幸せに暮らしていた一家の母親が突然がんに。これからどうする?その時家族は?「がんサバイバー」という言葉もあるように、がんと闘病・共存しながら日常を送る生き方が注目されている。そんな中、自らのがんとの闘病や家族との触れ合いを漫画「鼻腔ガンになった話」に描き、Instagramでアップして反響を呼んだのが、やよいかめさん(@yayoi_kame)。そのリメイク版を描いていく。

やよいかめさんは夫と子供2人の4人家族。ある日、夫の転勤が急に決まった。気に入っていた岩手の生活から離れるストレス、引っ越しのバタバタ…。その中で、風邪のあとなかなか治らない鼻詰まりの症状が気になっていく。「長引くなぁ」と不審に思いつつも、忙しかったこともあり病院にも行かず、市販の薬でやり過ごしていた。

いつもの薬が効かない。眠れないため睡眠薬が必要なほどの症状になり、ついに病院へ向かった。

2回目の診察で早くも鼻の手術を言い渡される。大きな病院でないと施術できないため転院。嫌な予感が。

手術前に鼻の組織を採取して精密検査。その結果はがんだった。

■大したことがなくても、とにかく早めに病院に行った方がいい
引っ越しなどで多忙だったため、病院に行かず薬でごまかそうとしていたが…。初診からがん告知まではあっという間だった。「最初に近所の耳鼻科に行ってから、告知されるまでおよそ2週間でした。最初に耳鼻科で薬を処方され服用。1週間後再び通院。2回目の通院の時、紹介状を書いてもらって翌日大きい病院へ転院。そこで組織を採って検査し、5日後に結果を聞きに行ったらがんを告知されました」

やよいかめさんは、がんについていろいろ調べるうち、「早めに病院に行き炎症を抑える薬を処方してもらえば、ガン化を防ぐことができたのではないか」と思うようになったという。発見時はステージ1だったため、早めに分かってよかったと言われることも多いが、「それでもがんを経験した後は、早めに病院へ行くようになりました。最初は『こんな大したことない症状で来て!』と怒られるかと思ったんですが、『以前がんを経験したので、転移が怖いんです』と言うと、どの先生も深く突っ込んでは来ませんでした」

鼻茸を取るのは当然初体験。「先生から『ノミとトンカチを使って患部を削り取る』と言われた時点で恐怖しか感じませんでしたが、一方でどんな道具を使って取るのか、かなり興味もありました。『そもそも、ノミとトンカチが私の鼻の中に入るの?』という疑問もあったので」。だが、採取した2回とも先生に目をつぶって上を向くよう指示され、残念ながらまったく見えなかった。「ノミとトンカチで“カーン”とやられた後はめちゃくちゃ痛かったです。しばらく止血してから、よろよろと帰宅しました」

恐怖を感じる場面でもあるが、お医者さんのキャラクターを細かく描写しているところがある。余裕はあったのだろうか。「その人の持っている雰囲気とか印象的な仕草とか、結構”絵”で記憶していることが多いですね。病院の先生は何回も顔を合わせるため、その中で先生の人となりが伝わってくることも多く、私の気持ちの移り変わりがキャラクターにも反映されている気がします。例えば、今後の話で登場する主治医のK先生は、初対面の時は気難しくて怖そうと思ったんですが、やがてお茶目な優しい人だということが分かって、漫画の中でもかわいらしくなってきています」

がんを宣告されたやよいかめさん。家族への告知や入院の手続きなど難題が次々と…。どのように対処していくのだろうか。

取材・文=折笠隆