残業、休日出勤、上司のパワハラ、充実したキャリアを送る知り合いとの比較……。サラリーマンの悲哀をユーモアを交えて描いた4コマ漫画『100日後に会社を辞めるサラリーマン』が話題だ。作者の空乃亞さめさん(@a_sa_me)が自身のTwitterにてほぼ毎日のペースで発表した作品で、最終日の投稿には4.2万件のいいねとともに、「スカッとしました」「絶妙なリアルさ加減」と多くのコメントが寄せられている。

定時間際に納期が今日までの仕事を積まれるような会社に勤めるサラリーマンが主人公の同作。「上司が出張で不在だと機嫌がいい」「いつの間にか新人の教育係に」「上司のミスで自分が取引先に謝罪」といった、思わず共感してしまうエピソードの中で、じわじわと、しかし確実に心がすり減っていく主人公の毎日を描いている。ある日拾った捨て猫や仲のいい同僚の存在など、癒やしの場面もちりばめられているものの、タイトルで“会社を辞める”と明言されていることもあり、連載中は「無事に辞められるのか」を心配するコメントもつくなど、結末をハラハラと見守る読者の声も見られた。

ブラック企業あるあるを描いたLINEスタンプ「労働者のスタンプ」など、これまでにも理不尽なサラリーマン生活を戯画化してきた空乃亞さめさん。完結を迎え、本作を描き始めたきっかけやこだわったポイントについて話を聞いた。

■「ブラック企業あるある」と「ヒューマンドラマ」で100日間のバランスを

――『100日後に会社を辞めるサラリーマン』を描き始めたきっかけを教えてください。

「100日間1話ずつ更新する形式の漫画がTwitterで投稿され始めた頃から、面白そうだなと思っていくつか構想を練っていました。元々ブラック企業系のネタを描いていたので、やるならサラリーマンの話かなと考えていました」

――漫画的でありながら「あるある」と思ってしまうブラック企業エピソードを描かれていますが、アイデアはどんなところから生まれているのでしょうか。

「実体験であったり、自分と同じような環境で働いている知り合いとの会話でブラックあるあるが生まれたりしていました」

――本作ではブラックなネタとともにほのぼのした話でバランスが取られている印象を受けました。こうしたバランス感覚は意識されたところでしょうか。

「せっかくの休日に読んでいる人がしんどくならないように、土日の話はなるべくゆるい雰囲気になるようにしました」

――本作を描く上で気を付けた点やこだわったところがあれば教えてください。

「『ブラック企業あるある100連発』みたいな感じだと読む側も疲れるかと考え、『ヒューマンドラマ』を意識して描きました。逆にブラック企業ネタを求めていた人にはちょっと物足りないかもしれませんね」

――中盤からは結末までやきもきする展開が続きますが、結末は固めた上で描かれたのでしょうか。

「ネーム(原稿の下書き)は連載前にオチまでまとめてバーッっと描いて、後は連載中に作画するという感じで制作しました。終わり方は最初から決めていました」

――制作中に思いついて取り入れたネタや要素はありましたか?

「取り入れるというより、たとえば『ソッルトくん』の名前だったり、『この表現は危ういな』と思って削ったり変更したりはしましたね」

――最終日の投稿では4.2万件のいいねが寄せられるなど反響を呼んでいます。完結のタイミングで、作者からの感想があれば教えてください。

「PCが故障するなどのトラブルもありましたが、無事に連載することができて良かったです。また、最終日でここまでバズるのは予想していなかったので、RT、いいね、リプライしてくださった方々本当にありがとうございました」

――今後、創作活動での目標ややってみたいことがあれば教えてください。

「今後もTwitterで新しい物語を投稿する計画を立てていますので、始まった際にはぜひともよろしくお願いします」

本作は空乃亞さめさんのTwitterや、pixivアカウントで読むことができる。なお、本作の印象的なシーンを盛り込んだLINEスタンプ「会社を辞めるサラリーマン」や、登場人物が着ているデザインのTシャツも発売中。本作が気になった人は合わせてチェックしよう。


取材協力:空乃亞さめさん(@a_sa_me)