と新型「Ë-C4(バッテリーEV)」の2台を展示したほか、新旧シトロエンのオーナーや愛好家とともに、シトロエンのマニアックで洒脱な世界観を共有することができたようだ。

●期間限定のシトロエン好きのガレージとは?

「ガラージュ・ド・シトロエン(Garage de Citroen)」と銘打った今回のイベントの目的は、新型「C4」および「Ë-C4」発売を機会に、同モデルの魅力とシトロエン・ブランドの今を、過去の名車も踏まえつつ体感してもらおうというものである。

 ちょっと風変わりなイベント名は、いわゆるガレージを「好きなモノやコトを詰め込める夢のスペース」と考え、ゲストに代官山T-SITEそのものを期間限定の「シトロエン好きのガレージ」として捉えてもらおうとしたことに由来しているとのこと。

 東京および近郊のクルマ好きにも人気の高いスポット「代官山 蔦屋書店」を舞台として、新型C4の車両展示にとどまらず、「モーニングクルーズ」やオリジナルグッズなどが詰め込まれた「ガラージュ・ド・シトロエン」を媒介として新旧モデルのオーナーやシトロエンに興味を持つファンたちすべてが一堂に交流し、もっとシトロエンやクルマを好きになってもらえるような場を創りたいという思いが結実したものというのだ。

 もちろん今回の主役は、この会場で日本初公開となったシトロエン新型「C4」および「Ë-C4」。長らくシトロエンの中核をなしてきた、Cセグメントハッチバックの系譜を受け継ぐモデルである。

 現在のシトロエンでは、同社のミドルサイズモデルは第二次大戦前の元祖「C4」を起源としている。また、戦後は「2CV」と「DS」という2大名車のギャップを埋めるべく開発された「アミ6」を端緒に、「GS/GSA」、「BX」、「ZX」、「エグザンティア」、「クサラ」、21世紀に復活した「C4」、そして「C4カクタス」など、それぞれの時代を代表するような個性派のモデルたちが継承されてきた。

 そこで今回の「ガラージュ・ド・シトロエン」では、初日にあたる7日の午後に、これらの歴代モデルを含めたクラシック&オールドシトロエンを、それぞれの熱心なオーナーの協力のもと、代官山T-SITE駐車場にて展示することになったという。

 また、これら歴代のモデルに息づくシトロエンの独創性と個性、そして快適な乗り心地に至るまで、新型C4およびË-C4にもしっかり受け継がれていることをアピールするために、イベント参加者を対象として、代官山周辺をコースとするテストドライブの機会も用意されたとのことである。

 加えて蔦屋書店の「クルマ・バイクコーナー」では、このイベント限定のシトロエン オリジナルグッズの販売もおこなわれたほか、シトロエンを愛しシトロエンをテーマとした数多くの作品を遺したイラストレーター、故・今村幸治郎氏による作品のミニギャラリーも展開された。

 そして、これらの様々な展示やアクティビティを通じて、来場者はシトロエンの洒脱な世界観を感じることができたのである。

イベント最終日に集まったエンスーなクルマとは

 2022年の新年早々、1月7日に開幕した「ガラージュ・ド・シトロエン(Garage de Citroen)」では、この日の午後におこなわれたオーナー車両展示とは別に、翌1月8日から代官山蔦屋書店の名物ミーティングイベント「代官山モーニングクルーズ」を、シトロエンをテーマとして3日間連続開催した。

モーニングクルーズ最終日の最古参、2台の「トラクシオン・アヴァン」

●代官山モーニングクルーズは、3日連続でシトロエンがテーマ!

「代官山モーニングクルーズ」は、毎月第2日曜日に代官山T-SITE駐車場でテーマを決めて、クルマが好きな方々が集まるミーティング系イベント。テーマやクルマの生産国やブランドなどのキッカリしたものから、ボディカラーや日本の元号による分類など、かなりザックリとしたものまで様々。朝7時から9時まで、とくに事前の申し込みもおこなっていないことから、東京近辺ではもっとも気楽に参加できるイベントとして大人気を博している。

 また、この会場にはそれぞれのテーマ車とそのオーナーだけではなく、クルマたちやオーナーとの語らいを目的としたギャラリーも多数来場し、クルマ好きの社交場ともなっている。

 そして今回、シトロエンをテーマとして3日連続という、これまでになかった形態でおこなわれた今年初のモーニングクルーズでは、まず初日の1月8日には新型C4/Ë-C4デビュー記念として、同モデルの直系の祖先となる元祖C4に端を発する、ミドルクラスのシトロエンとそのオーナーを対象に参加者を募った。

 とはいえ、さすがに日本国内に約90年前の元祖C4は皆無かそれに等しい状況なので、実際には1970年代以降のGSやBX、エグザンティアなどが集まったとのことである。

 一方、2日目の1月9日は、モデル名が「C」から始まるシトロエン、例えばC2やC3、C4、C4ピカソ、C5、C6など、あるいはC3エアクロス/C5エアクロスなど、現行ないしはちょっとだけ古いシトロエンが大集合。facebookなどのSNSなどを見ていたら、ひと世代前、ないしは現行モデルのシトロエンとそのファンたちが大挙して集結している楽しげな姿が、タイムラインに続々と流れてきた。

 そこで興味を抱いてしまった筆者が訪れたのは、イベント最終日にあたる10日(成人の日)の朝。モデル名が「C」以外から始まるすべてのシトロエン車を「モーニングクルーズ」の対象車両としたこの日は、旧くは第二次大戦をはさんだ1930−50年代に生産された「トラクシオン・アヴァン」が2台並んだのをはじめ、2CV6やDS21、アミ8など、わが国でも非常に人気の高い個性派クラシックモデルも数多く登場。また初日にも現れたGSやBX、1990年代のXMやAXなどが、T-SITE駐車場を続々と埋めていった。

 1月の朝ということもあって晴天ながらかなり寒かったものの、会場に設けられたテントでふるまわれる温かいコーヒーにも助けられ、短いながらも楽しいひとときを過ごすことができた。

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 2021年11月末に東京・下北沢で開催された「FêteCITROËN à Shimokitazawa −下北沢シトロエン祭−」でも同様の想いを抱いたのだが、ちょっとコアで、でもこよなくお洒落なシトロエンの世界観を、シトロエンを偏愛するエンスージアストと共有するという、今風にいえば「エクスペリエンス共有型」のPR手法は、とても楽しく秀逸なものと感じられる。

 それはシトロエンというブランドの本質が、日本においても受け入れられていることの、ひとつの証とも思われるのだ。