あの人に任せておけば「なんとかしてくれる」「大丈夫」と、上司や周囲からの信頼が厚く、その期待に応えようと人一倍頑張ってしまう器用貧乏な性格。仕事は正確で休日出勤するほど責任感もあり、体調が悪くてもなんとか頑張ってしまう、そんなマジメな主人公を描いたあきばさやか(@akiba_sayaka)さんの「我慢ばかりの女性と、不思議な博物館」を紹介しよう。

■どがつくほど真面目な主人公は仕事三昧
編集部で校了を迎える主人公のハヤシ。とはいえ、締め切りから2日遅れの「本当の本当の校了」になんとか原稿を戻すことができた。

仕事の負担が大きすぎて、上司に「人を増やしてほしい」と懇願するも「ハヤシさんならなんとかできちゃうじゃん」と言われてしまう。周囲から信頼されるのは嬉しいけれど、放っておけばやってくれる責任感を買われているようでイマイチ納得できない。

四六時中、仕事に追われて余暇を楽しめないでいるハヤシ。仕事のスタイルも定番化し、おしゃれよりも効率を重視。真面目すぎる自分の性格にもモヤモヤし始め、ふと「仕事辞めたい」の本音が口から溢れた。

翌日、編集長に言われて取得した代休。通りがかりに見かけた博物館に足を運んでみると、そこで不思議な恐竜と遭遇する。展示物の恐竜からのメッセージが、疲れたハヤシの心に響いた。

夢かまぼろしか。恐竜の言葉に背中を押され、編集長からかかってきた電話にハヤシは退職の意向を伝える。

■自分のために生きてほしいというメッセージ
本作は、24時間闘い続ける頑張りすぎな人に向けたメッセージ性のある作品だ。がんばらなきゃと踏ん張っている現代社会の人々に「人生とは何か?」「楽しさとは何か?」を伝えてくれる。今回は作者のあきばさんにも、本作について話を伺った。

――仕事に追われている人・頑張りすぎちゃう人に自分のことのようで「刺さる!」との声がたくさん届いています。どのように感じていますか?

共感いただけたり、なにか感じていただけたなら、とっても嬉しいです!

――あきばさんも同じような経験があったんですか?

私はどちらかというと好き放題自分のやりたいことをやってきたタイプで、さらに会社員時代はかなりミスが多めのポンコツだったような気がするので、主人公とは違うかもしれません。でもかなり激務の部署も経験したので、仕事で自分がすり減ってしまうような気持ちはよくわかります。

職場では、仕事に真面目で性格で人当たりもいいから、いろいろな人に頼られてしまって忙しくしている先輩はたくさんいました。なので、主人公を描く上では、そういった人たちを参考にした部分もあります。

――救いの手を差し伸べた恐竜。大人気でした!なぜ、また恐竜だったのでしょうか?

息子が図鑑が好きでいろいろな図鑑を読むのですが「恐竜図鑑」を読んでいて、「長年の研究でいろいろわかってきたこともあるとはいえ、絶滅してしまった生物は、こんなにも分からないことがあるんだな」と感じました。そう考えると「わたしたちがあれこれ考えてヤキモキしたり不安に思ったり、人のために我慢していることなんて、数千万年後にはなーんにも残らないな」と思ったので、そのメッセージを恐竜に伝えてもらうことにしました。

――もし、自分の心のSOSに気づかない時はどうしたらいいと思いますか?

うーん、難しいですね…。本当に体と心のSOSが出てから休むのではなく、そのなるべく手前で休めるといいなと思うのですが、真面目な人ほどなかなか難しいですよね。人に話して初めて自分が結構追い詰められていることに気づいたりもするので、早めに信頼できる人に話を聞いてもらうことはいいのかなぁとも思います。

――その他にどのような漫画を描いていますか?

今はいろいろ描きたいテーマを探しながら、新作を描いているところです。仕事が少し忙しいのでスローペースですが、描き上がったらnoteや各種SNSでお知らせします。読んでいただけたら、嬉しいです。

本作を読んで同じような経験を持つ人たちから「わかる」「心にグッときた」などのメッセージが届いている。限りある時間でどう生きるのかを考えさせてくれる漫画だ。

取材協力:あきばさやか(@akiba_sayaka)