大学生時代に体験した、怖すぎるストーカーのエピソード『扉の向こうに誰かいる。』を皮切りに、人間不信に陥ってしまいそうなママ友とのやりとりを描いた『その人って本当に、ママ友ですか?』などで話題のちなきち(@chinakichi72)さん。

Instagramやブログで、自身や友人の体験談を漫画で配信しており、現在連載中の『僕と帰ってこない妻』では、“できているつもり”の旦那とそれにモヤモヤしながら毎日を過ごす主人公の日常が描かれているのだが「このイラっと感…めっちゃわかる!」と多くの“ママ”たちから共感を得ている。

なかでも、自身のSNSから配信された『扉の向こうに誰かいる。』は大きな注目を浴び、その後の作品はどれも“刺さる”と多くの反響が寄せられている。

今回は、そんなちなきちさんに投稿のきっかけや作品について話を聞いた。

――インスタでの投稿をはじめられたきっかけ、その理由を教えていただけますか?

「イラストの練習の場になればと思ったのがきっかけです。昔から『絵を描けるようになりたい』という気持ちが強かったのですが、練習しようにも毎回三日坊主で終わり、まともに描けたことがありませんでした。そのことを夫に話したところ『誰かに見てもらえる環境なら続くのではないか』とアドバイスをもらい、SNSに投稿することを決めました。

投稿の場をInstagramにしたのは、Twitterと違って『絵日記』を投稿している方が多かったからです。皆さん家事育児の合間に楽しみながら投稿されていて、ここであれば私も楽しみながら絵を描くことができるのではないかと思いました」

――ご執筆された作品のなかで、特に思い入れのある作品やシーンを教えてください。

「『扉の向こうに誰かいる。』は初めて“バズった”作品だったため、とても印象に残っています。『こんなにたくさんの人に読んでもらえるのか』と驚きました。


つらい経験でしたが、漫画にして“エンタメコンテンツ”として形にできて、みなさんに観ていただくことができましたし、作品をきっかけに多くの方に『ちなきち』を知っていただけたので、今ではその経験自体も自分なりに消化して、前向きに捉えられるようになりました」


――執筆される際、こだわっているポイントや込められている思いを教えてください。

「実体験を元にしていると『独白(登場人物が一人で話すシーン)』が多くなりがちなのですが、臨場感を出すために、なるべく独白やモノローグは少なくなるよう意識しています。

また、各話ごとに何かしらの展開や落としどころを作ること、電車の中など隙間時間に読まれることを意識して『わかりやすさ』や『伝わりやすさ』も意識して描いています」

――特に大きな反響があったエピソードや印象的だったコメントを教えてください。

「『扉の向こうに誰かいる』が“バズった”時はその反響の大きさに驚きました。絵も描き始めたばかりで、自分的には正直見るに堪えない出来なのですが、多くの人に見てもらえてうれしかったですね。当時のInstagramは『子育て絵日記』や『惚気漫画』のジャンルが多かったので、ホラー系の漫画に目新しさがあったのではないかと思います。今でも思い出すとゾッとする思い出ですが、同じような経験をした方からの体験談もたくさん共有いただけたことも、うまく自分のなかで消化できた理由の一つのような気がしています」

――作品をどんな方に観てもらいたいですか?

「育児に追われる主婦の方や、お仕事が忙しくて漫画をじっくり読めない方に読んでいただきたいです。ネット上にはクオリティの高い漫画があふれていますが、疲れていたり、忙しかったりすると、なかなかじっくり漫画を読むことができないという方も多いと思います。私の漫画はセリフが少なく、毎日1分ほどで読むことが出来るので、そういった方の気分転換の一つになれればいいなと思っています」

――記事を読む方に向けて、メッセージをお願いいたします。

「モヤモヤしたり、イラっとしたり、ゾッとしたりと、癖のある漫画にも関わらず、こんなにも沢山の方に読んでいただけることが本当に夢のようです。これからもジャンル問わずいろんな漫画を描いていければと思っていますので、お付き合いいただければ嬉しいです」

ちなきちさんのこだわり通り、1話ずつが短いのでちょっとした休憩や移動の時間に読むにもぴったり。ただし中毒性が強いので、一度読み始めると最後まで読みたくなってしまうかも!?ホラーや子育て、家族のエピソードなど幅広いジャンルの漫画を通じて展開される“ちなきちワールド”をあなたもぜひ体感してみて!

取材協力:ちなきち(@chinakichi72)