昭和を思わせる世界観を舞台に、子供時代の“あるある”を切り取った漫画『しなのんちのいくる』をSNSに投稿している漫画家の仲曽良ハミさん(@nakasorahami)。「ノスタルジー系あるある漫画」とも言えるその作品をウォーカープラスで紹介したところ、「おバカで愛おしい」「懐かしすぎる!」と、大きな反響を得た。

この物語の主な登場人物は、生意気盛りの男の子「いくる」、中学生の姉「しなの」を中心に、その家族や個性豊かな友人たち。どこにでもいるような親しみあふれるキャラクターたちが繰り広げる、思わず「あった!あった!」と言いたくなる日常の1シーンを切り取り、ギャグタッチで描いていく。

今回は、子供時代の遊びに関するエピソードを中心に5作品をセレクト。仲曽良さんの解説と共に、作品の魅力をご紹介!


■懐かしの遊具に夢中!「フワフワでヘトヘトな空間」
デパートなどでよく見かけた、大きなビニール製の遊具。中はトランポリンのようにフワフワで、時を忘れるように遊んだ経験がある人も多いはず。

「エアー遊具って言うんでしょうか。当時、よく遊ばせてもらいました。中には特に何があるワケでもないんですが、ヘトヘトになるまで遊んでましたね。シンプルに暴れられるのがなぜか楽しかったんでしょう」と仲曽良さん。いくるも同じく「どれだけ暴れても怒られない」という気持ちで、思う存分暴れまくる!

■たまにはごはんが食べたい。「お母さんのパン祭り」
倹約に努めるお母さんは、「お得」や「無料」といった言葉に惹かれがち。この物語でも「パン祭り」で獲得できる景品のために、連日のように食パンが食卓に並ぶ。

「これは今でもやっているヤマザキパンのイベントです。母はやっぱり、何かをコツコツと集めて無料でもらえるものが大好きですよね」。あまりにも続く食パンの朝食。不満の声が漏れるいくるたちに共感!

■先輩風はこうやって吹かす!「カッコつけたい年頃」
子供の頃は誰もが「早く大人になりたい」「大人に見られたい」と強く思っていたはず。この作品に登場する2人も、年下の子を前にその思いが爆発。持てる身体能力のすべてを使い、大人の振る舞いを見せるが…?

「当時人気だった刑事ドラマの影響もあったと思います。軽快に飛び上がる柵越はもちろん、かっこいい走り方も研究していました」

■甲子園への道は険しい!「特訓ごっこ」
戦隊ヒーローやアニメの主人公ばかりではなく、ごっこ遊びのバリエーションは豊富。たくましい想像力を駆使して子供たちが熱心になっていたのが、甲子園を目指す監督と選手による「特訓ごっこ」。

厳しく檄を飛ばす監督と、それに耐える選手が織りなす遊びは思いもよらない展開に。「ごっこ遊びの中では、師弟関係の設定も多かったように思います。師匠役は威張れるので、どうも気持ちが良かったですね(笑)」

■美しき兄妹愛!「お兄ちゃんの焼き鳥」
仲曽良さんの作品では珍しく、「いくる」や「しなの」がほとんど登場しない物語。なかなか繁盛しない焼き鳥屋を営む兄を懸命に励ます妹の姿がなんとも愛おしい!

「『しなのんちのいくる』は創作なのですが、町全体を描いていきたいので脇役たちの生活もピックアップしてみました。絶妙にしなのやいくると繋がっている様子がうまく描けたので、満足しています」

子供時代の無邪気さがあふれたエピソードの数々。次はどんな作品でノスタルジーな気持ちにさせてくれるのか、乞うご期待!

取材・文=橋本未来