子供のころから文字や絵で補足しながら会話を楽しみ、やがて伝えたいことを頭の中で反芻するうちにそれを漫画として描くようになったという、キタハタエミ(@emi_kitahata)さん。Instagramやpixivにて、エッセイ漫画などを公開している。

今回は、キタハタエミさんが2019年から投稿している「夫のみた幽霊」シリーズから、「病院のベンチの感情の名残り」を紹介。ある夜、キタハタエミさんが自転車に乗っていると“何もないところで”転んでしまったところから物語は始まる…。

心配した通りすがりの人に声をかけられ、とっさに「大丈夫です」と返したものの、肩がズキズキと痛んで仕方がない。帰宅後、夫の提案で救急センターへ行くのだが、あいにく担当科の先生が不在のため、別の病院へ向かうことに。

別の病院に到着してキタハタエミさんの診察を待つ間に、夫は院内の手すりをつかんだ瞬間、“人生の走馬灯のような、無機物に染みつく感情の名残り”を感受してしまう。夫がそのことをキタハタエミさんに話したのは、病院に行った日から数カ月後のことだった。

“感情の名残り”の話を受け、これまで自分の持ち物にずいぶん救われてきたような気がする作者。持ち主と持ち物の関係について考えているところへ夫が帰宅した。玄関で塩をまく夫に「どうしたの?」と聞くと、「大丈夫、ついてきてないから」と一言。さらに問いただすと、「嫌なものを見てしまった」というのだが…。「それってどこ?」と詳しい場所を聞いてみると「あなたが自転車で転んだ交差点だよ」と…!!

少し背筋がゾワッとするオチで幕を閉じる本作。夫が院内で見た“手すりの記憶”と、帰宅時に交差点で見たものとはいったい…!?

気が付いていないだけで、“感情の名残り”は意外と私たちの身近にも存在しているのかもしれない。

画像提供:キタハタエミ(@emi_kitahata)