2024年6月6日(木)、東京ディズニーシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」が待望のオープンを迎える。それに先立ち開催されたプレスプレビューでは、テーマポートを構成する3つのエリアが公開され、アトラクションやレストランなどの施設もお披露目された。本記事でスポットを当てるのは、ディズニー映画「アナと雪の女王」をテーマとしたエリア「フローズンキングダム」。アトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」を体験し、筆者が感じた魅力とともに、レストランの内装や注目メニューも紹介しよう。

■感動もスリルも味わえる「アナとエルサのフローズンジャーニー」
「アナとエルサのフローズンジャーニー」はボートに乗り、ディズニー映画「アナと雪の女王」の物語を追体験できるアトラクションで、所要時間は約6分30秒。待機列も見どころ満載となっており、ゲストは「ファミリールーム」「温室」「プレイルーム」「図書室」と4つのエリアに分かれた施設内を進みながら、乗船場所へ。ボートに乗れば、心躍る冒険と“真実の愛”を描く同作の世界へと、一瞬にしていざなわれる。実際に体験した筆者が感じたのは、子どもから大人までみんなが楽しめる、総合的な満足度の高いアトラクションだということ。その魅力を、2つのポイントに分けて紹介したい。

1:最新技術と名曲が生み出す没入感
同アトラクションでは、プロジェクションマッピングとともに、オーディオアニマトロニクスと呼ばれる技術が、さまざまなシーンで活用されている。オーディオアニマトロニクスとはオーディオ、アニメーション、エレクトロニクスを組み合わせた造語で、簡単に説明すると、音楽や音声に合わせて人や動物などの人形がリアルに動く、ロボット技術のこと。ディズニーテーマパークでは、開園当初から同技術を取り入れてきたが、今回「アナとエルサのフローズンジャーニー」に乗船し、その進化を実感した。生き生きとした表情で歌い、話し、なめらかに動くキャラクターたち。そこにプロジェクションマッピングと名曲の数々が加わることで、物語の世界に入ったかのような没入感を味わえるのだ。

なかでも、エルサが「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」を歌いながら、手から放つ魔法で氷の宮殿をつくり上げていくシーンは、見応え満点。ほかにも、エルサの魔法がぶつかり凍ってしまったアナが、“真実の愛”によって元の姿に戻る感動的なシーンなど、次から次に見どころが押し寄せる。

2:身長制限なし!家族みんなで楽しめる程よいスリル
「アナとエルサのフローズンジャーニー」のボートは、前に後ろに予測不能な動きをし、約5回小さく落下する。あくまでも筆者の個人的な感覚だが、体がフワッと浮くような落下は一度もなく、東京ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」よりも小規模の落下が繰り返されるイメージだ。いきなり後ろ向きに落下したのは、筆者にとってうれしいサプライズだったが、絶叫系が苦手な人も乗りやすく、最後までドキドキワクワクできるちょうどよいスリルが、アトラクション全体に散りばめられていると感じた。

このように少しだけスリルがある「アナとエルサのフローズンジャーニー」だが、身長制限がないのも子連れのファミリーにとってうれしいポイント。また、映画のストーリーを知らない人も、ボートの動きを楽しみながら、自然と「アナと雪の女王」の世界に浸れるはずだ。

■アレンデール城の中で絶品パイ包みに舌鼓
「フローズンキングダム」にあるレストラン「アレンデール・ロイヤルバンケット」もぜひ訪れたいスポットのひとつ。同店は、アナとエルサが城の門を開けて、アレンデール王国の人々を祝宴に招待したという設定。ゲストはダイニングエリアとして開放された城の部屋で、食事を楽しむことができるのだ。店内は約570席を有する広々とした空間。屋内のダイニングエリアは主に「大広間」「肖像画ギャラリー」「図書室」の3つのスペースに分かれ、開放的なテラス席も完備されている。なかでも筆者のおすすめは、エルサの戴冠式のパーティーが行われた「大広間」。ここには、エルサになりきって写真が撮れる“王座の椅子”も置かれているので、訪れた際にはぜひチェックを!

食事メニューは、パイ包み焼きをメインに据え、前菜からデザートまで全5品がそろう「アレンデールロイヤルセット」(3500円)を提供。パイ包み焼きは、ビーフとシーフードの2種類から選択できる。今回筆者は、寒い地域の煮込み料理を参考に作られたという、ビーフのパイ包み焼きを試食してみた。ゴロゴロと入った牛肉は、トロッと柔らかな食感で、コク深く、奥行きのあるソースも絶品。フジッリと呼ばれるショートパスタの一種も入り、食べ応え満点だ。パイを崩して一緒に食べることで、よりリッチな味わいを楽しめる。

そのほかの前菜やデザートも、こだわりを感じる品ばかり。「スモークサーモントラウトとオレンジのサラダ」は、北欧でなじみ深いスモークサーモントラウトにレタス、ミニトマト、オレンジを合わせ、フルーティーなリンゴンベリー(コケモモ)ジャムとサワークリームのディップソースを添えた一品。その隣には、北欧の伝統的なポテト料理を参考にしつつ、トロールの谷のシーンを表現した「ポテトグラタン」が。こちらは緑色のパン粉のサクサクした食感が心地よく、ホクホクの丸いジャガイモがたっぷり入っていた。アレンデール城の鐘のシルエットが描かれた白いパンは、ふんわり柔らかくシンプルな味わい。パイ包み焼きのソースをつけて食べるのもおすすめだ。

そしてデザートは「オラフのマシュマロココアムース」。ふわふわのクリームがあしらわれたマシュマロ入りココアムースの上に、モチっとした大福のようなスイーツがトッピングされた「一度で二度おいしい」デザートだ。オラフが描かれた大福風のスイーツは、中にレモンクリームが入っており、甘味と酸味のバランスがいい点も好印象だった。

■新感覚のおいしさ「フッフーブレッド」とは?
なお、「フローズンキングダム」には小規模なフード店舗「オーケンのオーケーフード」もオープン。こちらは映画に登場するサウナ付きの山小屋の主人・オーケンが経営するカウンターサービスのレストランで、「オーケンのフッフーブレッド(カルダモン&ミート)」(850円)を提供する。オーケンの口グセ「フッフー」を名前に冠した遊び心あふれるブレッドは、味もとってもユニーク!リンゴンベリー(コケモモ)のジャムを合わせたミートフィリングに、カルダモンがアクセントを加える、新感覚の味わいを楽しめる。甘じょっぱく、フルーティーで、香りはほのかにエキゾチック。その複雑なハーモニーを、ぜひご堪能あれ!

取材・文=水野梨香

※ファンタジースプリングスへの入場および、ファンタジースプリングス内の対象アトラクションの利用には、東京ディズニーシーのパークチケットのほかに、対象アトラクションの「スタンバイパス」(無料)または「ディズニー・プレミアアクセス」(有料)の取得が必要となります。詳しくは、東京ディズニーリゾート・オフィシャルウェブサイトをご確認ください。

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