昭和を思わせる世界観を舞台に、子供時代の“あるある”を切り取った漫画『しなのんちのいくる』をSNSに投稿している漫画家の仲曽良ハミさん。「ノスタルジー系あるある漫画」とも言えるその作品をウォーカープラスで紹介したところ、「実家に帰りたくなった」や「懐かしさで涙が出た」と大反響があった。

この物語の主な登場人物は、生意気盛りの男の子「いくる」、高校生の姉「しなの」を中心に、その家族や個性豊かな友人たち。どこにでもいるような親しみあふれるキャラクターたちが繰り広げる、思わず「あった!あった!」と言いたくなる日常の1シーンを切り取り、ギャグタッチで描いていく。

今回は、その中から夏にぴったりな5作品をピックアップ。仲曽良さんの解説と共に、作品の魅力をご紹介!


■矛盾だらけの“ごっこ遊び”!「無抵抗」
子供時代の定番の遊びと言えば、「○○ごっこ」。憧れの誰かになりきって、仕草やセリフをマネして遊んだ人も多いはず。ある日、テレビドラマの刑事気分になったいくるが、突然お父さんを“ごっこ遊び”に付き合わせてしまう。

仲曽良さん自身も「ことあるごとに『手を挙げろ!』って叫んでいたような気がします。でもそれがどんな意味なのか、あんまりわかってないんですよね。結局、最後は撃っちゃいますから(笑)」と話す。子供らしい無邪気さが表現されている作品だ。

■海まで待てない!「水中セット」
子供にとって、夏休みの一大イベントと言えば海水浴。テンションが高くなり過ぎて、海水浴当日まで待つことができない人も多かったのでは?

「水中眼鏡は、買ってもらったそばから自宅のお風呂に持ち込んで遊んでました(笑)。ビーチボールや浮き輪も経験があります。何かしら持ち込まなかったら気がすまなかった時期がありましたね」特に学校のスクール水着を着用するシーンに共感する人が多かったとか。

■この飲み方がイケてたんです。「コーラ」
生活のいたるところに遊びを見つけるのは、子供ならでは。ジュースの王様・コーラの飲み方もその1つ。ぶんぶん振り回した後はさらに工夫して、まさかの飲み方でコーラを味わう!

「この飲み方は当時、すごく流行りました。それをやりたいがあまり、あんまり飲みたくなくても無理してコーラを買ってましたね」

■どの味が好きだった?「サクマドロップス」
いくるの大好物にもかかわらず、優しい言葉を添えてお父さんにそっと差し出した缶入りの飴。子供の優しさに感動しながらも、お父さんが飴を手に出してみると…。

「僕のなかでは、ハッカの味は“ハズレ”っていう認識でした。でも捨てるのは罪悪感があるので、父親に押し付けていました(笑)」作品投稿後、SNSでは「ハッカが好きだった」と声が多くて驚いたとか。

■子供にとって車の特等席とは?「助手席」
車に乗るとき、子供が我先に座ろうと必死だったのが助手席。この話に登場する姉弟も、お父さんに「いいかげんにしろ!」と一喝されるまで壮絶なバトルを繰り広げる。

「助手席は大好きなお父さんの横で、しかも景色もいい。あと、父親の隣に座るとなんだか大人になったみたいで、気分が良かったんですよ」と仲曽良さん。姉弟喧嘩にあきれたお父さんが繰り出した解決策にほっこり!

どの作品も描写が細かく、子供の頃の思い出が呼び起こされるものばかり。今後も、ノスタルジーな気分に浸れる作品に期待したい!

取材・文=橋本未来