「オカルト研は存在しない!!」(※最新2巻2022年1月28日発売)は、「ヤングアニマルZERO」(白泉社)で連載中の学園モノのギャグ漫画。オカルトに百合(女性同士の恋愛)、下ネタという要素を詰め込み、「令和で一番ひどい作品」「予測不能の純度100%クソ百合漫画」という煽り文句までつけられた、ある意味での衝撃作だ。

ウォーカープラス編集部では今回、かわいいイラストで過激な変態ギャグを繰り出す作者の河原井優貴さんに、本作の誕生秘話を聞いた。



■不安が多いコロナ禍で、少しでも笑ってもらえる作品に
――まず、どうしてオカルトギャグ漫画を描こうと思われたのですか?

【河原井優貴】私自身がすごく落ち込みやすい性格なのですが、新型コロナウイルスが流行り始めてから不安な日々が続いて、ちょっとでも明るい漫画を描いたら自分もラクになるかな、と思ったのがきっかけですね。自分自身もそうですし、読んでくれる人にとっても、少しでも笑ってもらえる機会が増えたらいいなと。

――そういう経緯でギャグ漫画を連載されることになったのですね。これまでもギャグはやられていたんですか?

【河原井優貴】読み切りを2回載せてもらったことがあるのですが、それはギャグとは遠い、アクション系の作品でした。なので、ギャグ漫画というのは今回初めて描かせてもらっています。

■夜が明けるまでネットを読み漁るほどのオカルト好き
――“オカルト研”とタイトルにあるように、学園モノかつ学校の七不思議や都市伝説などが作品のベースになっていますが、そういうものはもともとお好きだったんですか?

【河原井優貴】ものすごく大好きなんですよ!

――Wikipediaで未解決事件などを読み始めたら、気付けば夜が明けている…とか。

【河原井優貴】そうそう、読み漁ってる!ギャグ漫画を描くことになって、なにか好きなものと組み合わせたいと思ったんです。それで真っ先に出てきた案がオカルトでした。なので、この作品の根本には、今までに読んできたオカルト系の話や、記事に影響を受けている部分も結構あると思います。

――本作はお尻や脚を舐めようとする描写があるなど、ギャグの方向性が下ネタ寄りで、かなり攻めていると思ったのですが。

【河原井優貴】実は私はビビりなので、「過激であればあるほどいいんじゃないか」という編集担当さんの言葉に背中を押してもらっています。でも、アウトな一線を踏み越えていたらストップをかけてくれるだろうから、それまでは好きに走ってみようと思うようになりました。真顔で描きながらも心の中では「やったれ!やったれ!」って感じで、かなり楽しんでいますね。普段、人前で下ネタを言ったりしないので、対人関係で出さない内面を作品の中で発散しちゃってるような気がします(笑)。

■男子キャラを登場させた理由は「自分でもわからない」
――そんな過激なギャグに負けない、個性的なキャラクターも印象的です。オカルト好きでオカルト研のためには手段を選ばない部長(物部かおる)が変人かと思いきや、読み進めていくと、常識人に見えていた主人公の矢内このかがむしろド変態だったという…。さらに、このかに恋心を抱く豊田なつおも登場して、カオスなラブコメ模様も描かれますが、百合を含む三角関係という設定は、最初から決められていたんですか?

【河原井優貴】いえ、本当はずっと女の子ばかりを出す予定だったんです。担当さんから「男性キャラを入れたらいいんじゃないか」とアドバイスをもらって描いたと思っていたのですが、ネームを見たら知らぬ間にいたと言われて…。なんで入れたのか、自分でもわからないんですよね(笑)。

――それはまさかの回答です…!作中同様に、かわいそうな豊田…。

【河原井優貴】そうですよね。本当に彼はかわいそうな役回りで(笑)。でも、確かユニセックスに読める青春群像モノなら、男女いろいろいた方がいい、というアドバイスをもらったような気がします。

――下ネタやキャラクターに対して、読者からの反応はいかがですか?

【河原井優貴】ある意味で予想外だったのは、それこそ「なんだこの漫画!」ってボコボコにされるんじゃないかって、ちょっと思ってたんです。でも、そんなことはなくて。百合が好きな方にも読んでいただいていたり、そういう人からも豊田が案外受け入れられたりするので、「あ、大丈夫なんだ。ちゃんと百合の部分を描けているのかな」という安心感に繋がりました。

――豊田がかわいそうなキャラだから、あまり二人を邪魔している感じがしないのかもしれないですね(笑)。