毎週必ずフルーツタルトを1つだけ買い求めるおじさん。なんとなく気になっていた店員が軽い気持ちで起こした行動から生まれた交流を描いた漫画がTwitterに投稿され、話題を呼んでいる。

作者は『そらいろフラッター』や『うちの息子はたぶんゲイ』などの作品で知られる漫画家のおくら(@okura_yp)さん。10月6日に自身のTwitterにて公開した『ケーキ屋バイトの青年とお客の中年おじさんがささやかに交流する漫画』が13.5万件を超えるいいねを集めている。

■「フルーツタルトひとつ」不愛想なおじさんと店員のふとした交流に涙
洋菓子店のアルバイトをしている稲田くんは、フルーツタルトを1つだけ買っていく中年男性客と出会う。毎週金曜日の閉店間際に決まって訪れるというその客が気になった稲田くんは、「お客さんこのケーキ好きなんっすね」と声をかける。けれど、返ってきたのは「いや おれは別に」の一言のみ。

その不愛想な姿に反感を持ってしまった稲田くんは、次の金曜日、1個だけ残っていたフルーツタルトを自分で購入し、いつもの男性に「今日フルーツタルト売り切れなんです」と伝えてしまう。

軽いいたずら心で起こした行動だったが、彼女にはたしなめられ、その後男性がぱったりと来なくなったこともあり後味の悪さを感じていた稲田くん。そんなある日、街で男性を見かけ、思わずなぜフルーツタルトを買いに来なくなったのかと声をかける。すると男性はほほ笑みを浮かべながら、フルーツタルトを買っていた理由を明かすのだった――。

1つのケーキから生まれた何もなければ交わることのない2人のささやかな交流を描いた作品。ユーザーからは「感動しました」「泣いちゃった」と多くの反響が寄せられた。

作者のおくらさんが以前、別名義でとある商業誌に読み切りとして掲載した漫画だという本作。おくらさんは今回の反響について、「地味でこじんまりとしたお話なので、まさかこんなにもたくさんの反応をいただけるとは思っていませんでした」と話す。

「たくさんの方に読んでもらえるのは嬉しい反面、緊張もします。漫画を読んで、どんなことでも、なにか一つでも、思うことがあったり考えたりしてもらえたなら、この漫画を描いた意味があったのかなと思います。これからも丁寧に作品を作ることを心掛けていきたいです」(おくらさん)



取材協力:おくら(@okura_yp)さん