子供の頃から漫画が好きで、ユーモア溢れる漫画を描いている宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さん。Twitterにて公開された「夜逃げ屋日記」は、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれた人気漫画で、遂に2023年6月22日(木)に書籍発売されることが発表された。今回は、Twitterに投稿されている中から「夜逃げ屋日記」の第17話を紹介するとともに、著者に夜逃げ屋のカウンセラーの存在についても詳しく伺った。


夜逃げ屋は決行する前に依頼者と電話で打ち合わせして、依頼日の細かいスケジュールを立てる。社長は宮野に事務所の場所を教え、そこに来るように話す。どうやら、事務所で今度の依頼者と打ち合わせが行われるようだ。

宮野が事務所へ行くと、そこには見知らぬ男性と女性の姿があった。すると、その男性が宮野に握手しながら「はじめまして。夜逃げ屋のスタッフ兼カウンセラーのジョーです」と言う。

依頼者の中には夜逃げした後も心の傷が癒えない人もいるので、そんな時はジョーさんの出番。ジョーさんはカウンセラーが本業なので、夜逃げ屋はほぼ欠席状態。そして、ジョーさんが現在カウンセリングしている井上ヨシコさんこそが、今回の依頼者だと言う。

井上さんは母子家庭で、母親が昔からある宗教にのめり込んでいるとのこと。その宗教にはさまざまな規則があり、規則を破ると鞭打ちなどの虐待を受けるようだ。そう、井上さんは実の母親から逃げたいのだ。

物心つく前から一緒に宗教活動してきた井上さんはもうじき30歳を迎え、現在は中卒でアルバイトの身。母親が働く様子はなく、自分で稼いだ給料のほとんどは生活費で消えていく…。

その話を聞いた宮野は勇気を出して「お母さんのことどう思ってますか?」と尋ねると、井上さんは「私の人生をむちゃくちゃにされたんです。恨んでます。心の底から」と怖い表情で話す。どうやら、井上さんの母親への恨みは底知れぬようだ。

今回は宗教関連の夜逃げなので、さすがの宮野も想定外の事態だ。今回もこれまで同様、DVや虐待のケースだと思っていたため、知識がなく困り果てる宮野…。

すると、カウンセラーのジョーさんとバッタリ遭遇。ジョーさんに「よろしければちょっとお喋りしませんか?」と声を掛けられたので、二人は喫茶店へと向かう。果たして、ジョーさんと宮野は何を話すのか気になるところだ!

現在も夜逃げ屋のスタッフとしての顔を持つ宮野シンイチさん。今回は、著者に夜逃げ屋のカウンセラーの存在についてインタビューした。

――宮野さん自身、ジョーさんに会うまでカウンセラーの存在を知っていたのでしょうか?

チラッと聞いた程度ではあったのですが、「あー、なんかそんな人がいるって言ってたような…」ほどの認識でした。

――夜逃げ屋にとって、カウンセラーの存在はどのようなものだと思いますか?

心の傷はそう簡単に消えるものではありませんし、話を聞いてくれるだけでも楽になれることってたくさんあると思うので、重要な存在だと思います。






取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)